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大江千里「1234」(1988)

熱海での大雨、土石流、自然災害とは怖いものです。雨や天災のことを考えていたら、ふいに千里さんの「Rain」が聴きたくなり、それから千里さんと美里さんとの関係、それから私が経験した神戸の阪神大震災、平松愛理さん…ツラツラと思い出し、それら音楽をじっくり聴いておりました。

洋楽好きな私ですが、学生時代は大江千里さんの大ファンでした(別にカミングアウトするわけではありませんが)。高校時代、初めて人前で歌った曲も千里さんの曲「十人十色」だったし、メガネやその容姿を真似したり…(苦笑)。
恐らく洋楽ファンからしたら、歌は下手だし、全く認めない!って方々が多いと思います。でも秦基博さんがカバーした「Rain」を聴いて、「あ、やっぱり千里さんって、メロディメーカーとしては天才だったんだなあ」と思った次第。

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本作はその「Rain」が収録された千里さんの1988年に発表された7枚目のアルバム。いや~、このジャケ、アップするの、なんだか恥ずかしい(苦笑)。

Rain」は本作の4曲目に収録された楽曲で、シングルカットはされてません。スタッフからは当時シングルカットを勧められたようですが。
転調しまくるメロディと、切ない詞が堪りません。2013年、新海誠さんの映画「言の葉の庭」で、秦基博さんがカバーされ、またまたこの曲に注目が集まりました。正直、千里さんと秦さんのバージョンを比較すると、やはり歌い手としては秦さんが上手…。

本作トップの①「Glory Days」は千里さんの代表曲ともいえるナンバー。シングルヒットしましたね。当時この曲を聴いて、「これはダリル・ホールの「Dream Time」のパクリじゃないか?」と憤ったものです。アップした映像…、なんか見ているこっちが恥ずかしくなってきます(苦笑)。時代を感じさせますね。

レゲエ調の⑧「昼グリル」。これをもうちょっとリラックスムードいっぱいのアレンジで演奏している映像がありました。2006年の日比谷野音。もうこの頃は声が出なくなってますね。ご存じのように千里さん、この翌年12月、日本での音楽活動の長期休業と、ニューヨークでジャズを学ぶことを発表します。もともとジャズピアニストに憧れていた千里さん、夢を追いかけることを決断した千里さんに感動を貰った記憶があります。

で、その千里さんがジャズピアニストとして発表したアルバムの中に「Rain」が収録されております。そちらもアップしておきます。このバージョンもなんかいいんですよね~。メロディが胸に染みるというか…。千里さん、やっぱり希代のメロディメーカーだと思う。
ちなみにこのバージョンが収録されている千里さんの2018年に発表されたジャズアルバム「Boys&Girls」がいいんですよね~。自身の楽曲を素晴らしいジャズアレンジで聴かせてくれます(まあ、そうは言っても誰も認めてくれないんだろうなあ)。

このアルバムから離れてしまいますが、千里さんのメロディメーカーとしての力量が発揮された楽曲が1989年発表の渡辺美里の「すき」。作詞:渡辺美里、作曲:大江千里。美里さんにとってはデビューからの付き合いで、私は二人は結婚するものと思ってました。それくらい深い仲。それとも兄と妹という関係なのでしょうか。なかなかいい関係だと思います。
で、その「すき」。伝説の1989年の西武球場でのコンサートは、雷雨の中、途中で中止が決定。その最後に歌われたのが「すき」。間奏で稲光が走ります。その奇蹟のシーンも含まれた映像をどうぞ。

私自身は千里さんの最高傑作は、1985年発表のサードアルバム「未成年」だと思ってます。「未成年」は、当時EPOのアレンジャーで頭角を現していた清水信之さんが、アレンジ&プロデューサーとしてタッグを組んだ名作。清水さんにとっても千里さんにとっても、ターニングポイントとなった作品かもしれません。
EPOや清水さん、美里さん、それからギターの佐橋佳幸さん、皆、都立松原高校出身。そこに千里さんが絡んできたり…。
そして忘れてならないのが平松愛理さん。既に離婚されましたが、ご主人は清水信之さんでした。その平松さん、阪神大震災のとき、直後に「美し都」という楽曲をリリースされました。当時、神戸に住んでいた私、KISS FMから、頻繁に「美し都」がオンエアされ、その楽曲に励まされたこと、よく覚えてます。この楽曲のコーラスに千里さんも参加しております(他に岡村孝子、沢田知可子、島倉千代子が参加)。

災害とはいつ起こるか分からないもの。そして誰に降りかかるかも分かりません。まさか自分自身が阪神大震災を経験するとは思いませんでしたし。今回の大雨・土石流に被災された方々に、心よりお見舞い申しあげますとともに、一日も早い再建をお祈りいたします。

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