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佳桜忌:岡田有希子 「Fairy」 (1985)

今年も明日、岡田有希子の37回目の命日を迎えようとしております。ファンの間ではこの日を「佳桜忌」と呼んでおります。

私の学生時代のアイドルはユッコこと岡田有希子でした。彼女がデビューしたときからのファンで、ユッコの音楽・アルバムは、単にアイドルが短時間で作り上げたようなアルバムではなく、永らく聴ける素晴らしいでした。
そういえばユッコの最期のヒット曲「くちびるネットワーク」も作詞:松田聖子(事務所の先輩)、作曲:坂本龍一と豪華な布陣でした。亡くなられた教授は当時からこういったところにも才能を発揮されておりました。

さて、ユッコのオリジナルアルバムは全4枚(たったの4枚です)。ファーストアルバムシンデレラがあまりにも素晴らしい作品なので、他3枚が霞んでしまいがちですが、セカンドアルバムもなかなかの出来栄えです。

この頃、ユッコはパーマをかけて、このジャケットのような髪型となってました。デビュー当時の初々しいイメージが大好きだったので、当時このジャケットは好きになれませんでした。ちなみにこの後、ユッコは髪をバッサリ切ってしまい、以降私の彼女に対する思いは薄らいでいってしまいます。

こちらは竹内まりや作詞作曲のデビュー曲のジャケ。めっちゃ初々しい。

本作では前作のような竹内まりやの提供作品はなし。岡田有希子のイメージをそのまま竹内まりやが見事に描いてくれたのが初期シングル3部作でした。彼女のデビュー当時の髪型もまた、そのイメージと合致したものだったんですね。だからこそ、このアルバムはマンネリを防ぐ意味でも、初期3部作を脱却する意味合いがあった訳です。その代わりアレンジはすべて松任谷正隆氏が担当。尾崎亜美を中心としたポップスが堪能出来ます。

デビュー当時のイメージを脱却すべく、まず最初に置かれたトラックは①「風の魔法で・・・」。尾崎亜美の作品です。アップテンポな尾崎さんらしいキュートなポップスですね。こうしたリフがシンセメインの曲はファーストには無かったかもしれません。ファーストでは初期松田聖子の楽曲のようにギターが結構鳴ってましたが、ここでは主役は完全にシンセですね。

③「目をさまして、Darling」は私の大好きな1曲。康珍化:作詞、馬飼野康二:作曲。わざと仰々しいアレンジにしたのでしょうか。ギターが鳴ってますね~。この曲は松田聖子が歌っても良かったのかもしれません。

本作中、唯一のシングル曲が⑤「二人だけのセレモニー」。初期3部作の次に発表された4枚目のシングル。もちろん尾崎亜美作曲。初期3部作以上に大ヒットしました。当時のユッコの地味な振り付けは今見ると初々しい限りなのですが、逆にいえば正統派アイドルであったということかもしれません。もういまやこうしたアイドルを捜すことは不可能でしょう。ひょっとしたら彼女が最後の正統派アイドルだったのかもしれません。彼女の死と同時に正統派アイドルは封印されたということでしょうか。

当時私はA面ばかり聴いていたような気がします。本作B面は私の好みの曲はなかった・・・、当時そんな気持ちだったのかもしれません。でも今、聴くとなかなか大人びたポップスが満載。そんな印象ですね。
例えば⑦「ストライプのジェラシー」。三浦徳子:作詞、馬飼野康二:作曲。これまたアップテンポの躍動感ある1曲。でも♪ Far Away Jealousy~ ♪と囁くように歌うところなんか、ファーストにはない大人びた雰囲気を醸し出してますね。アップした音源映像はこの当時のものではなく、化粧が薄いのでデビュー当時のものでしょうね。可愛らしい。

⑧「Lady Joker」も優れたポップス。こちらは吉沢久美子:作詞、堀川まゆみ:作曲。堀川さんは4代目クラリオンガールで、モデルとしても活躍していた方。後にMAYUMIと改名して作曲家として大活躍されます。ここではユッコの愛らしいヴォーカルが聴けます。「ストライプのジェラシー」とは全く違った歌い方をしているように聞えますね。それにしてもこのアレンジ、一部でYESの「ロンリーハート」のパクリを思われる部分が登場しますね。

こうして聴いてみると、セカンドも捨て難い。もともとクオリティの高い作りをしているので、今聴いても色褪せませんしね。

そういえばデビューアルバム発表後、昭和59年11月5日、早稲田大学の文化祭で彼女のライヴがあったのですが、そこに参戦したことを思い出しました。何を歌ったのか、どういうシチュエーションだったのか、全く覚えていないのですが、チケットの半券だけは残ってます。当時のファンクラブの会報もどこへ行ってしまったのか・・・。彼女の死から10年くらいは岡田有希子を封印していたのですが、以降ようやく当時を振り返ることが出来るようになりました。そして今も彼女から元気を貰っているような気がします。

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