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Joyce 「Feminia」 (1980)

寒い寒い朝…。せめて気持ちは暖かく、こんな日はボサノバでも…。
憂鬱な日曜日の夕方、17時からJ-WAVEでオンエアされている「SAUDE! SAUDADE...」をよく聴いてます。今は滝川クリステルがナビゲーターを務めていますが、以前は小野リサが務めていたこともありました。ということでボサノバは結構好きで、通勤時はTuneIn RadioでRadio Bossa Jazz Brasilなんかを聴いたりもしてます。
ボサノバといえば、アントニオ・カルロス・ジョビンなんかが有名だし、60年代には多くのジャズ・ミュージシャンが、こぞってボサノバをやったりしてました。女性ヴォーカリストだとアストラッド・ジルベルト、エリス・レジーナ、小野リサなんかが代表格でしょうか。でもボサノバって奥が深くて、ましてやブラジリアン・ポップスをMPBと呼ぶことも最近まで知りませんでした(ムージカ・ポプラール・ブラズィレイラ(Música Popular Brasileira)の略)。知らないミュージシャンもまだまだ多く、未知のお宝を探り当てた…みたいな感覚でおります。

で、その未知のお宝のひとり、最近知った女性アーチストがジョイス・モレーノ。1968年にデビューしているベテラン。但し最初の結婚のとき、子育てのために一時引退。その後離婚・再婚を経験しつつ、楽曲の創作活動を開始。1979年にエリス・レジーナに提供した「Essa Mulher(或る女)」がスマッシュ・ヒットを記録し、再びジョイスに注目が集まり、11年振りに本作を発表するに至ります。

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アルバムトップは彼女の代表作品とも呼ばれている①「Feminia」。フェミニストとしても知られるジョイスらしい1曲。当時としては珍しい女性問題を扱った歌でもあり、非難されることもあったと云う。
♪ かあさん、ねえ教えて 女性になるって なんのこと? ♪
軽快なアコースティック・ギター、ベース、ドラムのサンバの調べに導かれるように、ジョイスが歌い継いでいきます。せっかくなのでジョイスのアコースティック・ライヴの映像をチョイスしました。ジョイスのギター、それからパーカッションの女性も相当なテクニシャンです。

④「Banana」はブラジルの豊かなフルーツを歌ったブラジル賛歌。ブラジル音楽、ボサノバって明るいイメージがありますが、この曲はちょっとエスニックなスパイスの効いた楽曲。

⑥「Essa Mulher(或る女)」がエリス・レジーナに提供した楽曲で、ある意味ジョイスにとっても大事な1曲。それにしてもこの曲、私的にはあまり良さが分かりません。ブラジル音楽特有の明るく楽しくなるような、もしくは和むような…そんな曲でもなく、バラードに属するような楽曲。ブラジルでもこうした楽曲が受け入れられるんですね。せっかくなのでエリスのバージョンをアップしておきます。エリスのバージョンはフェンダーローズが使われたメロウな雰囲気に(ジョイスのバージョンはアコギとオーケストラを中心としたもの)。こっちのバージョンの方が曲の良さが引き立っています。

⑦「Coração de Criança(子供のようなあなた)」は簡単に口ずさめるようなボサノバらしい1曲。アレンジもギターとベース、ドラム、間奏にフルートといったボッサの典型的なスタイル。こうした楽曲が私のお気に入りです。

⑨「Aldeia de Ogum(オグンの村)」はベースラインが印象的なジャズ・サンバ。スキャットで歌われるインストもの。かなりカッコいいです!

ジョイスはブラジルでは大スターなんですが、恐らく日本での知名度は全くない!と言ってもいいかもしれません。彼女の代表作から数曲ピックアップしてみましたが、如何だったでしょうか。ボサノバもなかなかいいものです。

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