個人塾:発展的回帰への経営戦略原論(2)
個人塾、大規模化の次は、
多店舗展開の時代
市場が育つにつれて、より規模を大きくするために
未進出エリアや地域に
市場開拓として教室を出していきます。
1拠点では大規模化に限度があるのでね。
『合格実績アップ→生徒数アップ→合格実績アップ』
という成長の法則がまだ効いていた時代。
その象徴が広告に乱立するこの矢印かな。
よく見ると数字増えていなかったり(笑)
難関校の定義を変えて、
都合の良い合計数字だったり(笑)
まだやっているところあるけれど(笑)
で、多店舗展開の支柱となるのは
チェーンストア理論
統一性を持った複数店舗の集合体を
チェーンストアといい、
チェーンストアは
直営店での店舗展開と
フランチャイズによる店舗展開がある。
塾はまず直営店での店舗展開が主流。
(フランチャイズに関しては後で記事にします。)
チェーンストア理論を広めたのは
ペガサスクラブ渥美俊一
メンバーとして有名なのは、
ダイエー、中内
イトーヨーカ堂、伊藤
ジャスコ(イオン)、岡田など
1960年代に30代の若手だった経営者たち。
現在、その系譜にはニトリやサイゼリアも。
企業活動を本部に集中させて、
店舗ではオペレーションに専念することで
経営効率をあげる手法。
経営効率をあげて、
教育力を減少させてるんですけどね。
規模の経済で購買力が上がり、教材を安く買えたり,
(一括で同じ物を買うことが教育力とは相反する)
広告でのスケールメリットが出てくる。
で、本末転倒とはこのことだが、
多店舗展開しやすいような設計をしていく時代。
多店舗展開のための設計が優先なので、
教育的に大切なことも多店舗展開のために削られる。
単純化
標準化
平準化
個人塾の凄みの劣化。
教室長と教科担当者と分業、そしてサラリーマン化。
合格実績を追い求めて、
結果、生徒数が増加していた時代から
生徒数だけを追い求める時代へ。
1拠点の大規模塾だった塾が
多店舗展開をすることで
実績を引っ張ってきたスーパー講師陣を教室長として
多店舗に派遣。
ここで塾の総合力が分散し始める。
ここからが多店舗展開の罠。
実力派職人系講師の数<店舗数
になってくると
人材不足により
ポンコツ教室長が爆誕する!
個人塾時代の凄みを知らない人材も多数登場。。。
ポンコツでも教室運営ができることや
教室間の統一性が重要になるので
単純化
標準化
平準化
はより一層進み、
それができないものはどんどん削られ
塾の総合力は絶滅の危機に。
また、規模が大きくなると
塾の総合力という定性的な管理ではなく、
定量的な数字での管理に突入していくわけですね。
生徒数や売り上げや退塾率などなど
ちなみにこれが進むと個人塾の凄みを知っていた
初期のスーパー教室長の中には
評価されない人も出てきます。
教室長の無能化の加速は次回。。。
各教室を最高レベルに合わせるのではなく
ポンコツレベルに合わせていく。
形を保つ最低限の基準。。。
店舗展開のスピード>人材育成のスピード
になると劣化が加速していきます。
多店舗展開の成功の秘訣は、
塾の総合力、個人塾の凄みの消失につながっていた。
これが多店舗展開の罠。
教室長無能化の加速
この罠を加速させたのは実力派教室長の独立。
個人塾の強みを知っている教室長の中には
多くの生徒・保護者のファンを持つ教室長も
当然いる。
まだイケイケの時代であったことで生徒も集まるし、
多店舗展開の方針において
本部と現場との乖離や対立も生まれる中
そのまま教室の生徒を引き連れて
独立する教室長も生まれる。
本部としては痛いので、
教室長のカリスマ化を防ぐ方向へ
進んでいくわけですね。
そうすると教室長は
独立できないようなポンコツでなければ
ならないし、
成長しても
定期的に教室を移動させて、
地域に根ざさないようにしなければならない。
これが教室長ポンコツ化の加速。
ここに補足するとすれば
社員の高齢化による給料アップによる人件費の増大
→リストラ
→うまく社員の若手への入れ替え
こんな本部の理由もありますね。
まったくもって顧客は見ていない自己都合。
現在進行中かと。
ま、塾でなくても組織にはありがちな無能化の流れ。
その禁断の真実を暴く階層社会学の奇書。
『ピーターの法則』
ローレンス・J・ピーター著
組織において人は
おのおのその無能レベルまで昇進する
ということは、
やがて、あらゆるポストは、
職責を果たせない無能な人間によって占められ、
組織はいつかすべて無能な人々の集団となる
そして仕事は、
まだ無能レベルに達していない人間によって
行なわれている。
課長で有能で、部長に出世しても、
部長としては無能で、出世が止まり、
無能な部長として居座り続けるっていうね。
求められる能力の変化についていけないのですね。
営業マンとして優秀でも、
営業マンを率いる能力はないとかね。
大手塾にはわかる気がする人が多いのでは(笑)
名講師が名教室長でもないし、
名教室長が名エリアマネージャーでもなく。。。
役員あたりなんかは
経営を知らない元塾講師が
たまたま時代の流れで出世した場合、
ポンコツ極まりないというね(笑)
個人塾創業者も
名経営者ではないこともありますし。。。
雄飛教育グループ
【県立浦和高校受験専門塾】雄飛会
【名門公立高校受験道場】
現在、雄飛教育グループでは個人塾の凄みを結集した、梁山泊経営を目指してグループを運営しております。
個人塾での独立希望の方、教務力を発揮した講座を開設希望者の方で、雄飛教育グループのプラットフォームでの活動や独立前提でグループでの活動にご興味がおありの方はご連絡ください。
また、【名門公立高校受験道場】では、各地域で名門公立高校への合格実績をお持ちの実力派塾の参画をお待ちしております。ご興味がおありの塾長様や塾の方はご連絡ください。
yuuhikai.ichiyanagi@gmail.com
一柳まで。
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