John David Souther「Black Rose」(1976)
5人目のイーグルスの繊細なソロアルバム
大好きなJ.D.サウザーのセカンド・ソロアルバム。
彼はイーグルス・デビュー前に、グレン・フライとデュオを組んでいたくらい、イーグルスに最も近いアーチストですね。イーグルス加入はランディ・マイズナーに反対されていたらしく、結局はソロとしての道を歩んでおります。
ただイーグルスへのコンポーザーとしての貢献は大きく、イーグルスのセカンド・アルバム「Desperado」の裏ジャケットにはメンバー4人とジャクソン・ブラウン、そして彼が写っております(6人が取り押さえられた写真です。J.D.は右端でしょうか??)。
そんなことから彼を5人目のイーグルスと呼ぶ人もおります(ドン・フェルダー加入前のイーグルスは4人組ですね)。
本作は1976年に発表された自身、2枚目のアルバム。
1曲目のカリプソムードが漂う①「Banging My Head Against the Moon」が楽しい。バックコーラスはDavid CrosbyとArt Garfunkel、Andrew GoldにJ.D.という豪華なメンバー。
J.D.というとフォークタッチで繊細なメロディラインが十八番ですね。これは②「If You Have Crying Eyes」(恋人リンダ・ロンシュタットとのデュエット)、③「Your Turn Now」、④「Faithless Love」、⑨「Doors Swing Open」等に顕著に現れてますが、そんななかで私が大好きなのがリンダもカバーした⑥「Simple Man, Simple Dream」。わずか1分40秒強の小作品ですが、題名の通り、シンプルなメロディがJ.D.らしいです。
⑧「Midnight Prowl」も異色の組み合わせ。
ブルージーなナンバーでローウェル・ジョージがねちっこいスライド・ギターで参加。タイトなドラムはラス・カンケル。そしてジャズ・タッチなフリューゲル・ホルンはなんとドナルド・バードです!
なかなかナイトムードが漂う力作だと思います。
⑤「Baby Come Home」は中期のイーグルスっぽい曲。
ミドルテンポのロックながらアコースティックなムードもミックスされた感じ。ここでのスライド・ギターは後にイーグルスへ参加するジョー・ウォルッシュ。ドラムはブレッドのマイク・ボッツ。
⑩「Black Rose」はどちらかというと憂いのある曲で、後期イーグルスのような雰囲気を持ちますね。ソリッドなギターが印象的。これはダニー・コーチマーのプレイ。そしてこれもイーグルスのようなコーラス。声の主は当然ながらグレン・フライ、ドン・ヘンリー、そしてネッド・ドヒニーとJ.D.の強力な面々。
参加メンバーも豪華ですが、J.D.のコンポーザー振りが冴え渡る名盤ですね。私は、より有名な次作「You're Only Lonely」よりこちらのほうが、彼の繊細な部分がよく現れていて好きです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?