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Spinners「Spinners」(1973)

スピナーズの代表作、これぞフィリーサウンド!ホントいいですね~。
CDを購入した当時、Atlantic Soul 1500と題して、同レコードの主要作品が1500円で販売されたのですが、本作はその内の1枚。今もフィリーはよく聴きます。

フィリーサウンドとは以下はてなより引用。

「ソウルミュージックの一ジャンルとしての「フィリー・ソウル/Philly Soul」を略したもの。甘美なストリングスと洗練された楽曲が特徴。ギャンブル&ハフが設立したレーベル、PIRおよびその本拠地であるシグマ・サウンド・スタジオで制作されたソウルを指すことが多い。代表的なアーティストは、ハロルド・メルヴィン&ブルーノーツ、エボニーズ、オージェイズ、スタイリスティックス、スピナーズ、デルフォニックスなど。」

「はてな」より

文中では抜けてますが、付け加えるとすれば、トム・ベルという有能なプロデューサーとシグマサウンドの定番演奏集団「MFSB」がキーですね。

本作はそのトム・ベルのプロデュース。トムが新たにアトランティック入りしてきたスピナーズをシグマ・サウンドへ送り込み、バックをMFSBが務めたもので、フィリーサウンドの極みが感じられます。

いきなりフィリー独特の甘味なオーケストレーションが感じられる①「Just Can't Get You Out Of My Mind」。メロディもポップで、ギターのカッティングも心地いいですね。特筆すべきはドラムの重さ。スネアとタムを同時に叩いているのでしょうか?非常にタイトですね。
MFSBの主要メンバーはロニー・ベイカー(ベース)、ノーマン・ハリス(ギター)、そしてアール・ヤング(ドラムス)。このドラムはアール・ヤングです。

スピナーズの代表作⑤「I'll Be Around」もMFSBの演奏がフュージョンっぽくていいし、やはりヤングのドラムはタイト。

またこれも名曲⑥「One Of A Kind」ではヤングのリズミカルなドラミングがイントロから聴けます。楽曲は甘いポップスですが演奏が引き締まっているので、大人のポップスに仕上がってますね。
この曲、特に間奏のオーケスラを聴いていて、ふっとオザケンこと小沢健二の「ドアをノックするのは誰だ?」を連想してしまいました(笑)。オザケンもフィリーが大好きだったんでしょうね。

本作後半の⑧~⑩の流れは鳥肌モノ、大好きな楽曲群です。
⑧「Ghetto Child」でのこれぞフィリーの甘美なオケ、また歌詞も結構真面目なもの。

⑨「How Could I Let You Get Away」のメロディの美しさ。⑩「Could It Be I'm Falling in Love」のフィリップ・ウィンの華麗なファルセット・ヴォイス。
⑩「Could It Be I'm Falling in Love」は邦題「フィラデルフィアより愛をこめて」として有名で、誰もが聴いたことのある楽曲かもしれませんね。う~ん、しかし特にこの曲、聴けば聴くほどフィリップ・ウィンのヴォーカル、グッチ裕三氏に酷似してます(笑)。いやいや逆ですね。グッチ裕三氏がフィリップ・ウィンに似ているんですね。ファルセットするところとか、声質まで似てます・・・。

スピナーズがモータウンからアトランティックへ移籍して、気合の入った一枚。バックの演奏とトムのプロデュースが光る一枚、名盤です。
ライノのライナーノーツも相変わらずこってりしていていいですね。


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