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#04 新田醸造

こんにちは。

be-en 代表のゆうかです。

蔵元巡り第3弾は安政二年創業、長野県坂城町に店舗を構える新田醸造さんを訪問しました。

新田醸造さんは原料にすべて国産のものを使用し、木桶で味噌を作っている数少ない蔵元さんです。

蔵に並ぶ木桶

訪問すると、設備担当の笠井さんが出迎えてくださり、お話を伺うことができました。

笠井さん

新田醸造における味噌づくり

新田醸造の味噌造りは2月の麹造りから始まります。

麹は4日間かけて作ります。

米に大麦を2割混ぜた米麹を1日水に浸し、翌日蒸して温度を下げ、麹菌を混ぜます。この時、大麦が入っていると粘りが抑えられ混ぜやすいそうです。
混ぜたものを木の箱で一晩寝かせた後、室に広げて熟成させます。一度下から風邪をおくり、温度調整しながら一晩寝かせると麹ができます。

できた麹にスコップで塩を混ぜ、塩切りという作業で塩麹を作ります。

次に、大豆の調理です。

蒸気で圧力をかけて大豆を釜で蒸し、つぶした後、常温に冷まします。加水し、塩切りした麹と混ぜます。蒸し大豆と塩麹を混ぜたものをフォークリフトで桶に詰めた後、人が桶の中に入り、板で踏んで空気を取り除きます。ここが重要な工程で、タネに空気があると溜まりができたり、均質に仕上がらないそうです。

工場内部

こうして作ったタネを白味噌は3か月、その他の味噌は一年半熟成させます。

早く味噌を作りたい場合は熟成期間中に切返しを行い、空気に触れさせて発酵を促進させます。新田醸造では味噌造りに木桶を使用していて、木桶は木の繊維の合間から呼吸ができる為、切り返しは必要ないとのこと。

出来上がった味噌

大手の味噌は加温した即醸味噌がほとんどで、早いものは1-2ヶ月で発酵させ、時間やコストを削減し、早く美味しく仕上げることでスーパーが求める安い味噌を提供しているそうです。

将来への思い

若い人に味噌の良さを知ってほしい、と語る笠井さん。

最近は働き盛りの年代の人たちが食事にかける時間も短くなり、栄養も偏りがあることから、「具沢山で栄養のあるものを食べてほしい」とのこと。
地元の小学生が新田醸造さんを訪問し、味噌汁と味噌煎餅を作る体験があるとのことで、子供たちへ味噌の魅力を伝える活動もされています。

地元の小学生が書いた”そこが「ミソ」新聞”

また、若者に味噌を楽しんでもらえるよう、味噌プリンや味噌マフィンなども製品開発にも意欲的に取り組んでいます。

みそプリン
みそマフィンとみそチョコマフィン


将来的には新田醸造の味噌を若年層にも買ってほしい、という思いもあります。何でも、かつては観光バスが100台訪れていたものの、今では0台になってしまったそうです。以前バスで来店し、その後は通信販売でご購入いただいていたお客様も高齢化が進んでいる、とのこと。

事業としての継続性も然ることながら、個人の意見としては蔵元さんが手間暇かけてつくった美味しいお味噌が誰にも知られずに消えていってほしくない、今あるものを守り、広めていくための活動を今後も続けていきたい、という思いを新たにする機会になりました。

蔵元巡り、まだまだ続きます!

また次の記事でお会いしましょう✨

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