見出し画像

自立にするか迷わない〜バランス評価編〜

こんばんは!ゆういちです!この記事は15分で読むことができます😆

さて本日は、バランス評価についてお話ししたいと思います。

よく病院で勤務していると

看護師「あのすみません!○○さんですけど病棟内自立でいいですか?」

こんなことを聞かれると

セラピスト「自立でもいいと思うんですけどね。もうちょっと様子を見てからでもいいですか?」

このような会話になることってありませんか?

これに関して問題なのは、セラピストに根拠がないことに原因があると思います。

自信を持って自立であるか判断できないというのは、その方が一人で移動した場合に転倒する恐れがあるからです。

バランス検査はいくつもありますが、病院でかつ急性期の病院であると尚更、リハビリの時間もありませんし、評価にそこまで時間をかけることができません。

そこで本日は、私が日々行っているバランステストを厳選してお届けします。

そもそもバランス機能を見る理由

バランス機能に関しては、さまざまな疾患や状態で低下してしまいます。

例を挙げると脳卒中や脊髄障害、末梢神経障害などの神経系疾患、前庭迷路系の疾患、下肢の変形性関節症などの整形外科疾患などに加えて、内部障害などによって安静臥床後などでもバランスは低下すると一般的には言われています。

特に高齢者においては、筋力低下などの加齢による機能低下、認知機能の低下などが影響して、バランス機能は低下しやすくなります。

バランス機能の低下は転倒を生じ、それによって骨折することも少なくありません。高齢者において特に下肢の骨折は、移動能力や活動量が低下し、肺炎や誤嚥なども発生しやすくなり、悪い例では亡くなる場合もあります。

また、転倒時の頭部等への衝撃で直接死亡することもあるため、バランス機能を評価することは大変重要であることがわかります。

驚くべき結果ですが日本の死因順位は、多い順で悪性新生物、心疾患、老衰、脳血管疾患、肺炎で、6位に転倒死を含む不慮の事故となっています。

そのため最近では、セラピストの中でも転倒予防のスクリーニングシートが活用されているところも珍しくありません。

特に入院中は転倒に対する危険性をセラピストが把握しなければいけないため以下に4つのバランス項目を載せたいと思います。

1.TUG(time up and go test)

超メジャーだと思いますが一応説明します。

〜方法〜

椅子から立ち上がって3m前方まで歩き、Uターンして戻り、再び椅子に座るまでの、一連の動作の時間と安定性を評価(椅子の高さは46cm程度)

*歩行速度は原法では快適速度と規定されている

10秒以内 異常なし
20秒以内 屋内外出可能
30秒以上 要介助
転倒リスクはカットオフが13.5秒

TUG は転倒予測の評価方法として信頼性, 妥当性が高く, 下肢筋力, バランス, 歩行能力, 日常生活機能との関連も高いとされており、評価時間も5分以内に行えるため必ず実施すべき項目と言えるでしょう。

またワンポイントアドバイスとしては、測定時に歩数も測っておくと、どんな歩行をしているのか想像しやすいため計測しておくと発表などの時に有効です!

2.BBS(Berg balance scale)

出ました!これもまたまた有名なもの。でもこれも外せません。

種々の条件での立位保持、椅子からの立ち上がり、その場での一回転など14項目からなる.各項目は0-4点で評定され、満点は56点です。

包括的にバランス能力を測定できる評価指標とされ、評価指標としての信頼性、妥当性が検証されているいます。唯一の難点としてはテスト項目が多いため測定には15-20分を要してしまいスクリーニングテストとしては少々時間がかかってしまいます。

高齢者の平均は50-55点 45未満の転倒リスクは高いと言われています。

歩行レベルごとに表記すると

歩行器使用33点以上
屋内杖歩行45点以上
屋外杖使用48点以上
独歩     50点以上

また46以上 病棟内自立 36以上 病棟内見守りが一般的と言われています。

3.5回立ち座りテスト

43〜45cmの椅子を用意し腕を胸の前で組み、5回立ち上がる時間を計測します。

筋パワーテストとしては5回立ち座りテストが14秒以上かかる高齢者では転倒の危険性が7倍に高くなると言われている。

測定課題がいたって簡便であり、数分で測定を終えることができます。

4.Four Square step test

50cmの四角い正方形のマス目をテープなどで四つの正方形「田んぼの田の字」のように印をつけてマス目を時計回り、反時計回りに3周ステップするように回ってもらうバランス検査です。

カットオフは研究によって様々ですが、私は20秒以内に3周回り切れるかどうかをカットオフとしています。

ステップ動作でバランス評価を行うため、他の項目よりも難易度が高い検査となっています。

まとめ

いかがだったでしょうか?

スクリーンショット 2020-06-23 7.18.58

バランス検査はたくさんありますが、本日は上記の4つのバランス検査をご紹介させていただきました。

評価はたくさん行えば正確ではあるものの、実際は時間も限られているので、できるだけ時間がかからず、包括的に評価できるものを抜粋させていただきました。

他にもうちではこんな評価でバランスとってますなどありましたら是非教えてください😆

拙い文章ではありますが、最後までお読みいただきありがとうございました😊


*******************************************************************************

〜PHYSICAL ONLINE〜にようこそ! 

このマガジンでは急性期、回復期を経験する現役理学療法士2人が 実際に臨床をやって疑問に思うことに対して解説していきます。 全体として若年層になるつつある理学療法士が 今後何を積み重ねていかなければならないのか? 押さえるべき基本的な臨床論や知識は? リハビリの未来を見据えて動くにはどうしたらいいか? 培った知識をフルにアウトプットし、日々見て下さる全ての方々のモチベーション向上や明日の臨床で役立つための情報をお届けします!

▼2人のTwitter    フォローお願いします😆





よろしければサポートお願い致します!良い記事を作るためクリエイター費用の運営に使わせていただきます。