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The Who 「The Who Sings My Generation」 (1965)

ザ・フーのデビューアルバムです。ここに収録されているサード・シングル⑥「My Generation」があまりにも有名だし、その破壊力は今聴いても圧倒的。でもその他の曲も、実はキャッチーだったり、ポップだったりと、ザ・フーの凄さを見せ付けてくれます。数あるビートバンドの中でも、ザ・フー程、音が馬鹿でかいのにキャッチーなバンドはなかったでしょう。また全12曲中、カバーは3曲のみ。当時としては異例でしょう。しかもオリジナルの出来が傑出してます。ピートのセンス・・・すごいですね。

私が所有しているのは下のジャケットのアメリカ盤。オリジナルの英国盤はプロデューサーであったシェル・タルミーとのいざこざから、長らく発売が見送られてきました。とにかくデビュー当時からお騒がせなバンドだった訳ですね。

その⑥「My Generation」。何が凄いかって、たった3人の演奏でこの迫力。ロック・アンセム的な楽曲として燦然と輝く「My Generation」、その理由、よく分かりますね。ジョンの安定したランニングベース、キースの暴れん坊的ドラミング、ピートの破壊的なギター・・・、アップした映像ではホントにギターを壊してしまうのですが(笑)。これだけラウドな音を出すバンドは当時無かったでしょう。

騒々しい曲に続くのが⑦「The Kids Are Alright」。何も知らないで⑥「My Generation」から続けて聞くと、同じバンド?? と思ってしまうかも。それくらいこの曲、爽やか(笑)。しかもビートルズの「Please Please Me」そっくり。個人的には圧倒的にこっちが大好き。コーラスも爽やかだけど、バックの演奏、特にキースのドラムは確りバタバタ、ドコドコドラムで、個性を発揮してます。

この爽やかコーラスはA面、⑤「Much Too Much」でも聞かれます。
破天荒なキースは、実は根っからのビーチボーイズのファンだったとか。彼にああいった爽やかなコーラスが出来るとは思えませんが、ザ・フーが、意外とポップなのはピートのセンスに因るところが大きいですが、キースの影響もあるのかもしれません。

そして個人的には本作中、一番のお気に入りが⑩「The Ox」。ハイ、インストナンバーです。しかも思いっきりサーフインスト。前述の通り、キースの趣味を反映してます。The Oxとはジョンのニックネームのようですが、曲自体はサーファリス「ワイキキ・ラン」をモチーフにしております。

とにかくキースのドタバタしたタムロールがこれでもかって、鳴り響きます。そしてニッキー・ホプキンスの激しいピアノがメロディを支えております。カッコいいインストナンバーですね。一応オリジナルもアップしておきました。

ヴォーカルのロジャーは、あまりにも音の大きさに耳が聞こえづらくなったとも言われてますね。まあ~、確かにこれだけ毎日やられたら、つらいかも。あとザ・フーって、演奏するメンバーがあまりにも個性的なんで、ヴォーカルのロジャーが他のバンドと比べると、あまり目立っていないっていうのもユニークな特徴かもしれません(いや、ロジャーも存在感すごいですが、それ以上にピート、キースって凄過ぎなんで・・・)。
デビューアルバムからして、これだけユニークなバンドもあまりないでしょうね。


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