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Yes「Yessongs」(1973)

2015年6月27日、イエスの創始者メンバーであったクリス・スクワイアが亡くなった。イエスは錚々たるメンバーが名を連ねたバンドでしたが、クリスだけが、創始者メンバーとして唯一、ずっとメンバーとして留まった人物でした。それくらい、イエスのサウンドには欠かすことのできない骨太なベースだった訳で、とても残念でした。

といっても80年代初頭の洋楽をリアルタイムに経験した私としては、ご多分に洩れず、イエスといえば「Owener Of A Lonely Heart」であって、バリバリのプログレロックのイエスは後から知ったクチ。そういえば当時の私のアイドル、大好きだったバンドはエイジア。そこでのギターのスティーヴ・ハウのプレイは控えめなもので、イエス時代に超絶テクを披露しまくっていたことも後から知った次第。

当時はディープ・パープルやグランド・ファンク・レイルロードなんかが秀逸なライブアルバムを発表していましたが、このイエスのライブアルバムも同様に素晴らしい内容です。
しかも当時としては驚きのLP3枚組!プログレが一般的にも認知されていたということですね。ただ、イエスは長尺な演奏の中にもロックに近いものがあり、随所にカッコいいフレーズが出てくるので、プログレが苦手な私でも聞けてしまいます。だから3枚組とボリューミーでも、じっくり堪能できます。

DISC1
1.Opening
2.Siberian Khatru
3.Heart Of The Sunrise
4.Perpetual Change
5.And You And I
6.Mood For A Day
7.Excerpts From The Six Wives Of Henry Ⅷ
8.Roundabout

DISC2
1.Your Move/All Good People
2.Long Distance Runaround/The Fish
3.Close To The Edge
4.Yours Is No Disgrace
5.Starship Trooper

主に4作目Fragile5作目「Close To The Edge」からの選曲中心。「Close To The Edge」発表後、天才ドラマー、ビル・ブラッフォードが音楽性の違いから脱退。なんとライバル、キング・クリムゾンへ。その後釜にジョン・レノンとのプレイで有名だったアラン・ホワイトが加入。このライブアルバムは、2曲を除いて、アランが叩いてます。1972年12月15日、ロンドンのレインボー・シアターでのライブ音源が中心。ちなみにアランは7日間でこれら演奏曲をマスターしたそうです。

①「Opening」はストラヴィンスキー作曲の「火の鳥」から。実際のライブでもこうしたオープニングの演出だったのでしょうね。実にスリリングな演出です。メンバーが登場してくるところが生々しく伝わってきますね。

そのオープニングに続くのが②「Siberian Khatru」。スティーブ・ハウが奏でるギターリフ、というかメロディが印象的。このメロディをじっくり聴いていると、思わずリズムテンポが狂ってしまいます。それからクリスのベース、ホント屋台骨的に骨太ですね。

クリスのベースがスリリングな④「Perpetual Change」。10分過ぎからのギターとベースのバトル、そこに絡んでくるビルの強烈なドラム。ここだけ聴いていると熱いロックですよね。この曲はビルが叩いているのですが、それもその筈で、11分半過ぎからはビルのドラムソロが繰り広げられます。そもそも楽曲自体が疾走するロックなので、ここでのドラムソロも走ってます!!約2分のドラムソロに続く、圧倒的なサウンド・・・。イエス、カッコいいな~。

イエスといえば、やっぱり⑧「Roundabout」でしょう。4作目「こわれもの」のオープニングナンバー。そしてここでの地を這うようなクリスのベースが胸にガンガン響きます。ここはやっぱり映像をアップしておきます。スティーブのギタープレイもかっこいいけど、やっぱりクリスのベースプレイが光ります。ジョン・アンダーソンとのコーラスも実にイイ!この曲なんか、プログレっていうか、完全にロックしてますね。

「Roundabout」をアップしたら、⑪「Close To The Edge」もアップしないわけにはいきません!

プログレに大別されるけど、実にロックな、そしてコーラスもチャーミングなバンド、それがイエスでした。

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