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The Beatles「With the Beatles」(1963)

ソウルフルなビートルズ

あまりにも有名なジャケットのビートルズのセカンドアルバム。まだまだ初期の荒々しいビートルズですが、彼等の全作中、もっとも黒いアルバムかもしれません。
ポール好きの私は、彼の佳曲を聴きたくなり、たまにこのアルバムを引っ張り出してますが…。

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本作はビートルズのセカンドアルバムで、ファーストアルバム発表から僅か4ヵ月後に収録したもの。とても荒削りな部分が見られますし、収録曲中6曲がカバー(全14曲中)で、以降のオリジナル楽曲で揃えるアルバムとは一線を画す初々しい内容となってます。またジャケットが素晴らしい。

個人的には本作中、飛び切り大好きな楽曲がポールの名作③「All My Loving」。もちろんジョンの3連リズムギターもかっこいいけど、やっぱりイントロなしのいきなりの歌いだしと、ついつい引き込まれてしまうポップなメロディが大好き。このアルバムはこの曲を聴くために、引っ張り出すといっても過言ではありません。
もちろんカラオケでも歌います!

しかしこのセカンドアルバム、やっぱり主導権はジョンなんですよね。
中期以降のビートルズはポールが台頭してくるのですが、この初期の段階では主役はジョン。歳はジョンがポールより2歳年上だし、ジョンがポールの才能を認めなかったら、のちのビートルズは違った展開があったのかもしれません。
それはオープニングの①「It Won't Be Long」から明らか。
豪快なジョンのヴォーカル。ポールとジョージの後追いコーラスも初期では御馴染みのパターン。そういえばこの曲もイントロなしですね。
この当時はジョンもひねりのないポップな楽曲を作ってました。いい曲です。

あと⑤「Little Child」も大好きな1曲。ここでのジョンのハーモニカのプレイはなかなかカッコイイです。
リンゴはライドシンバルを思いっきり叩いて、ロックンロール色を強く打ち出してますね。
ビートルズを聴きたての頃の中学時代、やっぱり初期のビートルズが大好きで、この曲もお気に入りの1曲でした。歳を取る毎に中期→後期と趣味が移って行きましたが、初期ロックンロールは未だに心を熱くしてくれます。

リンゴもしっかり歌ってます(笑)。それが⑪「I Wanna Be Your Man」。この曲、もちろんジョン&ポールがローリングストーンズに提供した楽曲ですね。
もともとストーンズのマネージャーがブライアン・エプスタイン(ビートルズのマネージャー)の下にいた人物で、その縁からビートルズにストーンズのセカンドシングルの提供依頼があったもの。
当時はストーンズもカバー専門でしたが、この時のビートルズのソングライティングセンスに感銘を受けて、自ら楽曲を書き始めたとも云われています。まあ、歴史的楽曲ともいえるかもしれませんね。
私はこの曲、ストーンズバージョンを先に聴いているので、ビートルズバージョンも聞けば聞くほどストーンズっぽいなあと思ってしまいます。こっちがオリジナルなんですが。

ジョージにも光を当てましょう。④「Don't Bother Me」はジョージの初のオリジナル作品。
ただ正直いい曲ともいえません(ジョージ自身がそう認めてます)。偉大なるソングライターの2人に囲まれて、ジョージは肩身が狭い思いをしていたと思われます。
作曲家としてジョージが大成するのは5,6年、時を待たなければなりませんね。

本作でのカバーは特筆すべきものが多々ありますが、やはりジョンがヴォーカルを取るカバーが最高。
マーヴェレッツのカバーの⑦「Please Mister Postman」はオリジナルよりこちらが有名だし、スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズのカバーの⑩「You've Really Got A Hold On Me」もいい。
そして何よりラストナンバーのバレット・ストロングのカバーの⑭「Money」が素晴らしい。
ジョンの迫力あるヴォーカルは圧巻だし、とても黒い! ソウルフルというか、とにかくヴォーカルの迫力はメンバーの中でも群を抜いてます。

ポール派の私、ポールの作品を中心にご紹介しようと思っていたのですが、本作では圧倒的にジョンが素晴らしい。何かの本で、ジョンはこの体制を維持しようと思ったら出来た筈ですが、ポールの才能を認め、あえて2頭体制を選択した・・・という記事が掲載されてましたが、このアルバムを聴けば、リーダー、ジョンの圧倒的なパワーを感じると思います。
ポール派の私も納得のジョンの作品です。

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