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Iron Maiden「Piece of Mind」(1983)

80年代NWOBHMを代表するバンドの名盤

アイアン・メイデンはベースのスティーヴ・ハリスを中心に1975年に結成されたへヴィメタルバンドです。メンバーはしばらく流動的でしたが、本作発表時のメンバーでしばらく固定化されました。私が洋楽に目覚めた頃はアイアン・メイデンのドラマーはクライヴ・バーと記憶していたのですが、本作発表時よりニコ・マクブレインに代わり、ニコはアイアン・メイデンの屋台骨を支えていったのでした。
ちなみにクライヴ・バーは多発性硬化症という難病にかかってしまい、彼の治療費のために現メンバーでチャリティコンサートを行ったりしていたようです。

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このアルバムが発表された当時、私はこのアルバムに収録されている⑤「The Trooper」に感動してしまいました。これぞへヴィメタル。イントロからしてツインギター&ベースのハモリが素晴らしい。そしてこの楽曲の作者であるベースのスティーヴの凄まじいベースプレイ。ニコの安定感のあるタイトなドラム。ブルース・ディッキンソンの迫力あるヴォーカル。どれもこの楽曲の持つスリリングな展開に欠かすことが出来ません。
そういえば中学時代、この曲に合わせてエアギターをよくやったものです。私のなかではアイアン・メイデン=「The Trooper」なのです。

もちろん他にも佳曲は数多く収録されてます。
何といってもイントロのニコのタムまわしフィルから入る①「Where Eagles Dare」からインパクト大ですね。ニコのドラムはワンバスですが、手数が多く、とてもパワフルな印象を与えます。
この曲、強烈なシャッフルナンバーですが、ギターソロなんかを聴いていると、なぜかキッスを連想してしまいます。もちろんアイアン・メイデンは英国のバンドですが、この曲にはアメリカンロックの要素が垣間見られるような気がします。

そして「The Trooper」と同じくらい人気の高いナンバーの③「Flight Of Icarus」。サビは皆と合唱出来るような立て付けですね。アイアン・メイデンはジャケットで好みが大きく2分されてしまうようなグループだと思いますが、聴かず嫌いの方々にこの作品を聞かせたら、「意外とアイアン・メイデンっていいね」といった評価に変わるのではないでしょうか(ちなみにジャケの悪魔君はエディと呼ばれて、ファンから愛されてますね)。

④「Die With Your Boots On」もかっこいいなあ。スティーヴのベースの音がスゴイですね。
なんだかヴォーカルのブルースの声がガンズのアクセル・ローズのものに聞こえてしまう(??)。ブルースはこんな容姿なのですが(失礼)、実はパイロットも務めていることは有名ですね。ミュージシャン兼パイロットなんて、彼くらいではないでしょうか?

このアルバム、前半①~⑤があまりにも素晴らしく、後半息切れの感があるとのご意見が多いようです。個人的にもそれは確かなことと思っていますが、大作⑨「To Tame a Land」の中世風な雰囲気を醸し出した楽曲なんかは彼ららしく、すごく聴き応えがあります。後半のスピード感溢れる展開なんかスリリングですね。

ジャケットで損をしているアイアン・メイデン・・・。でもこうした楽曲を聴いていると、後の多くのへヴィメタルバンドに多大な影響を与えると思われ、また未だに現役で活動している彼らに脱帽する思いです。


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