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今年最後の投稿は、ゴダイゴ「西遊記」で・・・

今年もあっという間の1年、皆さんにとってこの1年、如何だったでしょうか。

私はといえば、セカンドキャリアとなる現職は軌道に乗り始め、まずまずの1年でしたが、(詳細は省きますが)父親がいろいろと苦労を強いられました。結果的に年末ギリギリに新たな住処を見つけ、そこに引っ越すことが出来ましたが、(私の場合はそうではないですが)親の介護はどこか他人事に感じていたものが、その役が周ってきたことで、自分もそういった年齢であるんだなあと痛感。そういえば職場等、周りも親の介護・看護等をされている方が多いですね…。

というわけで、1年1年、確実に歳を取っていることを実感した1年でしたね。

さて、今年最後にご紹介するアルバム、どうしようかなと思ってましたが、直前に偶然耳にしたゴダイゴの「Monkey Magic」のグルーヴ感に今更ながら感動…、急遽本作をご紹介することにしました。年末年始という時節柄にもなんとなく合っているかなと(実は直前まで違うアルバムの記事を書いていたのですが)。

腕利きのミュージシャンの集合体でもあったゴダイゴですが、全曲が英語で歌われるというハンディもあり、商業的には成功とは言い難い状況が続き、背水の陣で臨んだ作品がサード・アルバムの「西遊記」だったわけです。

ミッキー吉野は、もともとゴダイゴを世界的に、特にアジアでも通じるバンドとして考えていたようで、特にセカンドアルバム「Dead End」の制作途中から「西遊記」に纏わるテーマを考えていたようです。

一方、日本テレビでも「西遊記」をドラマ化しようという計画が持ち上がり、当初は音楽担当に冨田勲の器用を考えていたとの話もありました。そんな中、当時のゴダイゴは、売れてなかったこともあり、CMやドラマ主題歌等、とにかく数多くの作品に関わっており、クリエイターの間では高い評価を受けていました。そんな地道な努力が実り、結果的にゴダイゴが「西遊記」の音楽を担当することになります。偶然が必然を生んだ典型例とも言えますね。

このレコ―ディングと同時並行的に彼等はCharのツアーに同行しております。それが1978年7月21日から8月28日まで、全国24か所を周るツアーでした。当時は圧倒的にCharの人気が高く、まさか数か月もしないうちに、その関係が大きく逆転するとは誰も想像していなかったでしょう。
そしてテレビドラマが10月1日に放送開始され、本作は10月25日に発売されます。

オープニングからインパクトが非常に大きい①「THE BIRTH OF THE ODYSSEY~MONKEY MAGIC」。
「THE BIRTH OF THE ODYSSEY」はミッキー吉野作のプログレッシブなインストナンバー。シンセの使い方がカッコいい。恐らく元々この曲のアイデアがあったんでしょうね。そしてそれに続くオリエンタル・ファンクなタケカワユキヒデ作の「MONKEY MAGIC」。出だしの「アチャー!!」はベースのスティーヴ・フォックスのアドリブ。ライヴではドラムのトミー・シュナイダーが叫んでますね。
この曲の醍醐味はやはりリズム隊のグルーヴ感。当時の日本のロックバンドの最高峰に位置するものだったんじゃないでしょうか。それからインストナンバーに続くミッキー吉野のシンセを使ったアレンジも絶妙。そして浅野孝己のシャープなカッティングギターも魅力的。つまりこの曲はミッキー吉野のマーケティングセンスとバンドの実力が合わさった売れるべきして売れた楽曲…なんでしょうね。

ミッキー吉野が「売れるためにどうしたらいいか」、全精力を傾けてアレンジした②「GANDHARA」。
テレビとのタイアップの決まったものの、全く商業的な成功を収めていなかったことから、ミッキー吉野はこの曲に賭け、見事に成功を手にしたのでした。
夢の国ガンダーラへ行くという世界観と、ママス&パパスの「夢のカリフォルニア」の世界観が合っていたということもあり、あのようなイントロになったらしい。なるほど…。アコギを4本以上多重録音し、ベースの音からドラムのフィルインまで計算された作ったガンダーラ。何度も聞いてきた名曲ですが、そういった背景を踏まえると、より一層味わい深い曲と感じます。

このドラマは夏目雅子がスターダムを駆け上った作品としても有名ですね。⑤「Thank You, Baby」は元々彼女のテーマソングだったというわけでもないのですが、早逝してしまった彼女を思う時、この曲の歌詞が胸に染みてきます。ポール・マッカートニーのようなタケカワユキヒデらしいメロディを持つ小品ですが、味わい深いです。それからシンセを駆使したミッキー吉野の秀逸なアレンジも見逃せません。ゴダイゴの影の名曲ですね。
せっかくなので、夏目雅子さんの映像をバックに曲を聴いてみて下さい。

ちなみにこの曲、堺正章が「この道の果てまでも」と改題、カバーしておりますが、これもまた絶品です(こちらもドラマの挿入歌だったようです)。

当時のライブでは定番ソングとなっていた⑥「STEPPIN' INTO YOUR WORLD」。
ちょっとオリエンテッドな香りのするアレンジはミッキー吉野ならでは。そしてこの曲はミッキー吉野の作品です。ちょっとコミカルでファンキーなナンバー。こうしたリズミカルなナンバーはゴダイゴが得意とするところ。

ひょっとしたら年末というより、年始に聴いたほうがいいかもしれない⑪「CELEBRATION」…。
かっこいいスタジオ・ライブ映像がありました。タイトでロックしていつつ、ポップな面が発揮されたゴダイゴらしいナンバー。後の「銀河鉄道999」を彷彿させますね。しかもエンディング近くではアカペラまで披露しております。凄いバンドですね…。

英語に拘り、背水の陣で臨んだ本作、その賭けに勝ったミッキー吉野率いるゴダイゴ、彼等自身がセレブレートされるべきで、そう思いつつ演奏していたのかもしれませんね。

今年はちょうど1年前、最愛の愛犬モカが虹の橋を渡り、意気消沈して迎えた年始でした。ただモカと過ごした楽しい思い出と音楽が癒しとなり、二代目愛犬を迎え入れることが出来、結構充実した年となりました(仕事もですが…)。
こうしてゴダイゴの「CELEBRATION」を清々しく聴けることの幸せを噛みしめつつ、また来年も良い年となればいいなあと思ってます。

皆様方もお体を大切に、どうぞ良いお年をお過ごしください。そしてまた来年も宜しくお願い致します。

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