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Seawind「Seawind」(1980)

1970年代後半から80年にかけて、フュージョン界で一世を風靡したシーウィンドジェリー・ヘイラリー・ウィリアムズ等のホーン・セクションばかりが強調されるグループですが、個人的にはシーウィンドの殆どの曲を書いているドラムのボブ・ウィルソンの才能に素晴らしさを感じます。
そもそもドラマーで、かつメロディーメーカーな人ってフィル・コリンズドン・ヘンリー位しか思い浮かびません。同じフュージョン界でいえばナラダ・マイケル・ウォルデンもそうですね。そうそう、そういえば浜田省吾も元々はドラマーでしたね^^。何れにしてもそう多くはないと思います。

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シーウィンドはそのボブと、ヴォーカルのポーリン夫婦(上写真ご参照)を中心に結成されたバンドで、後にAOR系のホーンは全て彼等と言われるくらいに大活躍するジェリー・ヘイやラリー・ウィリアムス等のホーン隊(ジェリー・ヘイ・ホーン・セクション)が在籍していたことでも有名ですね。

本作はジョージ・デュークのプロデュースによる1980年に発表された彼等の4枚目のアルバム。フュージョンというよりAORとしてご紹介されることの多い名盤です。

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実はシーウィンドを聴いたのはこのアルバムが初めてだったのですが、正直①「What Cha Doin'」のいかにもジョージ・デュークっぽいダンサブルな楽曲には肩透かしを食らってしまいました。この作品はシングルカットされたと思いますので、本作の象徴的作品ということになるでしょう。個人的にはあまり好きにはなれません。

なんだ、シーウィンドってこういう音楽か、と思っていたら②「The Two of Us」は一転メロウ系。
この曲のサビ、そしてそれに絡むホーンはまさしくこの当時のAORって感じですね。これを期待していたんですよ~(笑)。ちなみにボーリンとデュエットしているのはボブではなく、Carl Carlwellなる人物。ジョージ・デュークのソロアルバムによくヴォーカル参加している方です。

ジェリー・ヘイ・ホーン・セクションが熱い⑤「Shout」。
イントロから前回ご紹介したスクエアっぽいです。スクエアの「RESORT」に収録されている「In The Grid」を連想したのは私だけでしょうか・・・。その「In The Grid」にはシーウィンドのジェリー・ヘイ、ラリー・ウィリアムスが参加してます。道理で似ていると思った。

味わい深いバラードの⑥「Still in Love」。
このテのバラードに登場するジェリー・ヘイのフリューゲル・ホーンは御馴染みですね。こうしたバラードにはフリューゲル・ホーンの音色が非常に合います。

⑦「Pra Vose」は一瞬アール・クルー???って思ってしまいました。かなり似ています。軽快なインストナンバーですが、やっぱり彼等、演奏技術のレベルが高いなあと思います。

実は本作中一番好きな作品が⑧「I Need Your Love」です。ポップなAORがいかにも私好み。ボブのドラムもタイトですね。こうした曲にホーンが絡むと曲が引き締まりますね。

本作、1980年当時に流行りつつあったAOR系の音が詰まっているように感じられました。ホーンも魅力的ですが、やはり楽曲がいい。これは名盤と云われるだけありますね。
ちなみに本作、メンバーだったジェリー・ヘイはゲスト参加扱いです。当時忙しかったのですかね?

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