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Mike Mainieri「Love Play」(1977)

NYのヴァイブ奏者として有名なマイク・マイニエリ。ヴァイブ奏者というと、AOR系アルバムには必ずクレジットされているヴィクター・フェルドマンや、ジャズ界の巨匠・ゲイリー・バートン等が有名ですが、このマイクも個人的にはよく知っている名前でした。
彼のソロアルバムはAORやフュージョンの名盤ガイドブックでは定番。特に本作は同時期の名盤として紹介されていることが多いですね。1977年というのはフュージョン・ブームが到来してきた頃で、ここでのサウンドは、まさに時代を反映したフュージョンミュージックが展開しております。

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本作、基本メンバーはマイクにスティーヴ・ガッド(Ds)、デヴィッド・スピノザ(G)、ウォーレン・バーンハート(Key)、トニー・レヴィン(B)。凄腕ニューヨーカーたちですね。

ライナーノーツによるとアフリカのリズム・パターンのひとつに「ハイ・ライフ」なるものがあるそうですが、この①「High Life」はそのリズムをモチーフにしているもの。段々とマイクの演奏が熱を帯びてきて、彼が叩きまくるマリンバのソロは圧巻です。

③「Latin Lover」は①とは一転、リラックスムード満点のマイク本人によるヴォーカルモノ。
マイクの歌唱力はここでは敢えて議論しません^^。どことなく肩の力が入っていないヴォーカル、ブラジリアン的なサウンドは、どこかマイケル・フランクスを連想させます。いや、そっくりかもしれませんね~。

名曲④「I'm Sorry」。この曲は好きですね~。故マイケル・ブレッカーをフューチャーしたバラードです。YouTubeには1978年のMontreux Jazz Festivalで、この曲を演奏した映像がありました。メンバーはMike Mainieri(vib)、Michael Brecker(ts)、Tony Levin(b)、Steve Jordan(ds)、Steve Khan(g)、Warren Bernhardt(key)。最高のメンバーによる最高のバラードの映像をどうぞ。

至福の時間が過ごせる⑥「Easy to Please」・・・。
大好きな曲です。女性コーラスがアクセントになってますが、そのサビ部分以外の、マイクのヴァイブがメロディを奏でるところなんかはポップでほのぼの感が漂ってきます。

そして本作のハイライトはやはりタイトルトラックの⑧「Love Play」でしょうね。
イントロを聴くとデイヴ・グルーシンやデヴィッド・ベノア風なキーボードで、朝日を浴びているような心地よさを感じさせます。それから徐々にマイクのヴァイブソロがまたまたヒートアップしてきます。
間奏のデヴィッド・スピノザのギターソロも熱い! そしてスティーヴ・ガッドのドラムまでもが・・・。エンディングのバスドラはツーバスでしょうか?? ガッドのツーバスって見たことがないのですが・・・。
そしてあの穏やかだったイントロからは想像がつかない激しいフィナーレを迎えます。
こうした組曲を作るマイクの作曲能力にも脱帽ですね。

本作は1977年という時代において、一番脂の載っていたフュージョンアルバムかもしれませんね。

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