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松田聖子「Tinker Bell」9th (1984)

個人的には松田聖子のアルバム「風立ちぬ」は松田聖子の作品のなかでも最高峰、いやアイドル作品のなかでも一番の名作だと思ってます。
一方私がリアルタイムでよく聞いていた彼女のアルバムは「Canary」や本作です。
このアルバムの発表は1984年6月。前作「Canary」と比較しても顕著ですが、サウンドプロダクションがかなりシンセ色の濃いものになってます。個人的にはドラムの音が如何にも80年代、って感じで好みではありません。やっぱり松田聖子はフュージョングループのパラシュートが参加した、バンドサウンド的な音作りが一番合っているような気がします。
確かに80年代洋楽も、こんなシンセサウンドが流行ってましたね。当時としては時代を先取りした音として、こうしたアレンジを施したのでしょう。

このアルバムについては賛否両論、否の方は9曲しか収録されておらず、かつ彼女の声もあまり出ていないことから手抜きのアルバム、との手厳しい意見も見受けられますね。でも相変わらず楽曲そのもののクオリティは高い。
楽曲提供者はユーミンから林哲司、南佳孝、尾崎亜美、大村雅朗といった、当時の一流処が名を連ねております。

80年代的アレンジが顕著な④「密林少女」。
タイトルが印象に残ってしょうがないんですが、楽曲自体はアイドルポップスです。作詞:松本隆、作曲:林哲司、編曲:大村雅朗。
彼女の2007年のCountdown Showでは、何とこの曲がオープニングに使われたそうです。誰がこの曲をオープニングに予想出来たでしょう。彼女自身のなかでもお気に入りの1曲なのでしょうかね。

ユーミン提供のシングル、⑤「時間の国のアリス」。当時はあまり印象に残らなかったシングルですが、こうして久しぶりに聴いてみると、モロにユーミンメロディ炸裂で、いい曲ですね。松本隆さんの詞の世界と、ユーミンのメロディが見事にマッチしてます。
 ♪ 誰だって大人にはなりたくないよ 永遠の少年のあなたが言うの ♪
乾いたギターは松原正樹さん。いいですね。

吉川晃司の「モニカ」を彷彿させる⑥「AQUARIUS」。
気になって調べたら、「モニカ」の発表が1984年2月。そして何とアレンジャーは大村雅朗氏。「AQUARIUS」はその大村氏の作曲・アレンジなんですよね。そりゃ、似てる筈です。大村さんは作曲家としても素晴らしい方でした(松本隆さんもそう仰ってました)。軽快なポップチューンですね。

このアルバムからの先行シングルがユーミン作の⑧「Rock'n Rouge」。
この曲は当時も大好きでした。確かカネボウのCMソングでしたね。この素晴らしいイントロのギターは今剛氏。
せっかくなので当時の映像をアップしておきます。

最後に、このアルバムのなかで一番彼女のヴォーカルに合っている楽曲をアップしておきます。それは③「いそしぎの島」。
尾崎亜美さん提供の楽曲です。松本隆氏が描く世界はちょっと切ない内容なんですが、それが楽曲のメロディと合っていていいんですね。

ついでにこのアルバムとは全く関係ないですが、私の大好きな松田聖子の映像をアップしておきます。
渡辺真知子とのデュエット。名曲「唇よ、熱く君を語れ」です。渡辺真知子は相変わらずパワフルですが、松田聖子も自分の味を出してますね。


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