私の処方箋
こんにちは、ゆのまると申します。
今日は穏やかに晴れて爽やかな風が気持ちいい日。それなのに、私は喉に小骨が刺さったように、ややしょんもりしています。
20代最後の日。
たったそれだけの事実にこうもショックを受けるとは、自分でも少し意外でした。
振り返ってみても、「何歳までにこれをやりたかった」という心残りはないですし、体も心も数年前に比べればとても健康的になりました。それなのに、「もう20代ではいられない」という事実は、思いのほか重くのしかかってきます。
たとえるなら、夏休みが終わってしまうような寂しさでしょうか。日差しは眩しく、行きたいところへはどこまでも行けるし、心身共にそれを叶えられるパワーがある。自分に自信がなくてあちこち彷徨うことはあれど、20代はそんな無敵感に溢れていました。
けれど、日はいつか傾くし、永遠だと思い込んでいた夏休みも必ず終わりがきます。
決して順風満帆だったわけではありません。当時の恋人とみっともなく罵り合って泣き続けた夜中だってあるし、仕事に充実感を覚えたこともほとんどなく、神経をすり減らす一方でした。それでも総括すれば、その終わりを寂しく感じる程度には、私にとっての20代は楽しい日々だったのだと思います。
最近はもっぱらミステリーしか読まなくなりましたが、数年前はいわゆる自己啓発本ばかり読み漁っていました。
その類のものに手を出さなくなったのは、「これだけあればいい」という私にとってのバイブルが見つかったから。今回は、そのうちの二冊をご紹介したいと思います。
一冊目は、鳥居志帆さん著『このまま30歳になってもイイですか?』です。
お金、ファッション、美容、健康、マナーを大項目に、今さら人には聞けないようなアレコレをマンガで教えてくれる一冊です。実に400ページの大ボリューム。「スキンケアってこれでいいんだっけ?」「保険っていろいろあるけど何に入ったらいいんだろう……」などと、「そういえば、これでいいのかな」と不安になった時にサッと調べるのにうってつけです。
刊行はちょうど10年前の2012年。いつこの本を手に取ったのか覚えていませんが、きっと、「私このままでいいのかしら……」と漠然とした不安に襲われた時に買ったのだと思います。
今回この記事を書くにあたって久々に開いてみましたら、「持ち家の選び方」「漢方との付き合い方」など、今だからこそ響く内容もたくさん。最近やっている「あいうえお体操」も、しっかりやり方が説明されていました。
刊行から時間が経って状況が変わったものもあるかと思いますが、ここに記載されている事柄の多くは、きっとこれから年を重ねても変わらない「生き方の基本」ばかり。改めて読み返してみようと思います。
そして二冊目は海外の翻訳本で、ケリー・ウィリアムズ・ブラウンさん著『レディ・レッスン』です。
文庫版が出ていてAmazonのリンク先もそうなっていますが、私が手に取ったのはこちらのピンクの表紙のもの。帯にあるとおり、「そろそろ『ちゃんとしたい』」と思い始めた社会人三年目くらいの頃に買った本です。
こちらは「心がまえ」から始まる九つのチャプターにわかれており、それぞれに「一人でも堂々とする」「職場のエチケットとルールを知る」「45秒のベッドメイクで部屋の印象が変わる」「コーヒー飲み過ぎてない?」などなど計350個のレッスンが載っています。
もともと、洋画の台詞回しや翻訳の独特な文体が大好きな私。著者のケリーさんから授けられるレッスンはいずれも飲みこみやすく、たくさんの指針を与えてもらいました。
前書きにあるとおり、ここに書かれているすべてを網羅する必要はありません。たとえば仕事でトラブルを抱えているとか、家族との関係に悩んでいるとか、部屋がすぐ荒れてしまうとか、そんな「困った時の処方箋」といった形でたまに読み返しています。
海外モノがお好きな方には特におすすめですし、「素敵なレディ」の定義は国境を超えても変わりませんから、これならできそう・やってみたいと思えるレッスンがきっとあるはずです。
ということで、今回は私のバイブルについてのお話でした。
両方の本に共通しているのが、困った時にちょっと調べられるというところ。今時Google先生がなんでも教えてくれますが、アナログ人間の私としては、こうしたお守り的な一冊があると安心できるのです。
余談ですけど、私は近頃一般的になりつつある「オトナ女子」という単語がどうにも好きになれません。
プレイしていれば自然と経験値が溜まってレベルが上がるのだから、いつまでも「女子」にこだわるのではなく、一人の「大人の女性」になりたい。私はそんなふうに思います。
一区切りつくことの寂しさを覚えつつ、明日からも変わらずレベルアップしていきたいなと思う、そんな20代最後の日でした。
「大人の女性はリビングに大量のぬいぐるみを飾らない」?
いえいえそれとこれとは別の話です。だって勝手に増えるんだもの。
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