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音楽の杜がおススメする70年代洋楽

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人生の大半を音楽に注いできた「音楽の杜」がおススメする洋楽アルバム集
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#AOR

Pages「Pages」(1978)

今回は直球のAOR、ペイジスです! ペイジスといえば3作目のアルバム「Pages」が有名ですが、今回ご紹介するファーストも実に味わい深い。実は私、長らく本作をスルーしていたのですが、ちょっと気になってチェックしてみたら、これが実にいいのです。セカンド、サードと較べて、ちょっとフュージョン・テイストが増している印象ですね。 サードアルバムでは完全にリチャード・ペイジとスティーヴ・ジョージのユニットになってしまいましたが、デビュー当時は完全なバンドでした。あ、ちなみにペイジスの

Kenny Rankin「Silver Morning」(1974)

秋らしい気持ちの良い天気が続いてますが、こういう日はケニー・ランキンの音楽がピッタリ。日本ではケニー・ランキンをご存じない方が多いのではないでしょうか。ボサノバの父と呼ばれているジョアン・ジルベルトが称賛していたというケニー、彼の音楽はフォーキーでありながらも、かなりボサノバに近いサウンドで、カバー曲も原曲を大胆にアレンジしてしまう名手でもありました。 そのケニー・ランキンの代表作といえば、1974年発表の4枚目のアルバム「Silver Morning」。前作「Like A

キャンディーズ「ふたりのラブソング」~Steve Eaton「Hey Mr. Dreamer」(1974)

先日キャンディーズの洋楽カバーで少し盛り上がったので、もう1曲、洋楽、カーペンターズのカバーで私の大好きな曲をアップ致します。その曲とはカーペンターズの8枚目のアルバム「Passage」に収録された「All You Get from Love Is a Love Song」。邦題「ふたりのラブソング」。 キャンディーズ、特にミキちゃんが洋楽ファンであることは有名な話で、キャンディーズのオリジナルアルバムでも、結構洋楽カバーありますね。この曲は1977年9月21日、15枚目シ

Nick DeCaro「Italian Graffiti」(1974)

AORの原点とも呼ばれている名盤ニック・デカロはAORファン、というかソフトロックファンにはお馴染みの方かと思います。 60年代後半にはハーパーズ・ビザール、ロジャー・ニコルズといったソフトロックの名盤にアレンジャー等で参加。それ以降もドゥービー・ブラザーズ、ライ・クーダー、ランディ・ニューマン、ジェイムズ・テイラー、ベン・シドラン等数多くのアーティストの作品に関わっています。また山下達郎さんも彼を信奉していることは有名で、後にニック自身が達郎さんのカバー曲集のアルバムも発表

Felix Cavaliere「Destiny」(1975)

昨日ご紹介したAWBに限らず、ブルーアイドソウル系って素晴らしいアーチストが多いんですよね。 60年代後半を中心に活躍していたラスカルズは、ここでもご紹介していますが、このバンドのリーダーでもあるフェリックス・キャバリエ、彼は実に味のあるヴォーカリストで、彼こそが元祖ブルー・アイド・ソウル・シンガーだと思ってます。 その彼が1975年にバジー・フェイトン、スティーヴ・カーン、ウィル・リー、マイケル・ブレッカー、デヴィッド・サンボーン、ジョー・ファレル等を従え、発表したアルバム

Art Garfunkel「Break Away」(1975)

今日から4連休ですか…。暑いし、外出自粛だし、まったりした音楽でも聴き倒すのがいいかもしれません。 さて、今日ご紹介のアルバムはアート・ガーファンクルのセカンドソロアルバム「Break Away(愛への旅立ち)」です。全体的にアートらしく、スローで静かな曲が多いのですが、バラエディに富んだ選曲で、著名なミュージシャンが参加しております。まったり感にはピッタリ。 プロデューサーはリチャード・ペリー。S&G、そしでデビューアルバムは第三のS&Gと呼ばれたロイ・ハリーがプロデュ

Eric Tagg「Smilin' Memories」(1975)

GW、たいした連休じゃなかったんですが、やはり連休明けの1週間は、モチベーションを高めるのに苦労しますね~。皆さんは如何だったでしょうか。 ということで、ここは自分が大好きなAORでも聴いて気分をリフレッシュ…、久しぶりのAORの投稿になります。 リー・リトナーとの共演でも有名なエリック・タッグ。彼のファーストアルバムをご存じでしょうか。 本作は当初はオランダでのみの発売であったことから、後にAORブームが巻き起こった時、このアルバムは入手困難な幻のアルバムと見なされており

Ned Doheny「Hard Candy」(1976)

AORファンにとってはマストアイテムである本作。ウエストコーストのSSW系の人脈の源流にいたネッドですが、驚くほど寡作で、商業的なヒットにも恵まれていない方。それでもセレブ一族に生まれ育った故か、彼に焦りは全く感じられない。 ビバリーヒルズにはドヒニー・マンションという豪邸が存在しますが、彼はそこの元所有者の親族。石油王となったエドワード・L・ドヒニーはネッドの曽祖父にあたる方。そのエドワードが息子の結婚祝いにプレゼントした豪邸が、そのドヒニー・マンション(ネット検索すると

Kalapana 「KalapanaⅡ」 (1976)

かなり暑くなってきました。あまりに暑いので、せめて音楽だけでもクールダウン出来るものを…と思い、今回はカラパナをチョイス。 チョイスしたのカラパナのセカンドアルバム、邦題は「ワイキキの熱い砂」ですね。この邦題は、本作収録の⑧「Black Sand」の邦題でもあります。カラパナって、当時は日本で受け入れられていたのでしょうか。多分、本作発表辺りから、ジワジワと人気が高まっていったのではないでしょうか。 もともとハワイのバンドだったカラパナですが、ファーストのヒットから活動の拠

Les Dudek「Les Dudek」(1976)

急に朝晩寒くなってきましたね。つい先日まで、暑い、暑いと言っていたような気がするのですが、時が経つのは早いものです。 さてさて、今回は以前から気になっていた1枚。レス・デューデックのファーストです。サザン・ロックとAORを融合したアルバムとして有名で、参加ミュージシャンは後にTOTOを結成するジェフ・ポーカロ、デヴィッド・ペイチ、デヴィッド・ハンゲイト、他にチャック・レイニーやデヴィッド・フォスター等、スゴイ面子。そしてプロデュースはボズ・スギャッグスとくれば、聴かないわけに

John Valenti「Anything You Want」(1976)

白いスティーヴィーと云われたAORの名盤ジョン・ヴァレンティ、もともとはモータウンの白人バンド、パズルのドラマーであった人物。その声はスティーヴィー・ワンダーそっくりで、自身初のソロアルバムとなる本作では、そのソウルへの傾倒振りが窺い知れます。 2006年にようやくCD化が実現された幻の名盤。随所に最良なソウルポップが聴けます。またこのジャケットもいいですね~。 なぜ本作がそれほどまでにCD化を熱望されていたのか? それは1曲目の「Anything You Want」をお

Boz Scaggs「Silk Degrees」(1976)

今更何の説明不要かと思います。ボズ・スキャッグスの、いやAORの不朽の名盤。ジャケットから楽曲・アレンジまで、すべてがAOR。 1974年に発表された前作「スロー・ダンサー」で、よりフィリーソウルへ接近したボズが、本作ではEW&Fとの仕事で知られるジョー・ウィザートをプロデューサーに、またコンポーザーとしても深く関わることとなるデビッィド・ペイチをアレンジャーに迎えて発表したのが本作です。 引き続きソウルやサザンソウルがベースにあるのは間違いないのですが、それをデビッド・

Terence Boylan「Terence Boylan」(1977)

AOR的SSWの名作あのアサイラムから1977年に発表されたテレンス・ボイランのアルバム。その容姿からしてジャクソン・ブラウンのフォロワーと思われますが、よりAOR的な音作りが堪りません。 個人的にデイン・ドナヒュー唯一の作品「Dane Donohue」が大好きなのですが、そのプロデュースがテレンス・ボイラン。本作は間違いなくデイン・ドナヒュー的な音と思い、いつかは聴いてみたいと思っていたアルバムです。 またジャケットも非常に不思議な世界観を感じさせるものです。永らく入手困難

Jimmy Webb「El Mirage」(1977)

巨匠ジョージ・マーティンと組んだジミー・ウェッブ、5枚目のアルバムジミー・ウェッブは主に60年代にソングライターとして活躍。フィフス・ディメンションとのコラボは有名ですね。名曲「Up,Up And Away」を聴いていると、ジミーってスゴイ洗練された人なんだなあと思ってしまいます。 そしてそのイメージで彼の歌声を聴くと、かなりギャップがあることに驚かされます。 まずはプロデューサーが巨匠ジョージ・マーティンであることにびっくり。さぞかし派手なアルバムなのだろうと思ったら、①