東川小学校

夏の終わりに、感受性を耕し、感性を豊かにする旅

こんばんは。夏の終わりに参加した「大人の学校」ツアーのイベントでの学びが自分の人生の中でも非常に濃かったので忘れないうちにこの記憶を書きとどめておこうと思います。

1.ツアー参加のきっかけ

今年で社会人2年目になり、仕事もやっと慣れてきた頃、キャリアについて漠然とした不安を感じるようになりました。ITという業界柄か、尊敬する先輩の転職が多かったり、地元福岡が住みやすい街として人気になるニュースを聞いたり、結婚する人が増えてくる年代の中で、ふと「自分の人生ってこれでいいんだっけ?」と振り返るようなことが増えてきました。そんなタイミングで今回、地域みらい留学の繋がりだった安井さんが北海道の旭川で『大人の学校』を体感するトライアルツアーをすると聞きました。

これは北欧にある大人のための学校「フォルケホイスコーレ」をコンセプトにした大人の学校をつくろうと動いていた安井さんと遠又さん2人が企画するツアーでした。

フォルケホイスコーレ、通称フォルケは世界の幸福度No.1のデンマークで生まれた、人生の学び直しのために国籍・宗教・文化問わず17歳以上の社会人が集う全寮制の教育機関です。自分も2年くらい前に自分の探求テーマだった『キャリア教育』系のイベントによく参加していたころに知り、非常に興味を持っていたこともあり、キャリアへの危機感が高まったタイミングだったこともあって参加することにしました。

今回は8月30日〜9月1日の間、北海道・東川町を舞台に、職業もばらばらの30歳前後の男女計8名が集まりました。

2.イベント内容

東京の大都会の喧騒の中にはないような旭川の大自然を堪能しながら、東川町の人や食・文化を知り、参加者と深く対話し、最後はフォーカスが自分自身に深く入ってような内容でした。

<<イベント概要>>

イベント自体は2泊3日中、全体的にゆったりとしていて、
こんな流れで進んでいきました。

DAY1

北の住まい設計社を訪問 渡邊ご夫妻のお話&工房見学
新田ご夫妻の畑・森林・農地お散歩 養鶏場(ファーム・レラ)訪問
東川町キトウシ森林公園 コテージで参加者とBBQ

DAY2

ファーム・レラの卵を使った朝ごはん
太極拳ワークショップ(岡本美佳さん)
せんとぴゅあのカフェテリアでランチ
東川町を発見する写真ワークショップ(飯塚達央さん)
コテージで参加者とカレー作り&人生の語り合い

DAY3

大人の人生の学校ワークショップ@東川町地域交流センター

ここからは写真をメインにツアーの様子を紹介していきます。

DAY1

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北欧デザインのとっても素敵な『北の住まい設計所』で
オリエンテーション&ランチを堪能しました。
みんな初対面だとは思えないくらい気さくで個性的なのが第一印象でした。

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渡邊さんの案内による設計社の見学
北海道で育った無垢の木材は高級品なんだとか。
渡邊さんのこだわりを聞きながら中をしばらく散策しました。

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お店がとにかくお洒落
北欧デザインの家具や雑貨は県外からも人気でたくさんの人が訪れるそう
こだわりのプリンやお土産も購入しました。

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コテージへの車移動の途中に新田さんのお知り合いの畑にお邪魔して
獲れたてのお野菜を大量にいただきました。
野菜が普段のスーパーで見かけない大きさでびっくり。

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新田さんに森づくりのこだわりを聞きながら
畑でトウモロコシを収穫させていただきました。
トトロのさつきとメイが収穫していたシーンそのもの

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とった野菜や北海道名物ジンギスカンでBBQ
参加者と星空の中で語りました
メンバー一人一人の人生が濃すぎてお酒なしでずっと話していられました。

そんなこんなであっという間に一日目は終了

DAY2

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早朝から養鶏場に向かい、生みたて卵をGETします

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朝食はとれたて卵で卵かけごはん
鶏のエサにこだわった卵は薄いレモン色なのが不思議です。
黄色い卵が普通という固定概念が外れました。

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食後は涼しい公園の中で旭川の風と木漏れ日の中
太極拳ワークショップ
気の流れって本当に感じることができるんだとびっくりします。

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そのあとはカメラマンの飯塚さんによる一丸レフの講座
数枚撮ってフィードバックをもらい撮り方のコツを学びました。
写真って意外と奥が深く、いくつかの機能を習っただけで劇的に上達

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お昼は「せんとぴゅあ」という地域の交流複合施設に移動
カフェテリアでランチ後、街へ繰り出し写真を撮るのに夢中になりました。
みんな独自の視点で気になるものを「切り取って」いきます。

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写真を撮っていると東川の特徴に気づきます。
子連れの人を見て子育て世代の多い街と気付く人、
どこにあったのか一見分からないものに着眼する人などいて面白い。

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みんなが撮った写真数枚を選んで発表会
一人一人自分の伝えたいものがあっていきいきしていました。
写真映えするものがあるところに行かなくても素敵なものはたくさんあるのだなと気付かされる、そんなワークでした。

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ワークショップの帰りにみんなで東川町が見渡せる展望台へ
旭川の大自然を堪能してしみじみ

夜はコテージでカレーを作って、
それぞれの仕事や人生について語り合いました。
その日は温泉に入ってしっかりと疲れを癒しました。

DAY3

最終日
ここで初めて「大人の学校」の全貌を知らされます。
まずはワークショップのために東川小学校へ
(こんなに近代的な小学校見たことありません)

東川


都会に戻っても心の中に”東川町”を持ち帰れるように、
自分の物語を編み、日常へと繋げていく時間。
東川町の良いところや自分がここで過ごすとしたら
どんな1か月にしたいかを書き出しシェアしました。

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そこから自分が人生にどんなものを求めているのか、
どんな価値観を大事にしているのかを深ぼっていきました。

3.この旅での学び~人生で得たいもの

この3日間は、25歳の私にとって、東川町で出会ってきた人たちの生き方や人生の数歩先をいく先参加者の人たちが描く夢や悩みを聞いたり、初めてやってみた一眼レフの操作など何もかもが刺激的でした。私にとっては回復の空間という感じで、バックパックで海外を一人旅をしていた時のように、自由で普段抑えている本音や欲求がすっと出てくるような空間でした。

私にとっては人生で立ち止まった瞬間瞬間で「人と人との繋がり」が自分を導いて来てくれたものであり、そういう「場所」が今まであったなぁと思います。今回もそんな「場所」や「居場所」、そしてそこでの「貢献」というのが自分が求めているものであり、「役割」で縛りがちな自分をもっと「自由」にしたいという根本的な欲求もあることも分かりました。

「普段自信が持てないんです」そんな言葉に、「大丈夫、あとは勇気出すだけだから!」と背中を押してくれる人がいたり、強みが分からないという悩みに対して、「ないと思っていたら人からの言葉も受け取れないよ。まずは自分には強みがあると信じないと。」と、そんな風にもアドバイスをされて、自分の価値を知らず知らずのうちに低く見ていたことに気づいたりと、親身にアドバイスをくれる家族以外の人に出会えることがこんなに自分を力づけてくれるのだと感じました。

直接の利害関係のない関係性だからこそ言えることや受け取れる言葉もあったように感じました。

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人生100年時代とかAIに仕事が取っていかれるといわれる時代において、自分が人生にどんなことに時間を使っていきたいのか考えることは、幸せに生きる上でとても重要になってくるのだと思います。

でもSNSなどで周囲の人生が見えやすくなったり、選択肢が飽和している世の中では、他人と比較して自分の価値を低く見積もってしまったり、自分にとっての幸せの最適解がみつけにくくなってきていて、そんな時代だから昔に比べるとメンタル不調に陥ったり、生きづらさを感じる人も増えているのかもしれません。

そんな中で、今自分の中にあるものをみつめなおすマインドフルネスとか、自分の求めているものをみつめなおすギャップイヤーのような時間が必要なのかもしれないなと思いました。

どんな職業にも資格が必要なデンマークだからこそ「フォルケホイスコーレ」のような自分の本当にやりたいことをみつめなおす時間を取る文化があるとも言えるのかもしれませんが、大手の企業に入ること=自分の幸せとなりにくくなった日本でもその文化はとても価値があるのではないでしょうか。

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非日常的な場所にいたり、普段しない自然やアートといった創造性を回復させるような環境に加えて、異なる性質の人達のなかにいるからこそ自分の特徴や価値が見えてきたりするのかもしれません。

そして、デジタルデトックスみたいな感じで、普段連絡を取り合っている人とも少し距離を置いてみて、普段交わらないようなバックグラウンドの異なる人達と話す中で自分の方向性が急速に高まる感覚がありました。それを話せる職場や家族以外のサードプレイス的な場所で、開放的になれたからこそ、自分の普段感じ取れていなかった本音や欲求が見えやすいのかもしれないなと感じた3日間でした。

実は私にとっては人生初めての北海道で、まさかそれまでは東川町に行くなんて夢にも思っていませんでしたが、このツアーに参加して間違いはなかったなと思いました。

この高まった思いを普段の忙しさのなかでできるだけ忘れないように胸に秘めて、日々を自分の意志で進んでいきたいです。

4.終わりに

私の中で急速に「コミュニティ作り」とか「人と人を繋ぐ」というキーワードが強まってきて、学生時代からの興味であった地域での「居場所作り」とか「サードプレイス」を作る活動をまた始めていきたいと思うようになりました。そして言葉にすることがやっぱり好きで、言葉を使うことをもっと仕事にしていきたいと思いました。

ちょっとずつ動き出していこうと思います。

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フォルケホイスコーレがなんなら日本にもできたらいいのにと思っていたので、この活動がずっと続いていってくれたら個人的には嬉しいです!東京で会えない人ともオンライン飲み会などでまた会いたいですし、何かの形で私も関わりたい!もし「この場所でこのツアーやったらいいかも」とか「この人が共感してくれそう!」という人をご存知でしたら教えて欲しいです!

このイベントを主催してくださった遠又香さん、誘ってくださった安井早紀さんと、お世話になった参加者の先輩たちにお礼を言いたいです。3日間ありがとうございました!

ポジティブにキャリアを考えている人やコミュニティに興味のある人にこの旅が届けば嬉しいです。

P.S.

飯塚さんが写真ワークショップの様子をnoteにしてくださっていました。





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