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John Lennon「Imagine」(1971)

レココレ2008年9月号の「ビートルズ/ソロの時代の50曲」特集でも堂々の第1位がジョンの「イマジン」でした。
ポール好きの私にとっては、ジョンのアルバムはあまりにも無縁過ぎました。でもこうしてジョンの作品がポール以上にクローズアップされてくると、気になってしまうものです。
この作品はこのレココレが発売されていた当時、近所のCDショップでジャケ無乍らもリマスター盤が50円で売られているのを偶然発見し、速攻で購入したもの。サブスクがない時代、こうしたバーゲンセールは貴重な音楽発見に繋がるイベントでした。

1971年に発表された誉れ高き名盤。英国アスコット・サウンド・スタジオで同年6~7月に録音され、その後、ジョンとヨーコは9月にニューヨークへ移ります。1972年発表の「Sometime In New York City」は更に反体制的な色彩を強めたアルバムとなりましたが、本作ではそういったものとポップなものとがバランスよく収められたアルバムです。

タイトル曲①「Imagine」の深遠なピアノのイントロはワンアンドオンリーの世界観ですね。事ある毎に聴きたくなる曲、もうこんな味わい深い曲はありませんね。個人的にはずしりと響くアラン・ホワイトのドラムが好きです。

こんな神妙な曲が続くのかと構えていたら、いきなりポップでスワンプ的な楽曲が・・・。この当時のジョンもこうした楽曲を演奏していたんですね~。その曲が②「Crippled Inside」。強烈なブギーピアノはニッキー・ホプキンス。印象深いドブロはジョージ。この曲は私の好みです。

①②と来て③「Jealous Guy」と来られたら堪りませんね。
「Jealous Guy」は「Imagine」と並び称せられる名曲。メロディアスで美しい1曲ですね。エイティーズ世代はロキシーミュージックのカバーで御馴染みです。

ジョージのスライドがえらいかっこいい⑥「Gimme Some Truth」は曲自体は単調なのですが、ずっしりと重たい演奏がなかなかいい味出してます。
この曲は1969年のビートルズのゲットバックセッションでも行われていた曲です。ここでのドラムはリンゴのそれにそっくりですね。アラン・ホワイトが叩いてます。

いろいろな意味で有名な曲が⑧「How Do You Sleep?」。
もちろんポールを非難した曲です。これは今聴いてみると、非常に複雑な気持ちになってしまいますね。他のレコーディングメンバーは、この曲をどういう気持ちで演奏していたのでしょうか?
ビートルズ時代にポールと不仲だったジョージも渋いスライドギターで参加。ジョンのヴォーカルはこれ以上ないほどネチッこいですね。
この曲を聴いたリンゴは、あまりの痛烈な歌詞にやり過ぎだろうと忠告したとのこと。後にジョンも「結局は自分自身を歌ったものだ」といった発言をしたようです。

こうしたヘビーな内容も含む本作ですが、あまりにもポップな⑩「Oh Yoko!」がエンディングに置かれたことは、心地よい余韻に浸れる効果を生み出してます。

何の違和感もなく聴けた本作、ジョンの他の作品もよく聴き込もうと思ってます。

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