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Blood Sweat & Tears「Blood Sweat & Tears」(1968)

ブラスロックの名盤!知的な香り漂うファンク?

BS&Tはアル・クーパーが中心となって結成された「ホーンを入れたジャズ・ロックバンド」で、当時はあのランディ・ブレッカーも在籍していたバンドです。ファーストは商業的な成功を収めることができず、アルが脱退。第二期メンバーで1968年の暮れに発表されたのが本作。

1曲目からなんとクラシックの作曲家、エリック・サティーの①「Variations On A Theme By Erik Satie」をフューチャー。フルートが知的な香りを漂わせてますね~。

そういうアルバム、と思いきや、②「Smiling Phases」はトラフィックのカバー。新ヴォーカリストで木こり出身のデヴィッド・クレイトン=トーマスのソウルフルなヴォーカル、疾走するブラス、リズミカルでファンキーなリズム隊。とにかくファンキー。アレンジも凝ってます。

⑤「And When I Die」はローラ・ニーロの代表曲のカバー。
のどかな、カントリー的な曲ですが、複雑にリズムが変化していくところがBS&Tらしい。

このアルバムのハイライトはやはり⑦「Spinning Wheel」でしょう。シングルヒット曲であると同時に日本では、大昔日本テレビ系で放送されていた番組(番組名を忘れましたが)で、ニュースを採り上げる際の挿入歌となってました。
とにかくこれぞブラスロック!という感じで、ファンキーです。ヴォーカルのD.C.トーマスによる曲ですが、アレンジも冴えてますね。こうしたジャズ的なアレンジが「さらっ」とできるところが、BS&Tの凄さです。

長尺な⑨「Blues - Part II」にはクリームの「サンシャイン・オブ・ラブ」「スピーンフル」が途中引用されており、当時人気絶頂期であったクリームへの挑戦状??とも思ってしまいます。

BS&Tとシカゴはよく比較されますが、シカゴがロックをベースにしていたのに対して、BS&Tはジャズがベースにあったものと思います。BS&Tはロックとジャズの融合を真摯に実践していた先駆者です。その演奏力はハイレベルであり、玄人好みかもしれませんが、今聴いても新鮮です。70年代のプログレ、ファンクなどの橋渡し的存在だったかもしれませんね。
ちなみにドラムのボビー・コロンビーは後にCBSのプロデューサーとなり、あの天才ジャコ・パストリアスの衝撃のデビューアルバム「ジャコ・パストリアス の肖像」をプロデュースすることとなります。

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