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子どもの「やってみようかな」が実行されるまで【不登校のお子さん】のお話

こんにちは。yutoriです。
お読みいただき、ありがとうございます。

今回は、子ども達のカウンセリングを通して考えている事を書きます。

私は
「しばらく学校へ行っていない」
「ずいぶん長く勉強していない」
というお子さんやご家族に多く出会います。

お子さん自身は、焦っている子もいれば、全然気にしていない子もいて様々です。

ご家族は、もちろん心配しておられて、早く改善してほしいと願っている方が多いです。
ここ数年は、時代の変化なのか、「学校や勉強が全てではない。本人のペースや考えを大事にしたい」という方も増えている気がしています。

お子さん達は、何かの要因で学校や勉強から離れているわけですが、だいたいの子は心の奥底で

「学校に行った方がいい。でも、行けない。行きたくない」
「勉強した方がいい。でも、嫌い、難しい、やりたくない、どうしていいかわからない」

のように思っているように感じています。

ご家族の中には
「焦っているなら、分かっているなら、やったらいいのに」
と話される方もおられます。
その気持ちも理解できますが、一番そう思っているのは、当の本人だろうなと感じます。


私の立場では、お子さんを焦らせることはせず、必要な期間をかけてお話を聴かせてもらっています。

すると、十分に休んだり、しっかり悩んだりできた子は、
「学校行ってみようかな」
「ちょっとでも勉強しようかな」
というような言葉が出るように変わってきます。

ご家族のお話の中でも
「この間、'学校行く'って言ったんです」
「'ドリル買って'って言われたんです」
のような内容が出てきます。

そうすると、これを聞いたご家族や関係する大人達は、
「やっと学校行ってくれる!」
「ようやく勉強できそうだ!」
と期待したくなります。

それで、いざ子どもが行動を起こさないと、
「やるって言ってたのに!」
と、苛立ちや不安を感じてしまう事が多いように思います。

大事なお子さんですからね。
心配や期待をして当然ですね。


私としても、子どもから「やってみよう」という言葉が出てくることは嬉しいですし、間違いなく前向きな変化だと思っています。


でも、しばらく学校や勉強から離れていた子が、すんなり手をつけられるはずがないのです。

やろうにも、何からどうしたらいいか、お子さん自身もわからずにいるのでしょう。

なので、お子さんから、
「学校行ってみようかな」
「勉強しようかな」
という言葉が聞かれたら、

'気持ちが前向きに変わってきたんだな'

と受け取って、'まだ期待しすぎずに喜ぶ'くらいの捉え方がいいかなと思っています。

•前向きな言葉を何回か言う
•具体的に何か始める
•大人に手助けを求める

なんていう変化が見られてきたら、また一歩前進です。

大人に手助けを求めてきたら、すかさず動きましょう。

また、子どもが頑張り過ぎていると感じたら、「まあまあ、ゆっくりやろうよ」とブレーキをかけてあげましょう。

無理しすぎずに動き出す事が良いです。
私もカウンセラーとして、ブレーキをかける事もあります。

ただし、この次の一歩が出るまでには、最初の「やってみようかな」が聞かれてから、数日、数週間かかります。
数ヶ月かかる事だってあります。

お子さんによってなので一概には言えませんが、言葉に出しながら、覚悟を決めたり、気持ちを高めたり、具体策を模索したりしているのでしょう。

動き出すには時間が必要なのです。
ゆっくり見守りたいですね。

私の立場では、クライエントがお子さんでも、ご家族でも丁寧にお話をお聴きしたいです。

お子さんはもちろんですが、この過程を見守るご家族にも様々な想いがありますから、カウンセラーにもお付き合いさせてほしいのです。

また、こういう前向きな言葉が聞かれたら、ご家族とはこっそり一緒に喜びます。
その喜びをカウンセラーとしても共有したいですからね。


余談ですが…
一年以上前から関わっている中学生が、ずーっと「勉強したくない」と言ってやらずにいたのに、最近少しずつ勉強を始めました。
嬉しくて褒めてたら、私が褒め過ぎたのか「え、そんなに?」とひかれました笑

「ごめんごめん、つい嬉しくて。勉強と向き合える時がくると信じていたよ。」

どんなお子さんも、自身の力で気づき、行動し、逞しく成長していくことを信じてあげたいなと思っています。

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