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KISS「Lick It Up」(1983)

突然飛び込んできたキッスの来日話…。
これで見納めと2019年12月の名古屋公演に参戦したのですが、まさかまさかの大千秋楽って一体何なんでしょうかね(笑)。一夜限りの来日公演、そもそもホントに一夜限りなのか?? って勘繰ってしまいます(前回のライブレポートはこちら)。

2019年に参戦したライブでは、メタル時代のキッスの楽曲に感動し、そのきっかけとなった1982年発表のアルバム「Creatures of the Night」をご紹介致しました。なので今回はその次作、そして仮面を剥いだ最初の1枚でもある「Lick It Up」をご紹介致します。

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ジャケットからしてLAメタル風…。当時、LAメタルが一世を風靡しておりました。一方のキッスは1980年作「Unmasked」、1981年作「Music from "The Elder"」が大コケしてしまい、メンバーもピーター・クリス、エース・フレーリーが相次いで脱退。そこで次の一手として繰り出したのがメタル化だったわけで、「Creatures of the Night」ではエースの後任が流動的でしたが、「Lick It Up」ではいよいよヴィニー・ヴィンセントが正式加入し、その非凡なライティング・センスを発揮するのでした。
(ちなみにラスカルズ好きな私としては、元ラスカルズのフェリックス・キャヴァリエのアルバム「Castles in the Air」にヴィニーの名前を見つけ、驚愕した記憶があります)

まずはオープニングの①「Exciter」のイントロからビックリ。
ポール・スタンレーとヴィニーの共作ですが、最初のギターリフこそ「I Was Made for Lovin' You」にソックリですが、次のリフからは完全なメタルに…。そしてアーミングが使われてます。エースはレスポールを愛用していたので、アーミングなんかは使ってませんでしたが、ヴィニーはそういった過去は全く気にせずに自由に弾きまくってますね。新生キッスの象徴的な楽曲です。ちなみにここでのギターソロはリック・デリンジャーです。

当時も大好きだった③「Lick It Up」。ポール&ヴィニーの作品。
PVは当時の作風を踏襲した、意味もなく女性が登場してくるもの(笑)。中盤からはしっかりキッスの演奏シーンが堪能出来ます。70年代のキッス・サウンドがチープに聞こえてしまいますね~。
このPVでもお分かりの通り、ヴィニーの容姿が半魚人と言われてましたね~。彼はとにかくステージでも前に前に出ようとするタイプだったみたいで、ジーンやポールから辟易され、敢え無く解雇されてしまいます…。

ちなみにこちらは覆面姿のジャケ。やっぱりヴィニーの容姿は異彩を放ってます(笑)。

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キッスにしてはスピーディーなナンバーの⑤「Gimmie More」。こちらもポール&ヴィニーの作品。
ポールのポップなセンスがこういうメタルにも生かされてます。ここでのギターのリフ、ギターソロ、相当目立ってますね~。この曲なんかを聴くと、当時の新人LAメタルバンドとも全く遜色のないサウンドかと思います。

メンバー全員の共作の⑥「All Hell's Breakin' Loose」はポールのラップが聞けます。
このラップは当時としては斬新な試みだったんじゃないでしょうか。楽曲自体はスローでサビが合唱出来そうなタイプの曲で、70年代キッスにもこのような曲はありましたね。そういった従来のキッスの持ち味をLAメタル風に仕上げた佳曲ですね。
しかしそれにしてもアップしたライブ映像、徹底的にリードギタリストを映し出しませんね。このギタリストは恐らくヴィニーの後任のブルース・キューリック(ヴィニーの後任はマーク・セント・ジョンですが、殆ど活動に参加していないので)かと思うのですが、一応ドラムのエリック・カーは映っているので、嫌みとしてか思えませんね。よほどヴィニーに懲りたのでしょうか(笑)。

ジーン・シモンズ作の⑧「Fits Like a Glove」もLAメタル風な楽曲。
ジーンの熱唱が堪能出来ます。エンディングでは待ってましたとばかりにヴィニーが弾きまくってます。
アップした映像、ライブでは盛り上がるであろう間奏のブレイクもバッチリ決まってます。カッコいい!
それにしてもこちらの映像もあまりブルースを映してませんね(上の映像ほど極端ではないですが)。せめてギターソロのところだけでも、もっと映せばいいのに…。結局、この当時のキッスとはジーン・シモンズとポール・スタンレーのユニットということなのでしょうか。

ヴィニーって問題児だったのかもしれませんが、キッスのLAメタル化には大きく貢献したと思います。本作の前後数枚のキッスのアルバムもなかなか聴き応えがあるんですよね。
さて、キッスの大千秋楽…、行くべきかちょっと悩みますね~。

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