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村田和人「Sweet Vibration」(1995)

ちょっと気温が落ち着いてきたと思ったら、また猛暑、まだまだ夏は続いてます…。
やっぱり夏には村田和人…、今年もご紹介致します。村田さんがお亡くなりになられて、もう8年以上経つんですね。

彼が奏でる音楽は夏がお似合い。爽快なポップスとコーラス、そんな極上の村田さんの音楽が大好きです。
村田和人というと、初期の2nd「ひとかけらの夏」、3rd「My Crew」あたりが有名ですが、90年代のビクター三部作も素晴らしいのです。
この作品は、ビクター三部作の最後を飾る11枚目のアルバムです。

オープニングからアカペラでスタートする①「Maybe My Lady」。
夏を感じさせる村田流のアメリカン・ロック。スライドギターは佐橋佳幸。
この頃の村田バンドの中心メンバーは湯川トーベン(B)、友成好宏(Key)、向山テツ(Ds)、山本圭右(G)の布陣。このアルバムも彼等が中心となってますが、この曲には佐橋さんや稲垣潤一へ曲提供していた坂本洋(Key)が参加。坂本さんは湯川トーベンとバンドを組んでいたこともあるので、そういった繋がりからの参加かもしれません。

村田さんのヒット曲「WEEKEND LOVE」のアンサー・ソングの③「週末はゴキゲン」。前述のバンドメンバー+佐橋佳幸+達郎さんのコーラスといった布陣。
達郎さんのコーラスが流れてきた瞬間に、至福な時間、ゴキゲンな世界が表れてきます(って思いませんか?)。佐橋さんのギターソロも素敵です。
村田さんはメジャーデビューする前に、実はレコードデビューする機会があったのですが、その際に「自分のプロデュースは山下達郎しか出来ない」と関係者に伝え、実際に本当に達郎さんの元に音源が届いたのですが、その時はプロデュースするまでには至らず、デビューが立ち消えとなります。そして村田さんはヤマハに就職するのですが、やはり実力があったためにアマチュアバンドとしての活動中に再びデビューに漕ぎ付け、今度は達郎さんがアレンジに携わることとなった…という村田さんの達郎愛に満ちたエピソードが残ってます。

ちょっとチャーミングな楽曲の④「昔の彼女」。
達郎さんのコーラス隊としても著名な佐野久美さんの愛らしいコーラスが素敵です。こういう後追いコーラスって達郎さんの十八番。こういう曲からも村田さんって達郎チルドレンだなあと感じます。
村田サウンドって楽曲はどちらかというとアメリカン・ポップス寄りで、竹内まりやさんに近いイメージ。アレンジは達郎さんからの影響大といったところでしょうか。

往年の村田サウンドが再び…といった感じの⑤「太陽の恋人」。
こちらのドラムはワールドワイドに活躍している沼澤尚。軽快なリズムギターは盟友の山本圭右。山本さんは村田バンドの中核メンバー。山本さんはセッション・ギタリストとしても著名で、TMネットワーク、矢沢永吉、杉真理のバックでも活躍。TMネットワークといえば、初期村田バンドには、イメージが全く違うのですが小室哲哉さんも参加されておりました。

ロック色の濃い⑧「Cool Down」。
こちらも山本圭右のギターがカッコいいですね。コーラスはもちろん山下達郎。こういうシャッフルビートのロックナンバーも村田さんの十八番ですよね。シャープなビートは渡嘉敷祐一のドラム。

このビクター三部作で、村田さんは自らの音楽活動に区切りをつけます。
次に村田さんが新作(「NOW RECORDING」)を発表するのは13年後のこととなります。
そろそろ暑い夏も終わりでしょうか…。秋めいた曲も聴きたくなってきました…。

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