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Gary Moore「Corridors of Power」(1982)

1981年、この当時、私の中ではジャーニーやTOTOに代表される産業ロックや、ナイト・レンジャーといったハード・ロックが大好きでした。そんな中でもゲイリー・ムーアの魂の籠ったギタープレイにはシビれてましたね。
特にゲイリーの「Hiroshima」って曲は何回も何回も聴いてました(この曲のギターソロ、スゴイです)。この曲が収録された「Dirty Fingers」も名盤ですが、今回は次作「Corridors Of Power」をご紹介致します。

当時のゲイリーは前述の「Dirty Fingers」を制作する一方で、コージー・パウエルのソロに参加したことが、ジェット・レコードとの契約の違反事項に該当してしまい、活動が制限されてしまった状態でした。そこにヴァージン・レコードが手を差し伸べ、裁判でジェット・レコードとの契約を無事に解消し、本作の制作に至るのです。よって「Dirty Fingers」は当時お蔵入りになっていたのですが、本作が大ヒットしたことで、後に無事に発表出来た…と記憶してます(つまり本作の大ヒットにより、「Hiroshima」が陽の目を見たということですね)。

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ゲイリーにしてみれば、本作は心機一転、満を持した渾身の一枚だったかと推測します。内容的にも当時好まれたようなロック、ゲイリーらしいスピーディーなハードロック、泣きのバラードと、濃い内容のアルバムになってます。
参加ミュージシャンはドラムにイアン・ペイス、ベースにニール・マーレイ、キーボードにトミー・エアが中心となり、素晴らしい演奏を聞かせてくれてます。

まずは当時の流行りのハードロック・チューンの①「Don't Take Me for a Loser」。ゲイリーはブルースに傾倒していましたが、その彼がロックチューンを書くとこうなるといった楽曲。ギターリフが素晴らしいし、実は彼のヴォーカルもなかなかのもの。どことなく哀愁漂うメロディも秀逸。そして当然、この楽曲のギターソロも素晴らしいのです。これを聴かずして、80年代ハードロックを語ることなかれ!っていった感じでしょうか。

そしてキーボードソロから始まる②「Always Gonna Love You」も80年代ロックの典型的なサウンド。商業ロック寄りですね。荒々しいゲイリーのイメージからは程遠い、ミディアムテンポのバラード。そしてこの楽曲の最大の聴き所はギターソロでしょう。泣いてます!!
(後にゲイリーはこの曲について、TOTOのバラ―ドをイメージして作ったと語ってます)

ブルースファンのゲイリーらしい、Freeのカバーの③「Wishing Well」。ゲイリー、きっとポール・ロジャースに憧れていたんでしょうね。本家を上回る迫力あるカバーです。カッコいい!!

本作中の白眉は⑥「End of the World」かもしれません。イントロからゲイリーの泣きのギターソロ。そして弾きまくるゲイリー。とにかく激しいギターソロです。この長いイントロは賛否両論ありますが、私は素晴らしいと思います。そしてメロディも素晴らしい。なんか北欧メタルっぽい気もします。ヨーロッパなんかがやりそうな楽曲。ちなみにこの曲、クリームのジャック・ブルースがヴォーカルで参加してます。

イアン・ペイスと一緒に書いた⑦「Rockin' Every Night」。ゲイリー流ロックンロール!! せっかくなのでライヴバージョンをアップしてみました。ドラムだけの演奏になるところなんか、いいですね~!!

やっぱりゲイリー・ムーア、いいですね~。ゲイリーは1990年にはブルースに回帰した名盤「Still Got The Blues」を発表。実はこのアルバムの中に、ジョージ・ハリスンの楽曲が収録されてます。ジョージがゲイリーにプレゼントした楽曲なんですが、こちらも結構いいんですよね~。
ホント、ゲイリーの早逝が悔やまれますね。

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