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Led Zeppelin「Led Zeppelin IV」(1971)

ZEPの、いやハードロック界の屈指の誉れ高き名盤としてあまりにも有名なアルバム
実はこのアルバム、タイトルがありません。敢えて申せば、メンバーそれぞれのシンボルを載せてます。ジャケットにはメンバーさえ映っておらず、アトランティック・レコードも戸惑ったようです。一般的には「Led Zeppelin IV」「Four Symbols」「Untitles」等と呼ばれてますね。

Led Zeppelin Ⅲ」での様々な反応より、ZEPは用意周到に本作を制作しました。そして「これがZEPだ」と言わんばかりの素晴らしいものを作ってしまったんですね。

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初めて聴いた中学時代、このアルバムは②「Rock And Roll」と④「Stairway to Heaven」だけに惹かれていましたが、歳を重ねるにつれて、各々の収録曲に味わい深いものがあることが分かり、スゴイアルバムだと痛感していった次第です。

元ドラマーの私としては、①「Black dog」のジミー・ペイジのリズミカルなギターのリフと、それに絡むまるで戦車のようなジョン・ボーナムのドラミングに驚きを覚えます。 アコースティックな「Led Zeppelin Ⅲ」でのマスコミの反応を覆すかのようなハードロック。これぞZEPと思わせるような1曲。

そして御馴染みの②「Rock And Roll」。
バンド経験者の多くがこの曲をコピーしたのではないでしょうか?
私もその1人ですが、意外とこのグルーヴ感を出すのが難しかったりします。この曲のレコーディングには6人目のストーンズと言われたイアン・スチュアートがピアノで参加してます。彼とジャムセッションをしていたときに生まれた曲とのこと。

クィーンの「Bohemian Rhapsody」以上の完璧なロック。それが④「Stairway to Heaven」かもしれません。ギターキッズの誰もが(そしてギターキッズでない私も・・・)このイントロをコピーしたのではないでしょうか?
アコースティックな世界観に触れたZEPは、すぐにZEPサウンドとしてこのような名曲を作ってしまいました。
中盤から段々と盛り上がってくるアレンジは鳥肌が立ってくる思いです。特にジミー・ペイジのギターソロへ突入する部分、以降のボンゾのドラミング・・・。このグルーヴ感が堪りません。

個人的には学生時代は5曲目以下は聴き飛ばしていたのですが、アルバムを聴きこむにつれ、むしろこの5曲目以降の味わい深さにこのアルバムの良さが隠されているような気がしてきてます。
⑤「Misty mountain hop」なんかさらりと作った感じですが、ダイナミックなノリとポップな感じが新境地のZEPを見るような感じだし、ボンゾが4本のスティックでリズミカルなドラムを披露したことからその曲名が付いた⑥「Four sticks」は、そのグルーヴ感に浸ってしまいます。

フォーキーな音楽が好きな私としては、ZEP流フォークの⑦「Going to California」が好きだったりします。
ロバート・プラントはジョニ・ミッチェルにかなり感化されたようですが、音楽的にはむしろブリティッシュ・フォークの香りがしますね。「Black dog」「Rock And Roll」といったハードロックなZEPも魅力的ですが、フォーキーなZEPもまた味わい深いものです。

そしてエンディングトラックの⑧「When the levee breaks」。
とにかくボンゾのドラムがスゴイ。工場から届いたばかりの新しいドラムでこのヘビーな音が繰り出されたとのことですが、エンジニアのアンディ・ジョーンズはボンゾの要求するヘビーなドラムの音を再現するのに苦労したようです。
ジミーのボトルネックギターやロバート・プラントのブルースハープも最高です。シブい1曲ですが、これもまた素晴らしいZEP流ブルースですね~。

こうしてみるとこのアルバム、1曲1曲が超個性的であり、全く隙のないアルバムだということがよく分かります。やっぱりZEPはスゴイ。

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