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Antonio Carlos Jobim「Wave」(1967)

ボサノヴァの最高傑作。極上のヒーリングミュージック。

ジャズとかイージーリスニングとか、全く興味がなかった私が、最初にお気に入りとなったボッサのアルバムがアントニオ・カルロス・ジョビンの「Wave」。もう50年以上前の作品なのに、エバーグリーンな作品。いい意味で、心安らぐBGMです。

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アントニオ・カルロス・ジョビン。ジョアン・ジルベルトと双璧を成すボサノヴァ・サウンドの創始者。ボサノヴァもかなり好きで、スタン・ゲッツとジョアン・ジルベルトが1963年に発表した「ゲッツ/ジルベルト」も大好きですが、やはり究極のイージーリスニングが聞きたいときは必ず本作を聞いてしまいます。

本作はジョビンのアメリカ進出後の1967年の大ヒットアルバム。クリード・テイラーのプロデュース。クラウス・オガーマンの優雅で甘美な編曲で、とろけてしまいそうです。ジャケットも素晴らしい。このキリンで有名なジャケットは、赤く焼けた夕焼けのジャケも存在しますが、やっぱり全体のイメージからすれば、グリーンの方が合っているような気がします。
アルバム1曲目の①「Wave」から究極のイージーリスニングですね。

昼下がりにのんびりと聴いていたい②「Look To The Sky」。トランペットの響きがのどかで心地いい。

1曲1曲は地味な曲なのですが、ジョビンの控えめなピアノとオガーマンの甘美な編曲(オーケストラ)が見事なマッチし、あっという間に全曲が終わってしまいます。もし本作品を知らない方で、美しいイージーリスニングアルバムを探している方がいれば、本作を外すことはできません。それくらい永遠のベストセラーアルバムですので。

本作には下手ウマなジョビンのヴォーカルも聴けます。それが⑧「Lamento」。ロン・カーターのベースが渋い。ここでもオガーマンのオーケストラのアレンジが秀逸。すべてが今のボサノヴァのお手本です。

この後ジョビンは本作と兄弟アルバムである「Tide」(1970年)、「Stone Flower」(1970年)と相次いで発表していきます。3枚ともよく聞きますし、どれもお薦めですが、やはり美しいイージーリスニング度からいえば本作がベストでしょう。

本作品が40年近く前のものとは思えません。ジョビンは1994年に惜しくも他界しましたが、彼が作曲した多くの曲が、いろいろな人に歌われております。本当に永遠の作曲家、ミュージシャンです。

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