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Foreigner「4」(1981)

80年代洋楽をリアルタイムに聞きかじった方々にはお馴染みのフォリナー。私が洋楽を聴き始めた頃、とにかく流行っていたのが「Waiting For A Girl Like You」って曲。この曲、なんと10週連続全米チャート2位っていう珍記録を作ったことでも有名な楽曲。フォリナーについてはこの曲から入ったので、彼らがハードロックバンドだったことを知ったときは、新鮮な驚きでした。

そんなフォリナー、この年に大ヒットを記録した彼らの4枚目のアルバム「4」は、音楽的にもターニングポイントにあたるもので、このヒットやジャーニーなんかのヒットの影響で、日本では彼らの音楽を「商業ロック」なんて呼んだりしてました。確かに「4」は従来の彼らの持ち味のハードな面の他に、ヒット路線に寄ったようなメロディ、シンセを押し出したアレンジの楽曲もあったりと幅が広がり、ファン層を拡大させたことは間違いありません。

プロデュースはAC/DCを手掛けたことで有名になったロバート・ジョン・マット・ランジ。本作発表は1981年7月。そして実はデフ・レパードの「High'n'Dry」も1981年7月。デフ・レパードもロバートが手掛けたので、彼は同時期に2つのプロジェクトを進めていたということですね。しかもフォリナーはニューヨーク、デフレパードはロンドンで収録が進められていたので、ロバートも相当多忙を極めていたのであろうと思われます。ちなみにロバートは「4」のビッグヒット、そしてデフレパードのビッグヒットとなった次作「Pyromania」も手掛けたことで、一気に超売れっ子となっていき、シャナイア・トゥエインの旦那さんにもなってしまいました(笑)。
本作からは⑥「Urgent」と④「Waiting For A Girl Like You」のビッグヒットが生まれましたが、特にバラードの④「Waiting For A Girl Like You」なんかは、往年のフォリナーファンからしたら、ビックリしたでしょうね。
特に曲を通じて印象的なのが、従来に見られなかったシンセ。このシンセ、実はまだデビュー前のトーマス・ドルビーが手掛けてます。トーマスが、これらで得た報酬で、デビュー作を制作したエピソードは有名ですね。ハードロックバンドのひとつの違う展開の仕方として、こうした楽曲もアリかなと思ってます。

⑥「Urgent」もよく聞くとハードな音作りなんですが、シンセや間奏のサックスなんかに惑わされてしまいます。ドラムの音はロバートらしく、デフ・レパードのそれと酷似してますね。
こうした音作りが商業ロックと呼ばれる所以でしょうか。でもこの曲なんかはギリギリセーフ、むしろカッコいいとも思います。

②「Juke Box Hero」はイントロこそ、シンセベースが効いたロックですが、ギターが入るとハードロックバンドらしいヘヴィな作り。元々のフォリナーは、こうしたコーラスが重厚で、ヘビーな音を得意とするバンドでしたね。

⑤「Luanne」はちょっと軽めのロック。当時でいえばリック・スプリングフィールドとか38スペシャルとか、そういった感じのロック。やっぱりサビがキャッチーで、ギターの歪もライトな感じ、随所にシンセも入るようなロックが流行っていたのでしょうかね。

アルバム最後のトラックである⑩「Don't Let Go」、やっぱり初期のハードな香りと重厚なコーラスを残しつつ、シンセが適度に「4」っぽい。これくらいのロックなら、かっこいいという範疇に入るし、むしろ私の好みですね。

今更ながらに、やっぱり売れまくったアルバムであるだけにいい曲が詰まっているなあと。てっきり軟なロックばっかりと思っていたのですが、それも程々な感じで、イイ感じなんですよね。前作「Head Games」と比較してみると、曲はミックとルーの共作中心であることは変わらないので、やっぱりプロデューサーが絶妙に仕上げたってことなんですかね。

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