ドール No.10
著:小松 郁
10.
「治安維持に関しての判断はどう思うかね?」
「はい、某国がこれ以上介入してくるようであれば公害指定された人間を最前線に投入して某国の盾にするという選択肢も挙げられます。」
「うむ、その選択肢もあるな。
ドールがこれまでに蓄積した公害指定人間の頭数はどれくらいだね?」
「ざっとの数字ですが15万人にちょっと足りないぐらいです。」
「それだけの人員が居れば前線も維持できるか・・・。
ここは一石二鳥で公害人間の処分と某国の戦線維持に公害人間指定法を改正しようか・・・?」
「それは良いとしてドールたちはどうなされますか?」
「うむ、引き続き公害指定の人間を調達するとともに、とりあえず前線維持の指揮官としても活動範囲を広げられるように法律を改正しようか・・・。」
「それが良いかとは思います。」
「うむ、国際法上もドール推進法の拡大解釈を行えるように配慮しよう・・・。」
「某国も対抗措置として刑務所服役員などを前線に投入してくるかとは思いますのでどちらにしても人員的な損失は最低限で済むと思われます。
正式な軍部を動かすのはその情勢次第かとも思われますが某国との間で前線を拡大させないように裏でコネクションを張っておければと思います。」
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