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Fleetwood Mac「Heroes Are Hard to Find」(1974)

GWの真ん中3日は普通に出勤していたので、あまりGWという意識もないのですが、皆さんは如何お過ごしでしょうか。私も音楽三昧…ということで後半4連休で、アルバム2枚をご紹介したいと思ってます。

まずはフリートウッド・マックです。Note MateのSkyBlue⚽️さんの記事にインスパイアされ、フリートウッド・マックの「噂前」の作品、「Heroes And Hard to Find」をチェック。1曲目から先入観によるイメージとは全く違う展開に驚いてしまいました…。

そもそもこのアルバム、ジャケットからして全く聴く意欲が失せてきてしまうもの(笑)。なんで「噂前」のマックってこんなジャケばかりなんでしょうかね~。
ピーター・グリーンのバンドだったデビュー当時のメンバーのミック・フリートウッド(Ds)とジョン・マクヴィー(B)のリズム隊が核となり、途中でボブ・ウェルチやクリスティン・マクヴィーが加わってくるのですが、本作発表前はこの4人にボブ・ウェストン(G)の5人編成でした。
ところがボブがミック・フリートウッドの奥さんのジェニー・ボイド(パティ・ボイドの妹)と不倫関係に陥り、バンドを解雇され、1973年10月から予定していた米国ツアーがキャンセルとなってしまいます。
一方どうしても米国ツアーを開催させたかった当時のマネージャーは、なんと覆面バンドを作って強硬に確行。バンドと係争問題に発展してしまいます…。

結局フリートウッド・マックは当時としては異例のセルフマネジメントをすることとなり、こうした揉め事に嫌気がさしたボブ・ウェルチまで本作発表後に脱退。そしてまたフリートウッド・マックは違った形に飛躍していきます。本作はそんな過程で発表されたアルバムです。

まずはアルバムトップの①「Heroes Are Hard to Find」のポップな仕上がりにビックリ。クリスティン・マクヴィーの作品です。かなりアメリカンな仕上がりですね。ホーンアレンジはニック・デカロ。
元々アメリカへの進出を目論んでいたフリートウッド・マックにとって、米国人のボブ・ウェルチの加入は好都合だったわけで、そこにクリスティンのポップな要素が加わり、こうしたご機嫌なポップ・ロックが生まれたわけですね。

次に驚いたのが②「Coming Home」のサイケな感じと①とのギャップ。
こちらはボブ・ウェルチ作。ボブってポップな曲を書く人という先入観があったのですが、こんな実験的なサウンドもやっていたんですね。
私には後期バーズの香りを感じました。ボブのギターのバックで、縦横無尽に動いているジョンのベースもいいですね。実はこういう曲も結構好きだったりします。

ボブ作のラテンタッチの④「Bermuda Triangle」もなかなか素晴らしい作品。こちらは当時のライヴ映像をアップしておきます。ボブ・ウェルチのギターの腕前もなかなかのもの。クリスティンのキーボードもいい味付けしております。そして何より二人のハモるヴォーカルがいいですね。
このライヴ映像は10分強ありますが、そんな長さを感じさせないくらいに演奏(そして語り)を聞かせてくれます。そういえばサンタナがヒットさせた「ブラック・マジック・ウーマン」もフリートウッド・マックでしたね。そんなことも連想させる演奏です。

クリスティン作の美しいピアノからスタートする⑤「Come a Little Bit Closer」。彼女らしいミディアムテンポのポップロック。スライドギターはボブのプレイでしょうか。実は単純なメロディの繰り返しなのですが、コーラスや仰々しい(ニック・デカロの)アレンジもあり、なかなか地味ながらもいい曲に仕上がってます。

ここで出ました。ボブ・ウェルチ流ポップスの⑥「She's Changing Me」。
この曲、かなり好みですね…。後にソロでヒットを飛ばすこととなるボブ・ウェルチの持ち味がこの曲には存分に発揮されてます。
ニック・デカロのちょっとやり過ぎ感のあるホーンアレンジには賛否両論あると思いますが、60年代ソフトロックや渋谷系ポップスを連想させるもので、そういった音楽が大好きな私にとっては、こういうの大好きですね~。見事に3分以内に収まったポップスです。

最後にご紹介するのはクリスティン作の⑦「Bad Loser」。
かなりカッコいいミックのドラミングからスタートするマック流ロック。これはライヴでは盛り上がるだろうなあ。
ちょっとブルージーな香りを残しつつ、しっかりカッコ良さも併せて持った佳曲。本作ではクリスティンは3曲提供しておりますが、どれも個性的な楽曲ですね。

前述の通り、1974年12月にボブ・ウェルチは脱退。そこにバッキンガム・ニックスとして活動していたリンジー・バッキンガムとスティーヴィー・ニックスに加入を打診。2人は早々に加入を決め、翌月1975年1月には次作「ファンタスティック・マック」のレコ―ディングに入っております。まさかその新生フリートウッド・マックが大きな成功を掴むとは…、世の中、面白いものです。

ちなみにバッキンガム・ニックスの唯一のアルバム「バッキンガム・ニックス」も実は結構興味深いアルバムです。ここに既に大成するフリートウッド・マックの原型が見て取れます(機会があればいずれご紹介したいですね)。

気のせいか、リンジーが下品に見えてしまうジャケ。
これも当時のマックとの共通項に感じてしまいます(笑)。

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