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言葉と共生する | GO AHEAD -僕の描く夢- 第270回

 詞は時代の写し鏡だ。人も、想いも、世界も。

 広告と違うのは、伝達対象の大きさ。たしかに、対象は異なるかもしれないけれど、特定の世代に「スパーンッ!」と突き刺さる言葉を産み出さなければならない。だが、詞の行き先は“あなた”だ。作品として世に出る場合でも、あるひとりだけを目標にしてもかまわない。

 ……ちょっと難しい導入になってしまいましたが。だから、みんなも言葉と向き合ってみませんか。今日は、そんなエッセイです。

 欅坂46の「サイレントマジョリティー」。彼女たちの素晴らしいパフォーマンスや、若者やサラリーマンたちを鼓舞するような歌詞が話題になりました。私もめちゃくちゃ好きで、一時期はずーっとアルバムを聴きまくっていました。

 昨日もネガティブ・シンキングの話をしましたが、2016年辺りから一気に社会とWWWとの向き合い方が変わってきましたよね。SNSのクリエイティブはもはや大人たちのものではなく、どんどんと低年齢の天才が現れていった。

 平手友梨奈さんはその典型的な例。とんでもない才能を持っていて、えげつない表現をする人が毎日のように現れ続けている。そんな中で、みんなが自由に発信できるからこそ、有名な人と、そうじゃない人で大きなギャップが発生してしまうわけで。(参考:昨日のエッセイにまとめてあります)

 絵が描ける、歌が上手い、美しい写真が撮れる、いろんなメイクが出来る。いわゆる“一芸”が創作活動には求められます。でも、創作活動をしている人も、そうじゃない人も、身につけられる一芸がある!

 それが、言葉なんだと思います。(詞や小説などとはまた違う)

 端正な言葉なんて話せなくていい。美しい表現もいらない。ただ、あなたの想いをまっすぐに届けられること。そして、その想いをみんなが汲み取れること。

 別に真新しいことではないし、「もうやってるよ!」って人の方が絶対多い。すでに様々な学問にもなってる。文学や、経済学として。

 だからこそ、もっと言葉と向き合わなければいけない。

 何かを批判するとき、誰かに「好き」を伝えるとき、自分の会心をプレゼンするとき。言葉を知らないと、使い方を知らないと、ほんとうに必要な時に使えない。

 言葉を紡ぎ始めた当時、私はコミュニケーション能力が圧倒的に足りませんでした。他に得意なこともなくて、自慢できることもなくて。今も大して上手くはないけれど、言葉と共生してきて良かったなあ……と感じることがいっぱいある。

 言葉で活動する必要はなくても、しっかりと言葉で伝えられる人が増えてきたら、もっと世界はよくなる。

 あえて、こう言い切りたいです。

 2020.5.4
 坂岡 ユウ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。 いただいたサポートは取材や創作活動に役立てていきますので、よろしくお願いいたします……!!