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Don Henley「Cass County」 (2015)
2015年に元イーグルスのドン・ヘンリーがアルバムを発表しております。
80年代のドンを知る私にとっては、イーグルスの「Hotel California」以降の路線、そして80年代ロックの波に乗った音つくりといったイメージが強く、もともと初期イーグルスのファンでもあったので、率先してドンのソロを聴こうとも思っていませんでした。
ドン・ヘンリー、その長いキャリアの割りには、実は寡作な人なんですね。
1982年 「I Can't Stand Still」
1984年 「Building the Perfect Beast」
1989年 「The End of the Innocence」
2000年 「Inside Job」
イーグルス解散後、本作を含めても発表されたソロ作品は僅か5作。私がリアルタイムで聴いていたのは「The End of the Innocence」までです。
今回の作品は当時、全く何の予備知識もなく、聴くこととなったのですが、そもそもジャケットからして懐かしい雰囲気が伝わってきます。そしてタイトルの「Cass County」は、後で知ったのですが、ドンが生まれ育った故郷の地名とのこと。
![](https://assets.st-note.com/img/1682976816977-AcUo97Gwxh.jpg)
CDをパソコンに入れてプレイヤーを立ち上げると・・・、CDのジャンルがカントリー???
そして流れてきた音は確かにカントリーでした(笑)。しかもスティールギターがメロディを奏でる、ホントのカントリー。でもこのカントリーに、いぶし銀のドンのヴォーカルが実にマッチしてます。
その1曲目の①「Bramble Rose」。なんとデュエット相手はミック・ジャガー!ドンの次に歌うのはミランダ・ランバート、ミックはその次。ミックのヴォーカルも意外とカントリーに合っているかもしれません。しかしアルバム1曲目がほのぼのしたカントリーワルツっていうのも、なかなかすごい。ちなみにこの曲はティフト・メリットという女性カントリー歌手の2002年のヒット曲らしいです(選曲も渋い)。
③「Take a Picture of This」。ドンのハイトーンなハスキーヴォイスが冴えます。やはりカントリーバラードですが、アップした映像を見ても、味わい深い楽曲であることがお分かり頂けるかと。
こうしたリラックスムードがずっと続きます。
個人的には④「Waiting Tables」が、往年の名曲「テキーラ・サンライズ」みたいな楽曲で、かなり好みです。
本作中、一番ロック寄りでしょうか。⑧「That Old Flame」はマルティナ・マクブライドとのデュエット。ドンがハスキーなら、マルティナはパンチのある女性ヴォーカルで、この二人の歌声、実に合ってます。かっこいいですね。
カントリー界の大御所、ドリー・パートンとのデュエットも本作の聞きどころですね。楽曲は50年代のルービン・ブラザーズのヒット曲、⑨「When I Stop Dreaming」。ドリーの息のあったデュエットを聞かせます。
ドン・ヘンリー、当時68歳にして、ようやく作りたかったアルバムが作れたということでしょうか。バーニーを除いた、イーグルスの再結成動向については、どうも商業的な匂いもプンプン漂い、いまいち好きになれなかったのですが、本作は商業的なものを排除した(ただ有名カントリー歌手とのコラボという点は、なんとなく商業的なものを感じ取ってしまいますが(苦笑))、カントリー好きな私にとってはツボのアルバムでした。
この後、ドンはどこへ向かおうとしているのでしょうかね。
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