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The Monkees「More of the Monkees」(1967)

音楽の魔法を感じるモンキーズのセカンドアルバム

モンキーズは1966年から1970年まで、合計9枚のオリジナル・アルバムを発表していますが、このアルバムが一番好きだ、という方は多いのではないでしょうか?

オーディションで集められた個性的なメンバー、テレビショー(コメディ)による認知度アップ等により、モンキーズは瞬く間にトップアイドルの座を確保していくのですが、そういったブーム到来のなかで発表されたのが本作です。
もちろんミリオンセラーを記録した全米No.1アルバム。

職業ライターによる素晴らしい楽曲と腕利きスタジオミュージシャンによるコラボレーション・アルバムであり、穿った見方をすれば、モンキーズは歌だけで、彼等の個性が全く発揮されていないともいえますが、殆ど時間が取れないという当時の状況を考えれば、やむをないでしょうね。

バックミュージシャン(ハル・ブレイン、グレン・キャンベル、ラリー・ネクテル、キャロル・ケイ、ジム・ゴードン等凄い面子!)がプロの演奏に徹しているのですが、個人的には没個性的に感じられるのが残念(演奏技術のレベルは高いですね)。
でもそういったことを鑑みても、本作は素晴らしいポップス集であり、未だに色褪せない名盤だと思います。

多くのアーチストにカバーされている⑥「Steppin' Stone」(ボイス&ハート作)はモンキーズにしては珍しくパンキッシュな佳曲で、当時のコンサートのクロージング曲として有名です。ミッキーのソウルフルなヴォーカルが素晴らしい。

そして何と言っても彼等の代表曲で、全米No.1を記録した⑫「I'm a Believer」(ニール・ダイヤモンド作)が収録されています。これもよく聴いたなあ。

また①「She」(ボイス&ハート作)、③「Mery Mery」(マイケル・ネスミス作)、⑩「Sometime in the Morning」(ゴフィン&キング作)もファンの間では人気が高い楽曲です。

ただ個人的には本作の魅力は②「When Love Comes Knockin'」(ニール・セダカ/キャロル・ベイヤー作)、④「Hold on Girl」(ジャック・ケラー作)、⑦「Look Out」(ニール・ダイヤモンド作)のポップス度の高さにあると思ってます。

特に②「When Love Comes Knockin'」はニール・セダカの佳曲で2分もない楽曲ですが、極めてポップス度が高く、甘酸っぱいメロディが魅力的です。このアルバムに初めて接した小学生時代は、この曲ばかり聴いてました。イントロから ♪ When Love Comes Knockin' at your door ♪ とディビーの甘いヴォーカルで始まる部分で、私はもう音楽の魔法にかかってしまいます。歌詞もいいですね。

なお本作にはメンバーのマイク・ネスミスが2曲、楽曲を提供しています。ショービジネスの世界に揉まれていくなかで、あえて自己主張して2曲の自作曲を入れたマイクには敬服してしまいます(メンバーの曲を入れたのは戦略かもしれませんが、それにしてもマイクの楽曲のクオリティは本作に限らず、いつも高いですね)。

この後、モンキーズはサードアルバム「Headquarters」で強い自己主張をしていきます。

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