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Lee Ritenour「Feel the Night」(1979)

リー・リトナーほどいろいろなジャンルにトライしたプレイヤーもいないのではないでしょうか?
もちろんフュージョンという大きなジャンルは外していないのですが、クロスオーバーロック⇒AOR⇒ニューウェーヴ⇒ブラジリアン⇒ジャズ⇒クワイエット・ストームと微妙に姿を変化させてますね。
そして過去にはANRI(杏里)と結婚(関係ないですね!)。親日家としても知られます。

さて本作「フィール・ザ・ナイト」は1979年発表。ソロでは「ファースト・コースト」(1976年)、「キャプテン・フィンガーズ」(1977年)、「キャプテンズ・ジャーニー」(1978年)に次いで、4作目となるのでしょうか?

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まず私が目を引くのは、Additional Arrangingのクレジットにディヴィッド・フォスタースティーヴ・ガッドエイブラハム・ラボリエルとあること。あくまでもバンド形式でレコーディングされたと思われ、確かにバンド・アンサンブルが見事です。

また従来はデイブ・グルーシンと組む場合が多かったのですが、ここではディヴィッド・フォスターと組むことで、かなりAORに歩み寄ることになります。
(そしてこの後、AORの名盤といってもいい「RIT」を発表しますね)

このアルバム、特にギターの音色が非常にいいですね。ラリー・カールトンを意識したのか?とにかくクリアに音色が響き、またロック色が強いように思います。個人的には②「Market Place」と⑤「You Make Me Feel Like Dancing」が大好きです。

その②「Market Place」はラテン系リズムに乗り、リーのギターが軽快に歌います。バックのサウンドは当時のアール・クルーと似てますね(多分メンバーは同じです)。
こういうリズムを刻ませたらスティーブ・ガッド(Ds)の右に出るプレイヤーは居ませんね。後半のシンバルワークはかっこいいです!!

⑤「You Make Me Feel Like Dancing」は言わずと知れた、レオ・セイヤーの大ヒット曲、「恋の魔法使い」のカバー。
パティ・オースチンのパンチのあるヴォーカルが光ます。リーのギターもロックっぽくて、ネチネチしてますね~。スライドギターっぽいサウンドですね。

⑥「Midnight Lady」はアール・クルーばりのアコースティックサウンド。80年代後半のリーがやりそうな、しっとりくるバラード。アレンジを変えればクワイエット・ストームサウンドになりそう。

⑦「Uh Oh!」も「フェスティヴァル」(1988年)の頃のブラジリアンサウンドを、1979年のサウンドに戻したような曲。ここでのリーはフュージョン風エレキサウンドで、ファンキー色もあり若さ一杯です。
(ちなみに個人的には「フェスティバル」というアルバムも大好きです)

このアルバム、他にアーニー・ワッツ、アレックス・アクーニャ、ジョー・サンプル、スティーブ・ルカサー等が参加してます。

この後の「RIT」も好きですが、クロスオーバーからAORへ変化していく途中の、このアルバムのサウンドが、私はより好きですね。

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