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音楽の杜がおススメする70年代洋楽

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人生の大半を音楽に注いできた「音楽の杜」がおススメする洋楽アルバム集
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#1976年

Rolling Stones「Black And Blue」(1976)

70年代のストーンズって、実に味わい深いですね。特にデッカ・レコードとの契約終了後に自ら設立したローリング・ストーンズ・レコードから発売された作品群は素晴らしいです。「スティッキー・フィンガーズ」(1971)、「メイン・ストリートのならず者」(1972)、「山羊の頭のスープ」(1973)、「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」(1974)…そして今回ご紹介する「ブラック・アンド・ブルー」の流れ…、いいですね~。 70年代前半はスワンプに傾倒していったストーンズですが、本作で

Pilot「Morin Heights」(1976)

洋楽を聴き始めの頃、モンキーズの素敵な楽曲と共に、パイロットの「マジック」が大好きで、ラジオでエアチェックしたテープを繰り返し聴いておりました。当時はパイロットのLPも廃盤だったような記憶があります。今はYouTubeで演奏しているアーチストもチェック出来るし、サブスクでもいろいろ音源をチェック出来る時代なので、便利になったものです。 もともとパイロットはデヴィッド・ペイトンとビリー・ライオール(本名:ウィリアム・ライオール)の出会いからスタートしたバンドで、この二人がメイ

Atlanta Rhythm Section「A Rock And Roll Alternative」(1976)

アトランタ・リズム・セクション(ARS)というバンドをどれだけの方がご存知でしょう。日本での知名度は相当低いと思われますが、サザン・ロックというジャンルはご存知かと思います。レーナード・スキナード、ZZトップ、マーシャル・タッカー・バンド、オールマン・ブラザース・バンド等々。これらのバンドと比べてARSは明らかに知名度は低いかもしれませんが、その音楽は非常に洗練されております。 彼らは自身でもスタジオを建ててしまった職人気質のメンバーで、スタジオミュージシャンとしても活躍し

Andrew Gold「What's Wrong With This Picture?」(1976)

素敵なポップスのセンスを持つアンドリュー・ゴールド。私が彼の名前を知ったのは、カーラ・ボノフ繋がりでブリンドルまで遡ったとき。もちろんアンドリュー・ゴールドのことは何となく知っていたのですが、カーラとバンドを組んでいたとは、全く知らず…。リンダ・ロンシュタットといい、この辺りの方々の絆というのは、想像以上に深いものがありますね。 本作はアンドリュー・ゴールドのセカンドソロ。もちろん彼の代表曲「Lonely Boy」が収録されている名盤ですね。それからジャケに32か所の間違い

Firefall「Firefall」(1976)

今週は気持ちの良い日が続いたこともあり、ついつい爽やかで軽快なカントリーロック、ファイアフォールのデビューアルバムを聴いておりました。久しぶりにウエストコースト・ロックの名盤の登場です。 ファイアフォールは元フライング・ブリトー・ブラザーズのリック・ロバーツと、元ゼファーのジョック・バートリー(ゼファーにはトミー・ボーリンの後釜として加入)が中心となり、1974年に結成されたバンド。イーグルスのフォロワー的な印象ですが、コーラスワークはCSN&Yも連想させますね。 まずは

Ned Doheny「Hard Candy」(1976)

AORファンにとってはマストアイテムである本作。ウエストコーストのSSW系の人脈の源流にいたネッドですが、驚くほど寡作で、商業的なヒットにも恵まれていない方。それでもセレブ一族に生まれ育った故か、彼に焦りは全く感じられない。 ビバリーヒルズにはドヒニー・マンションという豪邸が存在しますが、彼はそこの元所有者の親族。石油王となったエドワード・L・ドヒニーはネッドの曽祖父にあたる方。そのエドワードが息子の結婚祝いにプレゼントした豪邸が、そのドヒニー・マンション(ネット検索すると

Rod Stewart「A Night on the Town」(1976)

本作発表の前年、ロッド・スチュアートはワーナー移籍第一弾のアルバムとなる不朽の名作「Atlantic Crossing」を発表。プロデューサーにトム・ダウド、レコーディングにはマッスル・ショールズ・サウンドを使い、サザンソウルへ傾倒していきます。 そして本作は引き続きプロデューサーにトム・ダウド、レコーディングにマッスル・ショールズだけでなく、ハリウッドのチェロキー・レコーディング・スタジオも使用。その関係でジョー・ウォルッシュやデイヴィッド・フォスター、アンディ・ニューマー

KISS 「Rock And Roll Over」 (1976)

相変わらず元気なキッスですが、ファイナル、ファイナルと言いつつ、今度はいつ来日するのでしょうか。 さて、キッスのアルバムですが、特に「Love Gun」までのアルバムはどれも粒揃いでおススメですが、個人的によく聞いていたのが本作。 こちらは邦題「地獄のロック・ファイヤー」(ジャケットのとおりですね)。1976年発表の6作目。前作ではプロデューサーにボブ・エズリンを迎えて、サウンド・エフェクトを交えた凝った音作りが成されてましたが、本作では再びエディ・クレイマーをプロデューサ

Patti Austin「End Of A Rainbow」(1976)

スタッフの心地よい演奏とパティの素晴らしいコラボ! オフィス前のさくら通りの桜も散り、段々暖かくなってきました。 春を感じさせる時期となりましたね。こんな時によく聴いているのがパティ・オースティンのデビューアルバムです。 パティ・オースティンというと1983年の大ヒット曲「Baby Come To Me」のコンテンポラリー系の楽曲が思い起こされますが、実はデビュー当時はかなりフュージョン・ポップス系の、素敵な音楽を聴かせてます。 ジャケットが結構インパクトありますね~。頭

Poco「Rose of Cimarron」(1976)

ポコのポール・コットンが亡くなられました。4月にラスティ・ヤングが亡くなられた際はもう少しニュースになっていたかと思うのですが、ポール・コットンの場合は日本では殆どスルーされた感じです。ということでポール・コットンを追悼する意味でも、彼が在籍していた時のポコの名作をご紹介致します。 個人的には最初に購入したポコのレコードが、1971年発表のライブアルバム「Deliverin'」なんですよね。このアルバム、ドライブするカントリーロックが堪能出来る1枚で大好きなんですが、こちら

Orleans「Waking And Dreaming」(1976)

昨日は春らしい1日でしたね。こういう時は爽やかなコーラスワークが聴きたいものです。チョイスしたのはオーリアンズ。オーリアンズはセカンドの「Orleans II」、やサードの「Let There Be Music」が有名ですが、この4枚目の作品もなかなかいいですね。 本作より、ドラムにジェリー・マロッタ(リック・マロッタの実弟)を迎えて、ウェルズ・ケリーとのツイン・ドラムの形態となります。これはマルチ・プレイヤーのウェルズの活動の幅を広げるためでもあったのですが、ツインドラム

John David Souther「Black Rose」(1976)

5人目のイーグルスの繊細なソロアルバム大好きなJ.D.サウザーのセカンド・ソロアルバム。 彼はイーグルス・デビュー前に、グレン・フライとデュオを組んでいたくらい、イーグルスに最も近いアーチストですね。イーグルス加入はランディ・マイズナーに反対されていたらしく、結局はソロとしての道を歩んでおります。 ただイーグルスへのコンポーザーとしての貢献は大きく、イーグルスのセカンド・アルバム「Desperado」の裏ジャケットにはメンバー4人とジャクソン・ブラウン、そして彼が写っており

Kalapana 「KalapanaⅡ」 (1976)

かなり暑くなってきました。あまりに暑いので、せめて音楽だけでもクールダウン出来るものを…と思い、今回はカラパナをチョイス。 チョイスしたのカラパナのセカンドアルバム、邦題は「ワイキキの熱い砂」ですね。この邦題は、本作収録の⑧「Black Sand」の邦題でもあります。カラパナって、当時は日本で受け入れられていたのでしょうか。多分、本作発表辺りから、ジワジワと人気が高まっていったのではないでしょうか。 もともとハワイのバンドだったカラパナですが、ファーストのヒットから活動の拠

Les Dudek「Les Dudek」(1976)

急に朝晩寒くなってきましたね。つい先日まで、暑い、暑いと言っていたような気がするのですが、時が経つのは早いものです。 さてさて、今回は以前から気になっていた1枚。レス・デューデックのファーストです。サザン・ロックとAORを融合したアルバムとして有名で、参加ミュージシャンは後にTOTOを結成するジェフ・ポーカロ、デヴィッド・ペイチ、デヴィッド・ハンゲイト、他にチャック・レイニーやデヴィッド・フォスター等、スゴイ面子。そしてプロデュースはボズ・スギャッグスとくれば、聴かないわけに