もいせん入院、退院を経て
自己紹介
まず簡単に私の自己紹介からさせていただきます。
現在40歳でクリニック事務長として勤務しています。
事務長をさせて頂く以前は介護施設の施設長として勤務していました。
その時の話から簡単にさせていただこうと思います。
18歳の頃から介護業界に足を踏み入れ当初は何もわからないまま仕事をこなす毎日。人と人との関わりが大事なこの業界で私自身成長させていただき現場から管理する側両方の業務に携わらせていただきました。
そこでこの業界で感じた事、違和感があった事を書いていきます。
この違和感こそが、今回もいせんに入院し自分でアプリを作成し解決したい!実装したい!と思ったきっかけに繋がります。
#1 違和感
介護業界で働いて感じた事は、介護を知っている方、知らない方がいます。
知っている方とは、介護保険をベースに仕事をしていて業界に関わっている方、知らない方とは、業界に関わった事がない方や高齢者の方又はその家族様、家族が知識がないのは当然なわけで、介護業界に関わっていない方に対しもちろん知識を求めてはいけません、知識がある側(介護保険をベースに仕事をしている方)が無い側にいかにわかりやすく説明し質問しやすくする必要性があると思います。
しかし何十パターンもの担当者会議に参加したからこそわかる、
不安そうな家族の表情。担当者会議が終わると同時に契約書の山、それを読まずに淡々とサインを繰り返す。今から身内や家族が新しい場所で不安がつきまとうなか、なんか「違和感があるな」と感じていました。
例を一つ挙げるとすれば、
・担当者「ここは住宅型有料老人ホームなので日中はデイサービスで見守り をします、夜間は施設のサービスで対応しますので安心してください」
・家族「日中はデイサービス?夜は施設のサービス?」「施設にずっといるのにサービスが違うの?」「じゃーデイサービスが無い日は見てもらえないの?」
・担当者「デイサービスが無い日も見守りは施設サービスでついてますよ」
・家族「はぁ、わかりました。」介護保険でサービスが全部使えるんじゃないの?料金がまた変わってくるのかなぁ。と不安になりますが聞けずに会議が終了するこれが違和感の原因です。
#2 寄り添う
私が思うにまず担当者会議では、家族やその本人様が主役になるようにしていかれると思いますが、主役になるはずの介護保険を知らない家族とします、突然な質問ですがこの記事を見ているあなたにお聞かせください。
介護付き有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム・グループホーム
定期巡回型・サービス付き高齢者向け住宅、この5択の中からどの施設が自身のおばーちゃん、おじいちゃんに合うよねーとかわかる方いますか?
介護保険を知らなければ絶対にわかるわけがありません。
だからこそ、担当者会議で家族が質問し理解する、家族が方針や要望を伝える。「ケアマネさんに任せてますから」など言われる事がありますが、任せてるのではなく質問する事、介護保険でやれる事がわからないからケアマネさんに任せてますに繋がるのかなと思っています。家族の事は家族が決めたくありませんか?なら家族に決めてもらいましょう!
#3 情報
在宅や他施設、病院から新しく入居される方の情報は沢山あります。
フェイスシート、看護サマリやアセスメントシート本人に会う前に大概の情報は手に入ります、ですがお会いすると「ん?」「この情報の人?」「情報と違くない?」等が多々あります。施設側としては、本人になるべく早く新しい場所に慣れて頂きたいと思い情報収集しますが、性格等知るには最低でも1っか月程度の時間は必要になります、ですがこの情報収集している1ヵ月は入居者にとってもストレスの1ヵ月になるかと思います。
なぜストレスになるかと言うと、施設で働いているスタッフは多数いますので情報は共有しますが、こだわりだったり性格は文字だけじゃつたわりません。実際にお手伝いをさせていただきわかることの方が多数あるため何度もスタッフに伝えないといけない、なんで先回りしてやってくれないのか等、ストレスに繋ことでしょう。これがずっと家族と施設のストレスになっていたんじゃないかと思います。
#4 もいせん入院 アプリの作成
私が介護施設からクリニックに移動になりそれと同時に「もいせん」の入学(もいせんでは入院)をしたらとの提案をいただきました。私は「もいせん」の存在を全く知らず簡単に「承知しましたー」と返事をしたのですが、ここからまさかこんなに悩む日々がくるとは思ってもいませんでした。プログラミング?Xでポスト?Discordでやりとり?
なんの話?「俺介護で使えるICT探しに入院したんだけど」「まさか、自分でアプリを作るの!?」こんなの無理と最初は挫けそうでしたが、様々なツールに触れていく中で自分自身の得意とするもの、苦手な物がはっきりとわかり、その得意なツールで介護の時に感じていた違和感を取り除こうと決めました。私が感じていた違和感、施設と家族と本人のズレを修正したいと思い施設側も家族もめちゃくちゃ簡単に作れて触れるアプリ「もっとわたシートをみて!!」を作成いたしました。施設側が本当に欲しい情報は家族が一番知っている、施設も家族のようにその方と関わりあいたい気持ちを考えると家族に見せている情報が施設が欲しがっている情報、それを家族が作成してくれれば一か月も掛からずその方を知れる期間がぐっと短くなりその方に与えるストレスも軽減されると感じております。
#5 実装 もっとわたシートをみて
もっとわたシートをみて!を説明させていただきます。
まずGoogleスプレッドシートに各施設で家族に聞きたい事をリストアップします、次に情報収集するためのフォームを作成、今回私はGlideをフォームとして使用しました。次はGlideで家族に情報収集します。入居前面談や施設見学の際にQRコードを渡しそこで入居されるかたの情報を得る、その情報は再度Googleスプレッドシートに反映される、その反映された情報もとにCANVAにデータを一括送信すれば自己紹介シートの作成が完了
施設の居室入り口付近にその情報を載せることで、
※入口付近に情報を設置する事で個人情報漏洩になるんじゃないか等懸念の声がありましたが、シートを設置することに関してはあくまでも施設での事で施設側が部外者を居室に誘導することはなく、訪問リハビリやケアマネ、介護職を対象として考えていて情報の共有は契約時に行っているので特に問題なしと考えています。
訪問した介護士等にその方のニーズの再確認、再認識されサービスが合致しやすくなると信じています。
#6 もいせん退院
約3カ月間仕事と同時進行にアプリの作成を行い、もいせんがある土日が辛く感じる時がありました。仕事も新しくなったばかりでメンタルも弱っているなか色々なツールや情報を頭に詰め込むのは本当にきつかった、ただ同期の存在が大きく色々助けていただきました。もいせんには同期が2名いてその方達が本当に心強かった、3人で集まり世間話をしながらアプリの作成、各々自分のアプリの作成もあり大変な時にも同期で助け合い、本当にお二人には感謝しかありません。それと、担任の先生が本当によかった。
今回私みたいな本当にプログラミングとは無縁な男に根気強く説明し時間を割いていただいたり、私の性格も理解して話を傾聴してくださり本当に感謝しかないです、先生だったからこその私達3名とも無事退院できたと思っています。先生には心から感謝しています。
本当に色々な事を経てようやく最終発表(デモデイ)めちゃくちゃ緊張しましたが無事終了。
退院証明書を頂いたときは正直な話、ようやく頭を休める安心感でホッとした気持ちでした。少し仕事に集中してまた余裕ができたら物作り始めてみようと思います。
もいせんで出会えたすべての方に感謝です!ありがとうございました。
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