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Rolling Stones「Black And Blue」(1976)

70年代のストーンズって、実に味わい深いですね。特にデッカ・レコードとの契約終了後に自ら設立したローリング・ストーンズ・レコードから発売された作品群は素晴らしいです。「スティッキー・フィンガーズ」(1971)、「メイン・ストリートのならず者」(1972)、「山羊の頭のスープ」(1973)、「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」(1974)…そして今回ご紹介する「ブラック・アンド・ブルー」の流れ…、いいですね~。

70年代前半はスワンプに傾倒していったストーンズですが、本作ではファンクやレゲエ、ジャズと様々な音楽に挑戦しております。本作からはロン・ウッドが参加しているのですが、彼よりもむしろピアノ・キーボードで参加しているビリー・プレストンのプレイが光る演奏が多いですね。

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まずはカッコいいファンクチューンの①「Hot Stuff」。ビージーズの「Jive Talkin'」のヒットが1975年ですから、当時流行っていたディスコミュージックからの影響が垣間見られますね。流行りの音楽を見事に自らの音楽に昇華させてしまうところがストーンズのスゴイところ。実は彼等って器用でもあるんですよね。

②「Hand Of Fate」はブラウン・シュガー風なロックンロール。バックビートなドラミングのチャーリー・ワッツのドラミングが心地いいです(彼の場合はワンパターンなドラミングといってもいいかもしれませんが…、それが味があっていいのです)。

意表を付くレゲエの③「Cherry Oh Baby」。しかもレゲエ・ミュージシャンのエリック・ドナルドソンのカバー。ジャマイカの老舗レーベル&スタジオのダイナミック・サウンズ。ストーンズは山羊…をここで録音しており、またエリックはここの所属アーチストでもあったことから、この曲がカバーされたものと思われます。

これがストーンズ⁇ って思ってしまうくらいジャージーな⑥「Melody」。場末のライヴハウスで奏でられるようなR&B的楽曲と言えなくもない。ビリー・プレストンの力強いピアノのプレイがいいですね。ジャズが好みのチャーリー・ワッツ(ドラムの人です)なんかは、こうした楽曲、堪らないでしょうね。エンディングにかけて出てくるホーンもいいです。

⑦「Fool To Cry」、邦題「愚か者の涙」は先行シングルカットされた楽曲。泣きのバラードですね。イントロのエレピはミック・ジャガー、ピアノとシンセはニッキー・ホプキンス。イントロだけ聴くと、一瞬スティクスのベイブを連想させます。これもまたストーンズの楽曲なんです、奥が深いですね。アップしたライブ映像、ミックがエレピを弾きながら歌ってます。

⑧「Crazy Mama」…、アルバムトップの楽曲かと思ってしまいました(笑)。それくらい70年代ストーンズの代名詞的なロックンロール。ロン・ウッドが在籍していたフェイセズに似てますね。

多彩なアルバムです。70年代のストーンズは音楽的にも奥が深いですね。

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