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病と鎧

病気とは、やらない理由に凄く使える言い訳だと思う。私も精神病を言い訳に、あらゆる事から逃げていた。仕事、結婚、一人暮らし、ダイエット、面倒な事に挑戦するのは、全部私の病気が治ってから。

そう言ってる内は、本当にずっとずっと私は病気のままだった。その頃の私は病気を盾にして、弱い自分を守りたかったのかもしれない。

「病気が治ったら、〇〇したい」
って、いつも言っていた。
だけど、5回も精神科に入院をして流石に病気をもう本気で克服したかった。その時ぐらいに、病気の自分にもう飽きたのだと思う。もう充分病気と言うものを経験した。

「もう病気の自分とか、本間に嫌や」
何があっても、精神薬を辞めて健康になってやるって決めた。治ってからじゃなくて、病気のままでも、まずはやりたい事をやってみよう。

ずっと、休んでいたから動き出す時は何をするにも体が重い。何かをやり始める時って、勇気がいるし、自分で考えて行動するのは大変だ。体力が無くなってるから、直ぐ疲れる。
「やっぱり、病気のままでいたい」
そんな気持ちに戻りそうになりながらも、今出来る事を少しずつやりだした。行きたい場所に行ってみる。逢いたい人に会う。観たい映画を見る、読みたかった本を読む。ジムに行く。自分を褒める。そんな小さな事から、やりはじめた。

病気は治る前提で、やりたい事を考える事が、とても大切だ。病気の時って、何故だか病気を先ずは治そうと思うあまり、病気の事ばかり考えてしまって視野が狭くなる。


私は、人生の中で病気を経験出来る事は、とても大切な転換期なのだと思っている。
それまでの生き方を変えられる大チャンスが訪れていると思って、今は病気を最大限言い訳に使っても良い。
まずは体と心をゆっくり休めて欲しい。
本当にやりたい事は何か?
今、病気が自分と向き合う時間を与えてくれている。

動けるようになったら、病気を勇気や原動力に変えて、本当にやりたい事に少しずつ挑戦してみてほしい。

本当にやりたい事をやりはじめたら、病気という鎧は気が付いたら要らなくなっている。


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