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Procol Harum「A Whiter Shade Of Pale」(1968)

プロコル・ハルムの中心人物、ゲイリー・ブルッカーが亡くなられました。早すぎる死が惜しまれます。

プロコル・ハルムといえば「青い影」ですね。このアルバムもなかなか聴き所が満載です。
60年代を代表する曲のひとつ、プロコルハルムの「青い影」。我々エイティーズ世代にとってはウィリー・ネルソンのカバーで有名かもしれません。
プロコルハルムにとってはなんとこれがデビューシングル。でもこのデビューシングルの大ヒットが彼等を大いに悩ませたことと思われます。

アマゾンの本作のレビューを見ても、「「青い影」以外他は全部捨て曲」などの書き込みが見受けれましたが、実際「青い影」があまりにも素晴らしい出色の作品なので、そういった評価を受けてもある意味しょうがないかなと思いますが、個人的には他の曲が決して「捨て曲」だとは思いません。

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プロコルハルムはゲイリー・ブルッカー(Vo,P)、キース・リード(詞)を中心としたグループで、そこにオルガン奏者のマシュー・フィッシャー(Org)、デヴィッド・ナイツ(B)、レイ・ロイヤー(G)、ボビー・ハリソン(Ds)が加わり、デビューシングル「青い影」を吹き込みます。当時のデラム・レコードはこの曲にそれほど期待をしていなかったようですが、見事に大ヒットを記録。

ところがここでデラム・レコードと契約上のトラブルが発生。またギターとドラムがグループを脱退、新たにロビン・トロワーB.J.ウィルソンが加入(この布陣のメンバーがオリジナル・メンバーと称されている)。
リーガル・ゾノフォンへ移籍してデビューアルバム「Procol Harum」を発表します。えっ?? タイトルが違う?? いえいえ、当時は1曲目に「青い影」は収録されておらず、それが故に商業的には失敗に終わってしまいます。アップしたジャケや、今、一般的に発売されているこの作品は1曲目に「青い影」が収録されており、アルバムタイトルも「A Whiter Shade Of Pale」ということになっております。

デビュー早々、ゴタゴタ感が漂っていますが、「青い影」のイメージを払拭してこの作品を聴くと、なかなか聴き応えのあるアルバムだと思います。

②「Conquistador」(発売時はこれが1曲目)。いきなり歪んだロビンのギター・・・、「青い影」を期待してこのアルバムを購入したファンは、やっぱりびっくりするでしょうね。
この当時のメンバーとは一部違いますが、ライブ映像をアップしておきます。結構カッコイイです。

マシューのオルガンが隠し味となっている③「She Wandered Through The Garden Fence」は結構個人的お気に入りです。

⑤「Mabel」はジャグバンドスタイルの音楽で、ラヴィン・スプーンフルを彷彿させます。
まさかプロコルハルムがこんな楽曲を残していたとは・・・。ラジオでかかっていたら、絶対にプロコルハルムとは分かりません。

様式美を感じさせる⑦「A Christmas Camel」。
これも影の名曲のひとつかもしれません。力強いゲイリーのピアノとロビンのネチッこいギターソロ・・・。なかなかの佳曲です。
それにしてもゲイリーのヴォーカル、ソウルフルでスティーヴィー・ウィンウッドと似ていますね。

⑩「Good Captain Clack」なんかは、「青い影」ファンからしてみたら許せないかもしれませんね(笑)。
でもこれも⑤「Mabel」と同様、アルバムにアクセントを添える意味では重要な楽曲に思えてなりません。それに私自身、このテのグッドタイム・ミュージックが大好きなもので・・・。

⑪「Repent Walpurgis」は唯一マシュー・フィッシャーの作品。
マシューのオルガンをフューチャーしたインストです。アップしたライブ映像は、実際のレコードよりも重厚に、どっしりと演奏しております。この楽曲を聴けば、「青い影」だけではないとお分かり頂けるでしょう。

最後にやっぱり①「A Whiter Shade Of Pale」をアップしておきましょう。ちなみにのちにマシュー・フィッシャーが、自分に著作権があるとの訴訟を起こし、2006年に40%の権利が認められました。ただし2008年、控訴審はマシューを作者のひとりとして認めつつも、権利金は認められないとの判決に至っております。
名曲だけにいろいろなエピソードがありますね。



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