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Grand Funk Railroad 「Closer to Home」 (1970)

アメリカの元祖ハードロックバンドといえばグランド・ファンク・レイルロード(GFR)でしょう。

3人組で荒々しい演奏スタイルのGFRは、私の好みとは違っていたので、私の中ではスルーされていたバンドですが、改めて聴いてみると、特にベースの迫力が凄いことに驚かされました。「アメリカン・バンド」がヒットした頃のスタイルよりは、やはり初期のGFRがカッコいい。実は初期のアルバムはあまり良くないのでは・・・といった先入観から、あまり聴いてなかったのですが、いいですね~。特に本作は地味な扱いながらも、かなりイイです。
このアルバム「Closer to Home」は彼らの3作目にあたります。

フォーキーなイントロと思ったら…、歪みまくったギターとベース、そしてマーク・ファーナーのシャウト系ヴォーカル・・・。①「Sin's a Good Man's Brother」は強烈なハードロックです。当然ながらドラムもこれでもかとばかりにスネアを叩きまくってます。これぞアメリカン・ハードロック。ちょっと60年代後半のドロドロしたニューロックの香りがするところが、時代を感じさせます。1曲目から圧倒的な迫力です。

リズミカルな②「Aimless Lady」、意外とこの曲は好きですね。1曲目もそうですがメル・サッチャーのベースがブンブン唸りまくって、スゴイことになってます。この曲は演奏面ではベースがグイグイ引っ張る曲ですね。もちろんマーク・ファーナーが書く楽曲のクオリティも相当高い。高音でハモっているのはドラムのドン・ブリューワーでしょうか。
後にBADLANDSがライブでよく演奏していました。

⑥「I Don't Have to Sing the Blues」はちょっとファンキーな1曲。
GFRはハードロックバンドという括りでいえばZEPと比較されることも多々ありますが、この曲のようなライトな楽曲(タイトルのようにブルース色をまったく感じさせない)は、絶対ZEPではやらないでしょうね。ドラムも16ビートでグルーヴ感を煽ってます。

⑦「Hooked on Love」はコーラスがR&Bというかゴスペル風のロック。でも途中からスピードアップし、一転強烈なハードロックに。力強い演奏です。

そして間違いなく本作のハイライトは9分以上に及ぶエンディングトラックの⑧「I'm Your Captain」でしょう。
楽曲が長いからといって、長ったるしいアドリブ合戦のような演奏スタイルではありません。しっかり組曲風大作となっており、聴き所満載。特に間奏のカモメの鳴き声・・・おそらく船旅が終わりに近づく感じを表している静寂なパート、それからミディアムテンポに楽曲が進んでいくあたり、曲をジワジワと盛り上げていく手法はGFRらしい。


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