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音楽の杜がおススメする邦楽

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人生の大半を音楽に注いできた「音楽の杜」がおススメする邦楽アルバム集
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2021年2月の記事一覧

はっぴいえんど 「Happy End」 (1973)

バンド解散後に発表された米国録音のラストアルバム日本ロック史上、多くの源流がここから始まったと言っても過言ではないグループ、はっぴいえんど。ご紹介されるアルバムの多くがファーストとセカンドなので、洋楽ファンの私としては敢えて本作をまずご紹介したいと思います。あ、あまりにも有名なバンドですので、メンバー紹介などする必要もないかなと。 当時の彼らは既に解散状態。1972年10月に大瀧さんがアメリカ旅行へ行くこととなり、話の流れから、ラストレコーディングしようって話になったらしい

はちみつぱい「センチメンタル通り」(1973)

はっぴいえんどと双璧を成す筈だった名アルバム上のカバー写真、意味分からないですよね(苦笑)。先日、どうしてもその日しか都合が付かず、緊急事態宣言下でしたが、渋谷の老舗ロックバー「B.Y.G」で食事をしました。このロックバー、1969年からこの場所で営んでおり、多くのロックスターが地下のライブハウスで演奏しております。この写真はサイン色紙代わりになってしまっている「B.Y.G」の壁なんです。そこにひときわ目立つ「はちみつぱい」の文字(他にも星野源や細野さん、泉谷さん、錚々たる方

サディスティック・ミカ・バンド「黒船」(1974)

海外で評価された洋楽的、日本のロックアルバムいわゆる「名盤」というヤツですが、この作品、なぜか長らく未聴でした(そういう方、多いのでは?)。アルバムを買ってまで聴こうとは思わなかったので。ただAmazon Music Unlimitedだと、聴ける作品は聴かなきゃ損って感じで、片っ端から聴いており、これもその中の1枚でした。 じっくりこの作品、堪能してますが、日本のこの時代背景を考えると、スゴイ作品です。正直、ぶったまげました。 サディスティック・ミカ・バンドは、当時フォー

小坂忠「ほうろう」(1975)

ジャパニーズ・ソウルの古典的名盤なかなかスゴイアルバムです。こちらもアルファレコード。当時はセールス的には全く会社に貢献出来なかったアルバムですが…。          70年代、はっぴいえんどが起こしたJ-POPの潮流はユーミンや山下達郎へ引き継がれていきます。そしてバックミュージシャンとして著名なティン・パン・アレー(キャラメル・ママ)はそういった橋渡し的な時代の重要なミュージシャン集団でした。 ティン・パン・アレー、細野晴臣(B)、鈴木茂(G)、松任谷正隆(Key)、

伝説のアイドルバンド「レイジー」

ラウドネスの前身バンド、レイジーを再評価和製ベイシティ・ローラーズ、レイジーをご存じでしょうか?ラウドネスの高崎晃、樋口宗孝が在籍していた実力派バンド。その演奏力は抜群で、当時メンバーはアイドル稼業に相当フラストレーションが溜まっていたと推察されます。 レイジーの仕掛け人は藤田浩一氏。後に杉山清貴&オメガトライブや菊池桃子の売り出しで大成功を収めた人物。GSグループ出身で、バンド解散後はかまやつひろしのマネージメント等を務めていましたが、そのかまやつ氏から紹介を受けたのがレ

大村憲司「KENJI SHOCK」(1978)

ハービーやTOTO等と対等に渡り合っている日本のフュージョン黎明期の超名盤今月のレコード・コレクターズ誌の特集は「アルファレコード」。村井邦彦さんが立ち上げた、荒井由実や赤い鳥でお馴染みの個性的なレーベルですね。このnoteをご覧になられている方で、どれだけの方が「アルファレコード」をご存じなのか分かりませんが、時代を牽引していったレーベルであることは間違いありません。 アルファというとシティポップ、YMOのイメージが強烈ですが、実はフュージョンもいいアルバムを制作しており

The Good-Bye「HELLO ! THE GOOD-BYE」(1984)

ジャニーズ事務所、2組目のバンド、ヨッちゃんこと野村義男率いるザ・グッバイは侮れません。たのきんトリオ・・・。エイティーズ音楽世代にとっては懐かしいネーミングですが、ビートルズが大好きだった私は、たのきんトリオでは一番マイナーな存在である野村義男に注目しておりました。恐らく多くの洋楽ファンはたのきんトリオなど無視、といった姿勢を貫いていたと思われますが、一部のコア洋楽ファンは私と同様に野村義男が結成したグループ「ザ・グッバイ」に興味をそそられたのではないでしょうか? 実は私

小沢健二 「犬は吠えるがキャラバンは進む」 (1993)

ご存知、オザケンのソロデビュー作。フリッパーズでセンス溢れるポップスを聞かせてくれた文学少年のソロ作、ということで大きな期待が寄せられたと思うのですが、まったくそういった流れに惑わされることなく、自分のやりたい音楽を貫いて発表された作品。 私はリアルタイムでフリッパーズを聴いていたのですが、なぜかこのオザケンのソロデビュー作は全く記憶にない(苦笑)。むしろセカンドの「LIFE」が強烈だっただけに、それだけでお腹一杯だったのかもしれません。だから「LIFE」から入った私にとっ