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『マタニティ・グレイ』とアウトプット癖をつけたい話

結婚しても子どもはいなくてもいいよね、と言っていた主人公に想定外の妊娠が発覚してからのトツキトオカの話。

『マタニティ・グレイ』石田衣良


本の内容紹介

妊娠しても会社に産休育休の制度がなかったこと、妊娠の体調変化による休職、産院選び、仕事や妊娠をきっかけに変化する周囲との関係性、復職への不安や仕事への思いなどなど主人公が少しずつ赤ちゃんの成長とともに変わっていく、行動していく姿が描かれている。

感想(ちょっとネタバレあり)と最近の自分の気持ちと

石田衣良さんの本は過去にもちらほら読んだことがあるけれど、男女の恋愛だと出てくるセクシーな描写が苦手で。笑 あまり積極的には読まない作家さん。

読んでみると、わかる、わかる!と共感することばかり。作者である石田さんは出産する側の性ではないので、こういった自分では直接体験できないことを書くためにどんな準備をするのだろう。作家さんの準備の仕方が気になって仕方ない。

この本は出産までで終わっている。産まれてからがこれからだぞ、と思うので、この家族に続きがあるならどんな話になるんだろうなぁ〜というのが気になって続編書いてほしいなぁ。

主人公は、自分が担当する雑誌で自分や周囲の妊娠出産体験を書くコラムを書くことになる。それは彼女にしかできない仕事。産休育休の間もずっと書き続けるコラムは戻る時の安心感になる。

このコラムの話が特に印象的で。それは「私は自分にしかできない仕事を持ちたい」という気持ちがどうしても強いんだな、と思った。

でも、その一方でわたしは自分の持っている経験やノウハウを全部手放して産休に入ったら(自分にしかできない仕事を手放したら)、復職した時どんな未来が待っているんだろう、と思っていた。

第二子の産休までもう少し・・という頃、具体的な作業で私しか知らないものはほとんどなかった。チームの中では社歴も長い方だったので、言語化されていなくて自分が持っている経験やノウハウをできるだけ全部伝えて手放して、自分ができることは周囲のメンバーもできる状態に(同じ経験はできなくてもせめて話には聞いたことがあって今後のプロジェクトに活かせるように)して第二子産休に入るぞ、と意気込んでいた。

しかしながら、妊娠中の体調変化で結局予定していた産休開始日の1ヶ月半前から休職することに。ちょうどこれからやろうと思っていたのにーという気持ちが残念で仕方がない。

この経験からの学びは、「休職に入るから」という状況関係なく、普段からもっと経験をシェアできていたら良かったのかもれないなーという反省。。やったこと自慢になるのではないか、とかこんな内容書いても意味ないんじゃないか、とか自分で勝手にいろんな制限をかけていたんだなぁと思う。アウトプットを自然にできるようになるのは課題だなぁ。

自分にしかできない仕事やアウトプット習慣については引き続き考えていきたいところ。


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