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Led Zeppelin「In Through the Out Door」(1979)

先週はAORやらメタルやらハードロック、フュージョンなど、あれやこれやと聴いていたのですが、やっぱりインパクトがあったのがレッド・ツェッペリンの実質的なラストアルバムである1979年発表の「In Through The Out Door」。

この「In Through The Out Door」、ZEPのハードロックの名盤と呼ばれている「Presence」から3年振りに発表されたもの。
正直、どれだけの方がこのアルバムを率先して聴いているのでしょうか? ボンゾ在籍時の最後のオリジナルアルバムという冠が付くにもかかわらず、このアルバム、地味な印象は拭えません。もちろん他のZEPのアルバムが素晴らしいということもあるでしょう。でもZEP好きの私でも実はこのアルバムを真剣に聴いたことがなかったのでした…。

このアルバム、一聴して他のZEPのアルバムとは違うと思われるでしょう。そうです・・・、やたらとポップなんですよね。そしてシンセサイザーが多様されており、明らかにジミー・ペイジではなく、ジョン・ポール・ジョーンズが主導権を握っていることが分かります。
前作「Presence」ではジミー・ペイジが主導権を握って、ギターのリフの応酬のハードロックアルバムを作り上げましたが、ここではそれらを感じることは出来ません。
そしてZEP初期のブルースも、それほど感じさせません。そこがこのアルバムをスルーさせてしまう要因かもしれません。逆に言えば、ブルースのZEPにそれほど魅力を感じない方であれば、これはこれでOKなのでしょう。
ちなみに私はこのアルバム、結構好きです。

①「In The Evening」こそ、東洋的というか神秘的なイントロ、そしてヘビーなロック、これぞZEPといった感じの楽曲ですが、②「South Bound Saurez」でいきなりサザンブギー的なイントロが・・・。
このブギウギ調のピアノは結構驚かされます。しかしここでのボンゾのドラム、よく聴くとボンゾらしいグルーヴ感を感じさせますね。

まだまだ意表を突く展開が続きます。③「Fool In The Rain」はなんと間奏にサンバの演奏が挿入されているんです。
もちろん起伏のあるリズムはいかにもZEPらしい。ここでも中心はボンゾのドラム。ホント彼のドラムは強烈なグルーヴを感じさせます。
ちなみにサンバに変わるのは2分30秒過ぎから。う~ん、サンバでもカッコイイ!

私はカントリーが大好きなんですが、そんな私を狂喜させたのが④「Hot Dog」。あのバリバリのブルースをやっていたファーストの頃からは全く想像出来ません、このHot Dogのサウンドは。恐らく根っからの初期ZEP好きからはクレームの嵐となること必須の楽曲。
いや~、でも私は好きですね、カントリーのZEP。ホントはもっと軽快になってもいいのにボンゾのドラムのお陰でちょっとヘビーな味付けになってますね。
ここでは貴重なライブ映像をアップしておきます。ロバート・プラントはロカビリー好きなんで、結構こういう曲も歌いたかったのかもしれませんね。

サビが印象的な⑥「All My Love」。ここでの中心はジョン・ポール・ジョーンズのシンセサイザーです。これなんかも初期ZEPファンは複雑な心境でしょうね。

ジョン・ポール・ジョーンズのシンセといえば⑦「I'm Gonna Crawl」のイントロなんかは、思わず谷村新司の「昴」かと・・・(笑)。あ、もちろん楽曲はリズム&ブルース調の楽曲ですので、全然違いますが・・・。
最初のシンセだけ聴いてほしく、アップしておきます。シンセ以外はブルースを感じさせますね。

非常にバラエティに富んだアルバムなんですよね。
この後、ドラムのジョン・ボーナム(ボンゾ)が亡くなり、ZEPは解散してしまうのですが、この80年代を予感させるアルバムの次には、どんなアルバムを作ろうとしていたのか・・・、気になります。

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