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渡辺貞夫「How's Everything」(1980)

月曜日の朝、天気の良い気持ちよい朝を迎えてます。なので気分晴れやかなフュージョンをご紹介致します。

日本を代表するサックス奏者の渡辺貞夫
このライヴアルバム、1980年の日本武道館でのライヴを収録した名盤。何といってもバックミュージシャンがスゴイ。
Richard TeeSteve GaddEric Galeのスタッフ組。それからRalph MacDonaldAnthony Jackson。Jeff Mironovに大御所Dave Grusin。デイヴは東京フィルハーモニック・オーケストラを従えて、指揮やアレンジも手がけてます。ニューヨークテイスト溢れる極上のフュージョンサウンドが堪能出来ますね。

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東京フィルハーモニック・オーケストラが奏でる重奏なオープニングからしっかりとこのアルバムにパッケージされてます。その①「Up Country」、冒頭に渡辺貞夫の吹くソプラノサックスが鳴り響きますが、それが終わると軽快なギターのカッティング・・・、そして大歓声。Sadao Watanabeの登場ですね。
アップした映像はこのときの貴重なリハーサル風景とライヴ映像で、サックスを3本持って登場するナベサダが確認できます。
このグルーヴ感覚溢れるリズムはスタッフお得意のパターンですね。そして5分前後からのリチャード・ティー独特の力強いピアノソロ、かっこいいですね~。リチャード掛け合うナベサダのソプラノソロも最高です。

ちょっとスクエアを思わせるデイヴ・グルーシン作の④「All About Love」。
イントロのフェンダーローズはリチャード・ティーでしょうか。泣かせるメロディが心を揺さぶります。熱い演奏に感動してしまいます。

このライヴのひとつのハイライトが⑨「Sun Dance」でしょう。
とにかくイントロのスティーヴ・ガッドとラルフ・マクドナルドのリズム隊が強烈なサンバリズムを刻みます。これだけでも私なんか鳥肌が立ってきます。
超一流のミュージシャンが超一流の演奏をするとこうなる、といった見本のようなスゴイグルーヴ感です。段々とヒートアップしていくガッドのドラミングがすごい。そしてこれまた6分過ぎからリチャード・ティーお得意のピアノソロが・・・、これはもう彼しか弾けないノリですね。そんなときにも一人冷静なデイヴが印象的です。
こんな演奏をライヴで見せ付けられたら誰でもノッてしまいますね。

こちらもライブ映像がありました。それが⑩「M&M Studio」。
バンドサウンドは凄くグルーヴィーなのに、冷静なデイヴ・グルーシンのピアノソロが素晴らしい。続いてアンソニー・ジャクソンのベースソロ。指がよく動くなあ~。
この曲は東京フィルハーモニーとのアンサンブルが素晴らしいですね。

そして最後は1977年発表のアルバムタイトルナンバーの⑪「My Dear Life」。このアルバムでナベサダは新たなフュージョンを切り開いたのでした。この素敵なナンバーでクールダウン。じっくり聴きましょう。

ひとりの日本人がこんなに素晴らしいミュージシャン達を武道館に呼べたこと自体、驚きですし、それは熱きミュージシャン達がナベサダの力量、人柄に敬意を評し、演奏を楽しんでいることがよく分かるものでした。
このライヴに行けた人たちは何と幸運なんでしょう。またその時の演奏がこうして映像や音で残っていることに幸福感を感じます。

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