その人がやるからこそ、効果的に機能している
さて今回は、私が今、社外で取り組んでいる活動についてシェアさせてください。
実は半年ほど前から「職場の風土改革」をテーマにした集まりに参加しています。
企業内人事の方はもちろん、プロの研修講師や大学講師、コーチなどの参加者が中心で、ワークショップや研修を企画開発したり、勉強会を開いたりしています。
その中で、先日私が数名のメンバーとともに、あるワークショップの企画を担当いたしました。
そのワークショップの準備のために、本番2か月ほど前から、仕事帰りにメンバーで集まって、終電ぎりぎりまで打ち合わせを繰り返す生活が始まりました。
多くの試行錯誤を繰り返し、当日が迫ると連日睡眠時間を削って、プログラムを最後の最後まで練っていきました。
そして迎えた本番。そのワークショップでは感動で涙を流す人も出て、本当に場が一つになるような、心が震える経験をすることができました。
この経験を通じて感じたことがあります。
それは、「やり方が違えば結果が違ってくる」ということです。
私は、よい仕事をして素晴らしい成果を出そうという時に、戦略の巧拙や知識の有無が成果を決定すると思いがちです。
ついビジネススクールに通ってみたり、本を読んでみたりと知識を習得してそれを仕事に生かすことに目が向いてしまいます。
実際のところ、知識は大変役に立つので、その価値は間違いないと思いますが、今回の経験で改めて感じたことは、よい仕事とはそれだけで決まらないということです。
私を含め、今回の企画を担当したメンバーは研修講師やファシリテーターとしての経験は浅く、まだまだ上手な企画進行とは言えないところもありました。
しかし、当日は参加者に、一定の感動を持ちかえっていただけたようです。
このことから感じるのは、仕事のアウトプットのクオリティが高いかどうか、が唯一絶対の価値ではなく、その仕事が生み出されるまでのプロセス自体も併せて仕事の価値に含まれるのではということです。
つまり、その仕事が最終的に形になるまでにどんな気持ちで取り組んできたか、どれだけの試行錯誤や葛藤がそこに込められていたか、というようなことです。
それは最終的に形として見えないかもしれませんが、不思議と相手に伝わるようです。
「この仕事、企画を生み出すために真剣に考えてくれたんだな」
という背景が感じられ、なんだか重みを感じる提案を受けた経験ってないでしょうか?
それを受け取った時にじんわりと感じる幸せ感のようなもの。
それも大切な価値であるように思えます。
そう考えると、一見同じ知識や技能を活用していたとしても伝わるものは同じにはならない。
その人がやるからこそ、効果的に機能していると言えるかもしれません。
また、今回、イベント当日までに多くの思いと時間をかけたことで私自身が「本当にこの仕事をやってよかった」とこの上ない幸せを感じ、機会を得られたことに感謝せずにはいられませんでした。
このような仕事とのかかわり方は働く個人にも大きな幸せを与えてくれます。
大げさかもしれませんが、人間は本来いい仕事をしたい。感動したいと思う生き物なのではないでしょうか。
日々の仕事においても同じだと思います。
マネジメント側として、社員の仕事の最終的な成果を評価していくのみではなく、仕事をする環境や仕事を生み出すプロセスに光をあて、適切に支援し、評価していくことにもっと注目すべきなんだと感じます。
改めて、自分の働き方、そして組織運営に生かしたいと感じた経験でした。
また来月もよろしくお願いします!
VOL17 2011/11/31 sakaguchi yuto
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