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電気、水道、ガス、その先にあるもの 〜久米川大学物語〜

こんにちは!さいとうゆかです。
異色の5人組ユニットでお送りしてきた「推し駅」シリーズもとうとう最終回になりました。

終着駅は「久米川」。私自身、市民デビューが久米川エリアだったこともあって、気持ちは高まる。でも、取材に行くのも緊張するし、また街歩きでもするかぁ〜気候も良くなってきたしね。なんてぼんやり考えつつ、月一開催の編集会議に参加したところ、

「さいとうさん、守りに入ってやしないかい?」
「取材、行きましょうよ。」

核心をつく言葉をメンバーから頂戴する。極度の内弁慶である私、インタビューとなるとつい構えてしまい、避けに避けてここまできたのでした。そしてそれがすっかりバレていたのでした。ペンを通して語り合ってきたこの数ヶ月、メンバーとここまでの関係性が育めたことに胸が熱くなる。

仲間に背中を押され、その気になった私は、おうおう、そこまで言うなら行ってやろうじゃないの!生の声、取ってこようじゃないの!!と大見得を切り、中央公民館での編集会議を後にした初春の宵。

「久米川」といえば、村山イチ遊べる街。「のどかで自然溢れる緑豊かな東村山市」、これはこれでいいんです。大好きです。でもね、こういう活気も感じてほしい。「久米川」の空気感、知ってほしい。いや、すでにもう十分知っていて、虜になってる人もいるでしょう。今回、取材に伺ったのは、誰もが知るあの「遊技場」。お話を聞けば聞くほど、地域を大切にする心をひしひしと感じ、だからいいんだよなぁ、ムラヤマは!と思わずにはいられない、そんな取材レポになっているはずです。それでは、今回もどうぞよろしくお願いします!

久米川駅南口には日本の最高学府である「大学」がある。そこに「通う」人々は老若男女問わず、紛れもなく「学生」なのであり、「ちょっと大学行ってくるわ。」とお父さんに言われたら、どこのお母さんも、まったくもう!あんたって人は!少しは家の手伝いでもしなさいよねっ!なんて思いながらも、ついつい送り出してしまうとか、そうじゃないとか。嗚呼なんと愛くるしく、罪つくりなネーミングなのでしょう。

誰もが一度は目にしたことのある店構え!

1977年にオープンし、現在に至るまで久米川エリアの賑わいの中心にある「パチンコ大学」(A館・B館)。通称「パチ大」が駅周辺が未開発だった時代になんと立ち食い蕎麦屋から始まったことを知る人は一体どのくらいいるでしょうか。国分寺でパチンコ事業をはじめ、軌道に乗ったところで次の候補地を探していた創業者は当時、本当の本当に何もなかった久米川駅南口に「西友」がオープンすることを聞きつけ、必ずここは栄えるはずだと確信。その読みが見事的中した、というわけ。(ちなみに今回の取材で通していただいた部屋には経営関係の蔵書が壁一面に並んでおり圧巻。まさに知識と経験に裏付けされた成功なのであります!!)

ついつい目が合うまねきねこちゃん。

そんな久米川駅のパイオニアである「パチンコ大学」さんに話を聞かずして、久米川は語れない、ということで早速取材を依頼させていただきました。そりゃもう緊張しまくって、何を言っているのか分からない怪しすぎる私の話を聞いてくださり、快く受け入れてくださったのはA館・B館総合店長の八木澤優一さん。今回は専務取締役の福地さんにも同席していただき、貴重なお話をたくさん聞くことができました。時間にして47分!!長居して申し訳ありませんでした!!お忙しい中、本当にありがとうございました。今こうして取材のことを思い返しながら録音を聴きつつ文字にしているわけですが、本当に楽しい時間でした。

「パチンコ店というのは、案外、商圏が狭いんですよ。お客さんは大体徒歩か自転車。小平には小平、東村山には東村山のお店がある。だから、創業当初から地域密着という考えのもとにやってきています。」(福地さん)

コロナ禍で営業停止を余儀なくされた時も閉まるシャッターの前で地域に貢献できることを模索していた姿は記憶に新しいところ。何ができるのか分からない中、地域のために自分たちができることを!というパチンコ大学さんの姿勢に勇気や元気をもらった人も多いのでは、と感じます。何を隠そう私もその一人。あの時のことを思い出すと未だに目頭が熱くなります。今回、この気持ちを伝えられたことは本当によかったです。

「うちのスローガンとして、【電気、水道、ガス、パチ大】というのがあるんですよ。」(八木澤さん)

「地域のインフラにどう溶け込んでいくか、というのを一つの目標として掲げていまして。地域の方々、パチンコをされない方々との接点を持っていく、そんな方々にも必要とされるお店になることを目指しているんです。」(八木澤さん)

現在、日曜日を中心に有機野菜の販売を行っており、多くの「パチンコをしない人」で賑わうんだそうです。ちなみに面白いお話。パチンコ大学の会員カードを持っていると優先的に30分早く購入できるという特典があるのですが、現在「パチンコをしない」会員さんが40名ほどいるんだとか!!リピーターも多数。野菜ソムリエさんもついて、お料理のアドバイスも受けられるなんて、まさに学びの場。「学生」の層がかなり広がっています。

きっかけは数年前に店頭でプランター栽培していたトマト。立ち止まって見ていた通りかかりの子どもたちにできたトマトをあげたところ、大変喜んでもらえたんだそう。だったら、パチンコ大学産の野菜をつくってみよう!と美住町に畑を借りて「パチ大農園」を始め、できた野菜を店頭で販売。大きな反響があったそうです。


八木澤さんの息子さん!笑顔がそっくりです!

息子さんの笑顔がたまりません。他の社員さんもご家族総出で作業。お子さんたちにとっても大変良い経験です。そして収穫されたお野菜もすごく立派!びっくり!(残念ながら今はコロナ禍から休耕中。再開が楽しみです!)

「ボトムアップの会社で。やってみよう!と言う声が上に届きやすい。是非やってみろと言ってもらえる。そういう雰囲気があります。」(八木澤さん)

これぞ、SDGs!

それ以外に、フードバンクにも携わられており、その流れから子ども食堂などにも協賛され、まさに市民生活に溶け込んだ活動をされています。


ムラヤマ春の風物詩です。

2019年からは夢見る野球少年たちのバックアップがしたいという思いから小学5年生以下が参加する新人戦のサポートも。こちら、2年目からはなんと「山水カップ」という名称で行われるようになりました!(「山水」というのは会社のお名前です。)将来球界にはばたくかもしれない球児たちは当然今はパチンコとは無縁の層でありますが、ここでもあたたかいつながりが生まれているんですね。ここで見ていただきたいのがこちら。

圧巻です!

西武ドーム!!これは一体どんな経緯で??

「東村山選抜チームと新潟県の柏崎市の選抜チームが交流試合を毎年交互にやるのですが。こちらに来ていただくときはせっかくなのでということで、たまたまご縁があって始まりました。」(福地さん)

野球少年にとって、こんなに嬉しいことはないのではないでしょうか。やるならとことん!関わった人を喜ばせたい!というまさにエンターテインメント業界のプロフェッショナル魂を感じます。ところで、お二人とも野球、かなり、お好きですよね?

「はい!大好きです!」

やっぱり!熱い想いをひしひしと感じました。是非、パチ大の草野球チームを作ってほしいなぁなんて思ってしまいました!!

いやー、どこから書いたらいいかなぁ。。良いお話が聞けすぎてしまいました〜なんて軽口が叩けるくらいに場が盛り上がったころに福地さんがポツリとつぶやく。

「きっかけはなんだったかな、って今考えてたんですけどね。ちょうど昨日結構雪が降ったところだったでしょ。」(福地さん)

そう、取材前日は雪。

「とにかく、自分の店の前だけじゃなくて駅の前まで雪かきしろっていう指示を常に出してたんですよね。昔から。うちには若い人間がいる。だから若い人間がやることを買って出る。うちにあるもので地域に貢献する。これが野菜や野球につながっていったのかな、と思ってますね。」(福地さん)

パチンコ大学から久米川駅南口までの数十メートル。店先から改札まで、歩きやすく雪かきをされたまっすぐに続く道。

誰がやってくれたのか分からない、でもそれで助かる人がたくさんいる。縁の下で多くの人の生活を支えている人たちがいる。まさに、インフラの原点。

電気、水道、ガスに続くものは一体どんなものがあるだろう。そこを担うべく、日夜研究を重ねるアツい会社が久米川駅南口にありました。

取材を終えて、お店の前に出ると昨日積もった雪はほとんど跡形もなく消えていて、店内では活気のあるスタッフの方々が忙しそうに動き回っておりました。

パチンコをしない人たちともつながっていきたいという気持ちを原動力に即行動に移すという「大学」の底力を感じ、大いに活力をいただいて帰路についたのでした。今日も市民の生活に溶け込むべく、楽しい活動を考えているはずです。これからも楽しみ。とりあえず、お野菜、買いに行きますね!!八木澤さん、福地さんこの度は本当にありがとうございました!!



お二人のおかげで取材が好きになりました。ありがとうございます!!


今やパチンコ屋さんも分煙の時代。喫煙室が完全に分離している!!通りがかって一服という方も多いんだそう。


いわゆる「あまり玉」で募金ができます!!


こちらの冷凍自販機も運営。人気を集めています。





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