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無理やり歌の練習

 虐待サバイバーのゆうかです。

 私は、幼少期から父に本物のマイクを持ち、もちろん音量もしっかり出して、歌の練習をさせられていました。

 他にもあげたらキリがないほど、様々なことを強制的にさせられていましたが、今日は歌の練習について書き記します。

 私は、自由に歌を歌うことは大好きで、元々は、遊びながら歌を歌ったり、踊りながら歌ったりするような子供でした。
 
 ですが、改めて人前できちんと歌うことは、あまり好きではありませんでしたので、父から強制される歌の練習はとても苦痛でした。
 本格的なマイクを持たされ、父が選んだ演歌を聞いたあとに、それを覚え、歌わされるのです。
 
 おかげで、当時の演歌はだいぶ歌えます。

 私は音痴ではありませんでしたし、歌も下手ではなかったと思います。普通のレベルだと思います。

 ただ、4人姉妹のうち、長女と3番目の妹は歌がとても上手かったのです。
 妹に至っては歌手を目指してもいけたんじゃないかと思うくらい今でも上手です。
 父も母も、たぶん歌は上手だったと思います。

 おかげで、普通レベルの私は完全に下手扱いされたのです。

 何度もダメ出しをされ、歌い直しをさせられました。私は歌うことは好きでしたが、マイクを持って歌手みたいに歌うことは苦痛でした。他人がいなくても家族の前で査定されながら歌うほど苦痛なことはありませんでした。

 泣いたら怒鳴られるので、泣くのをこらえて何度も歌い直しをさせられるのです。でも半泣き状態なので、うまく歌えるわけもなく…。

 姉や妹はマイクを持つと、人が変わるタイプなので、練習させられることに苦痛を感じていなかったのではないかと思います。

 恐怖で震えている私が、これでは、歌がうまくなるわけがありませんよね。

 私は、このトラウマのせいで、今ではマイクをもって人前で歌を歌うことができなくなりました。

 私の学生時代はカラオケ全盛期でした。私も友達とカラオケに何度か行ったことはあります(父に怒られるのであまり遊びには行けませんでしたが‥)。

 それでも、誰になんと言われようと、決して人前では、歌いませんでした。割り勘でいいから、私は、下手だから恥ずかしい、と言い張り、空気が変にならないように必死でした。

 カラオケに、行かなければいいだけの話なのですが、当時片思いしている先輩がいたので、先輩の近くにいたいという理由だけのために、カラオケにも付いて行ったのでした。

 今の家族、夫と娘と息子ともカラオケには行きません。絶対に、歌いたくないからです。
 
 マイクを持って歌いだしたら、恐怖がよみがえり、自動的に涙があふれるのです。

 妹の結婚式で、4人姉妹で歌を歌う余興をやりました。
 私は、他の姉妹に下手と思われ迷惑がられたらどうしようという緊張感と、子供の頃、無理やり歌わされたフラッシュバックで泣きながら歌いました。

 ただ、シチュエーション的に結婚式でしたので感動の涙と、思ってもらえましたが。

 親のエゴで、子供が望んでいないことを無理やりやらせる弊害は、子供時代だけでなく、大人になってからも、苦しみを残すことになるのことを、身を持って体験しています。

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