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The Beau Brummels「Triangle」(1967)

さてさて、今日は60年代の話。フォークロックというとバーズが元祖と思っていたのですが、一説には今回ご紹介するボー・ブラメルズだとする説もあるらしいですね。彼等のデビューは1964年12月というから、確かにバーズよりもずっと早いデビューです。またそのデビュー曲のプロデューサーが、後にスライ&ザ・ファミリー・ストーンで一世を風靡するスライ・スチュアートだったというのも面白い話です。

所属レーベルの倒産、ワーナーへの移籍、メンバーの脱退を経て、3人組となった彼等は、より実験的なサウンドを志向します。そのときのメンバーがサル・ヴァレンティノ(vo)、ロン・エリオット(g,vo)、ロン・ミーガー(b)。ただし中心人物は個性的なヴォーカルのサルとギター、作曲、編曲のロン・エリオットの2人。ボー・ブラメルズの歴史は、この2人の歴史ともいえます。

彼等の4枚目のアルバム「Triangle」は、レニー・ワロンカーのプロデュース、そしてヴァン・ダイク・パークスランディ・ニューマンなんかが関与しており、本作は後に、バーバンク・サウンドの礎を築いた1枚とも云われるようになりました。

ちょっとノスタルジックでカントリーフレイヴァーたっぷりの①「Are You Happy ?」。楽曲はのどかなムードたっぷりなのに、サルのヴォーカル、ディラン風でもありクセのあるなあ~(笑)。

おっと、いきなり大げさなオーケストラアレンジとハープ風ギターサウンドで始まる②「Only Dreaming Now」は、ちょっとサイケ感覚な1曲。
アコーディオンとか、打楽器とか使っている楽器も凝ってます。こうしたアレンジなんかはレニー・ワロンカーが志向したバーバンク・サウンド・・・とも言えるでしょう。

カントリーが好きな私にとっては④「The Keeper Of Time」なんかは結構好みです。バンジョーやアコギがリズムをキープしていく中で、サイケ風なホーンが鳴るこの曲は、この時代ならではのもの。

⑥「Nine Pound Hammer」はカントリー歌手、マール・トラヴィスの1951年のヒット曲のカバー。この曲はジョン・ブラインやニッティ・グリッティもカバーしているらしい。マールはギャロッピング・ギターの名手と云われていたカントリー界ではビッグネームの御大。やっぱり彼等、カントリーが大好きなのでしょう。でも正直ボー・ブラメルズのバージョンが、このカバーとは一聴しても分かりづらい。手元にクレジットがないので分からなかったのですが、歌詞がマールのものと一緒だったのでカバーと分かった次第。それくらいアレンジで崩してます。ドラムのリズムパターンからして全く違う(ちなみにこのドラムパターンはビートルズの「涙の乗車券」をモチーフとしたものかも)。

アルバムエンディングトラックはランディ・ニューマン作の⑪「Old Kentucky Home」。この曲、スティーヴン・フォスターの名曲「My Old Kentucky Home」(ケンタッキー州の州歌)そのものです。でも歌詞が全く違います。ランディ・ニューマンですから、風刺たっぷりの歌詞(恐らく)。ランディ自身、名作「12 Songs」でカバーしてます(もちろんこのアルバムもプロデュースはレニー・ワロンカー)。
それにしてもランディ、よく歌詞を変えて作ったな~。そしてボー・ブラメルズもよく採用したものです。ひょっとしたらレニーやランディに強引にカバーさせられたのかも。いや、ボー・ブラメルズもランディ・ニューマンに通じるセンスを感じるので、敢えてこの曲をエンディングトラックに持ってくるあたり、楽しみながら演奏していたのでしょうね。

翌年、やっぱり2人組となり、アルバム「Bradley's Barn」を発表。こちらも名作と呼ばれているもの。私は未聴なので、機会を見つけてチェックしてみたいと思ってます。

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