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Deep Purple「Machine Head」(1972)

ハードロック界に燦燦と輝く名盤。もうバイブルといってもいいかもしれません。

ディープ・パープル第二期の作品、「In Rock」「Fireball」、そして本作と、どれも甲乙付けがたい名盤ですが、敢えて選ぶとすれば、やはり本作がベストと挙げる方々が多いのではないでしょうか?

本作はよりハードな音を追求すべく、スイスのモントルーでレコーディングを実施したものですが、そこで火事に遭ったり、あまりのバンドの音の大きさに近隣から苦情騒ぎを受けたり、スリリングなレコーディングだったようです。1971年12月6日~21日、収録に1ヶ月かけていないんですね。当時の熱いエネルギーを感じさせる渾身の一枚です。

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彼等の、いやハードロックの教科書的存在となった①「Highway Star」。
エレキギターを手にして最初にプレイするギターソロがこの曲かもしれません。リッチー・ブラックモアに焦点が当たりがちですが、ディープ・パープルはそれぞれのメンバーの力量が拮抗していたバンドでした。そのなかでも私はとにかくイアン・ペイスのドラミングが大好きです。彼のスネア捌きはホントにスゴイですね。

このアルバムのなかでは地味な1曲かもしれませんが、④「Never Before」のちょっとポップな感じがいいですね。
途中のスローな展開になるところなんか堪りません。後のレインボーにも通じるハードロックのような気がします。この曲、きっちり4分で収まっている本作では一番短い曲。

①「Highway Star」と同様、ハードロックの教科書的楽曲が⑤「Smoke on the Water」。アップしたのは日本武道館でのライブ。
もう聞き飽きたと思っていたのですが、やっぱりいつ聴いてもギターからハイハット、スネア、そして重いベースが加わってくるイントロはスリリングです。このイントロのリッチーのギターリフもギターキッズの入門的存在ですね。この曲、ライヴではたまにリッチーはイントロリフを音を外して弾いているような気がします。

⑥「Lazy」はライヴではインプロビゼーションに展開する楽曲。
基本はブルース。多分レッド・ツェッペリンがブルースをやるともっとこってり、ねちっこい展開になると思われますが、ディープ・パープルはクラシカルなジョン・ロードと、あまりブルース色の濃くないリッチーがいますから、こんな感じに仕上がるのでしょう。
ライヴの冗長的な演奏には少しウンザリさせられますが、ここでは意外と聴きやすいアレンジで、あっという間に7分強が過ぎていきます。

⑦「Space Truckin'」も大好きな1曲。この当時特有の、ちょっとサイケ感覚が入り雑じったギターソロ、それに続くイアン・ペイスの手数の多いドラムソロ・・・、エキサイティングなサビ。どれもがカッコイイ。エンディングのサビに入る前の正確に刻むドラムロールなんかスゴイですね。
白熱のライヴ映像をアップしておきます。

全7曲。収録曲は少ないですが、どれも素晴らしいハードロック。これを聴かずしてハードロックを語ることなかれ的なアルバムですね。当時メンバー間の仲は決して良好なものではなかったようですが、それが逆にいい意味での緊張感を生んだのでしょうか?

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