見出し画像

Rick Springfield 「Working Class Dog」 (1981)

80年代前半をリアルタイムに過ごした私にとっては、リック・スプリングフィールドは、洋楽聴き始めの初心者である私にとって「スター」的な存在でした。「ジェシーズ・ガール」から始まって、多くのヒット曲を我々にプレゼントしてくれましたね。
当時リックは俳優業もやっており、彼が出演したドラマ「ジェネラル・ホスピタル」は、実は米国では1963年から放送している人気TV番組だったんですね。てっきりこの80年代に始まった番組かと思ってました。

リックの代名詞的なアルバム「Working Class Dog」は実は彼のデビューアルバムではありません。なんと5枚目のアルバム!リックの音楽キャリアはかなり長く、60年代まで遡ります。1969年、母国オーストラリアでズートというバンドを結成し、ローカルバンドとして人気を博し、1972年に渡米。キャピタルレコードと契約するのですが、アイドル歌手として売り出したいレコード会社と、ハードロッカーとしていきたいリックとの間で衝突。発表するアルバムは全くセールスが伸びず、最後はダメだしを喰らってしまいます。そんなとき演劇学校にも通っていたリックに、昼メロドラマのオファーが…。それが「ジェネラル・ホスピタル」のDr.ドレイク役だったわけです。
ちなみにリックが「ジェネラル・ホスピタル」に出演していた時期が1981年~1983年。そして本作制作は1980年夏、発表が1981年2月。ドラマでブレイクしたから、本作が制作出来た…というわけでもなく、ほぼ同時期に音楽業も俳優業も動き出した…ということなのでしょうか。だとしたらリックも相当ラッキーな人物。

画像1

当時もインパクトが強かったジャケ。犬好きには堪りません!このブルテリア、当然リックの愛犬、ロニー君。1994年まで生き抜いたとのこと。
プロデューサーはキース・オルセンビル・ドレッシャー、そしてリックの3人。キースといえば当時はフリードウッド・マックやパッド・ベネターのプロデューサーとして有名で、本作発表後、サミー・ヘイガーやホワイト・スネイク、オジー・オズボーン等ハードロック系のプロデューサーとして名を馳せた人物。キースもまた、本作の大ヒットにより、更に超売れっ子プロデューサーとなっていきました。

さて、本作の内容ですが、まさにアメリカン・ロック。後に産業ロックと揶揄されるようなジャンルに区分けされるかもしれませんが、分かり易いストレートなロック。アルバムトップの①「Love Is Alright Tonite」はアルバム全体を象徴するようなナンバー。アップした映像のリック、やっぱりカッコイイですな~。俳優が本業だと思い込んでいた奥様連中が、騒いでいたというのも理解出来ますね~。

本作からのファーストシングルの②「Jessie's Girl」。リックの代名詞的な楽曲ですよね。私が洋楽を聴き始めた頃に大ヒットしていたナンバーで、覚えやすいけどカッコいいギターリフ、間奏のカッコよさから中学生ながらもすぐに好きになったナンバーです。もちろんリック自身の作品(本作は1曲を除いてすべてリックの作品)。俳優業から火が付いたロッカー…というイメージが付きまとうリックですが、実は決してそんなことはなく、素晴らしい実力派ロッカーなのです。そして詞も、お子様ソングとは一味違います(友達のジェシーの彼女が欲しい…って詞ですね)。

この曲のみサミー・ヘイガーの作品の⑤「I've Done Everything For You」。サミーのバージョンとはあまり違いがありません。確かにリックの音楽と、当時のサミーの作風は似ています。サミーとはキース・オルセン繋がりでしょうか。アップした映像はPVですが、当時流行りまくっていたMTV受けするような作りですね。

レゲエアレンジがなかなかいい味だしているナンバーの⑦「Everybody's Girl」。アップした映像はライブバージョン。ギター上手いです!
ちなみに本作のレコーディングでは、全面的にパット・ベネターの相方であるニール・ジェラルドがギターとベースでバックアップしていますが、彼のアイデアもいろいろと含まれているのかもしれません。あとギターにはロベン・フォード、ドラムは当時売れっ子だったマイク・ベアードが参加しています。

意外と大好きなナンバーが⑨「Red Hot & Blue Love」。ツービートを強調したオールドスタイルのロックンロール・ナンバー。カッコいいです!

⑩「Inside Silvia」はエンディングに相応しいバラード。エレピを効果的に使ったナンバー。この曲なんか聴くと、やっぱりリックは売れるべくして売れたロッカーだなあと思ってしまいます。

この後、「ジェネラル・ホスピタル」は、リックに続いてジャック・ワグナーというスターを輩出。俳優専業の彼が発表した「All I Need」も大ヒットしましたね。
ちなみにリックの実の息子のリアム君も「ジェネラル・ホスピタル」に登場したことがあります。リックの息子…、どんなにイケメンか、気になってチェックしてしまいました(笑)。リックと並んで写っている写真がいろいろとあります。やっぱりリック、若いなあ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?